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三浦しをんさん/「人生激場」「月魚」

 2005-05-25-09:07
最近の私の読書の仕方はちょっとずるくて、エッセイ・考え方の類から、読んだ事の無い作家さんに入門する事が多い。考え方の本ってちょっと読み辛いかなあ、と思っていたのだけれど「どこに着地するのかよく分かんない小説」を読むよりもストレスが少ない事が分かったし、日常を書いたエッセイはそもそも読み易いし。さらに最近の読書としては、金銭的な問題(無職なので)や時間的な事(暇ですからね)から、図書館の利用頻度が非常に高い。当然賞を取った本なんかは、貸し出し中な事も多いけれど、その作家さんの本が他にないわけでもなし、装丁や冒頭が気に入ったものなんかを借りてきて読んでいる。

前置きが長いですが、で、三浦しをんさん。まずは、エッセイ「人生激場」を読んでみた。面白かった。女性の作家さんって、日常の物事に対し、突っ込む方が多いのかなぁ。山田詠美さんのエッセイにも似てる。あちらよりも、当然若いけれど。ヒステリックさを除いた、氷室冴子さんのエッセイのようでもある。

それで、「月魚」という言葉と、著者の着物姿の古風な近影に惹かれて、こちらの本を借りてきた。

三浦しをん「月魚」角川書店

古書の世界に生きる幼馴染の男性二人の物語。古書の世界も興味深いし、齟齬も無い。文章の巧みさは、かなりのレベル。

その細い道の先に、オレンジ色の明かりが灯った。古書店『無窮堂』の外灯だ。瀬名垣太一は立ち止まり、煙草に火をつけた。夕闇が迫っている。道の両側は、都心からの距離を考えれば今どき珍しい、濃縮された闇を貯蔵する雑木林だ。街灯はあるが、それも木々に覆い隠されている。瀬名垣の訪れを予知したかのごとく、『無窮堂』の灯りは薄暗い道を淡い光で照らした。霧の港で船を導く、灯台の灯火。寄港の許しを請う合図のように、瀬名垣の口元の小さな赤い火が明滅した。

こんな書き出しの冒頭、素敵でしょう。でも、何となく騙されたような思いが残る。なぜかというと、この作品には、矢鱈とやおいの薫りが濃いのです。ちょっと読み進めるのがきつかった。いいなあ、と思った箇所もあったのだけれど、これ男女では駄目だったのかなぁ。同性愛に偏見があるわけではないけれども、色素の薄い美少年キャラと、快活で豪胆な背の高いその相方、ってのは如何にもやおい的典型に感じてしまった。

ちなみに、いいなあと思った箇所。

瞼の裏に、記憶の底に刻みつけられた緑の山々の稜線が浮かび上がる。奥深い山の間を流れる細い沢。流れに沿って並ぶささやかな家々。私の生まれた場所。今はもうない故郷の村。(中略)「天気のいい日に砦のような見学用の橋の上から覗き込むとね、澄んだ青い水の中に、ゆらゆらと村が見えるんだ。細い川にかかっていた橋が、雑貨屋の前にあった赤い郵便ポストが、そのまま水底に残っている。」

若いけれどいい作家さんなのだと思うのです。技量にも問題はないのでしょう。ただ、巧いのだけど、伝えたい事がよく分からなかった。

気に入らなかった本について、何だってこんな長々と書いたかと言うと、「面白い作家さんだとは思うので、このブログにいらした方で、『しをんさん、これが面白かったよー』、というのがあれば教えて下さーい」ということに尽きます。ご存知の方、お手数ですが教えて下さい~。あ、もし「月魚」を読まれた方がいらしたら、そちらの感想もお聞きしたいです。
著者: 三浦 しをん
タイトル: 人生激場
著者: 三浦 しをん
タイトル: 月魚
「月魚」、ハードで読みましたが、文庫になっているようです。

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
コメント
初めまして。月魚、読みましたよ。
私はこうゆう雰囲気、好きですね。とっても綺麗で繊細で。
この本を読むと、落ち着いた気分になれるんです。
文庫本の方は表紙が素敵ですし、書き下ろしの作品が加わっていますよ。
【2008/07/12 15:53】 | ネコちゃん #f8NcatWg | [edit]
ネコちゃんさん、はじめまして。
コメントありがとうございます♪
これ、三年以上前に書いた感想なんですねえ。
今、読むとまた少し違うのかなぁ。
確かに綺麗で繊細な雰囲気は印象に残っています。
しをんさんは、このあと、エッセイを何冊かと、「私が語りはじめた彼は」を読みました。
私は「私が~」の方が好みだったんですが、ネコちゃんさんはどうですか?
文庫の書き下ろし作品、本屋さんでチェックしてみますね~。
【2008/07/13 23:09】 | つな@管理人 #- | [edit]
初めまして。つい2週間ほど前、月魚を読みました。

以前書かれた感想ということですが、読み返してみてはいかがでしょう?(なんて……すみません)
自分は割と、作品全体の空気をうまくまとめ、かつ、「愛情」について丁寧に描いたこの作品が好きでした。
性的な欲求を伴うものだけでなく、ただ単純に相手を大切に想うこともある種の愛情なんだなと、今更のように感じさせられました……。男同士というのはしをんさんの趣味もあるでしょうが(笑)、「ただ単純に相手を大切に想う」ということを表現する上で、男女間では描けない部分があったかのように思います。

いきなり、失礼しました!
既読でしたら申し訳ありませんが、しをんさんの「むかしのはなし」という作品もオススメです。パズルピースがぴったりとはまった時のような満足感・達成感のようなものが味わえると思います。
【2009/07/01 21:16】 | 篠 #FbddpQxc | [edit]
篠さん、はじめまして!
初めてコメント頂いたのに、返信がすっかり遅くなってしまってすみません。

ほんとブログを初めてかなり初期の頃に書いた記事なので、今読むとちょっと恥ずかしいです。
うーん、確かにゆる~い愛情は覚えているかも…。
「月魚」、そういえば本屋さんでは見かけるんですが、書き下ろし作品もまだ読めてません…。

「むかしのはなし」ですね、了解しました!
機会があったら是非に。
【2009/07/06 21:12】 | つな@管理人 #- | [edit]












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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
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2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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