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年末年始最終更新

 2009-12-29-09:00
すっかり放置してしまってるので今更あれなんですが、これが年末年始の最終更新になります。

コメント返信も掲示板お掃除も怠っててすみません!(denさん、takam16さんありがとうございます) 戻り次第~。

今年は特に後半から、公は頑張ったんだけど、私の管理能力の低さが露呈致しました。来年はもう少し戻していきたいところです。

それでは、みなさん、良いお年を!
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【国内ニュース】 「Ai情報センター」発足

 2009-12-09-23:17
ヤフトピに載ってました→

以下、そのまま引用しております。

ネット経由で遺体診断 「Ai情報センター」発足
12月9日15時39分配信 産経新聞

 ■解剖率向上へ、専門医請け負い

 低い解剖率などが問題とされる死因究明制度を改善するため、コンピューター断層撮影(CT)で遺体内部の異状を調べる死亡時画像診断(Ai)の読影業務を、専門医がインターネット経由で請け負う「Ai情報センター」が9日発足した。日本放射線科専門医会のメンバーらが財団法人として設立。解剖せずに体表観察だけで死因が決まり、誤った認定や犯罪見落としも生じているとの指摘がある中、Aiでスクリーニングし、不審な遺体を解剖に回すシステムの定着を目指す。

 メンバーの山本正二千葉大病院講師(放射線科)によると、遺体と生きている患者は画像診断のポイントが異なるが、遺体画像を読影できる知識や経験を持つ医師は国内に10人未満しかいない。センターに所属する読影専門医は、読影できる医師がいない医療機関からの要請により、メールのやりとりなどでCT画像を診断する。情報が漏れないようセキュリティーにも配慮するという。

山本講師は平成19年に千葉大病院にAiセンターを設置、院内で亡くなった患者に対し原則的にAiを実施してきた。

 外部の医療機関からも医療事故調査で読影を求められたり、子供の虐待事件で捜査機関から画像所見の鑑定書作成を依頼されたりすることなどが増加。中立性を保つために独立した第三者機関の設立準備を進めてきた。山本講師は「すべての遺体を解剖できない現状ではAiは重要な役割を果たす。医療機関だけでなく捜査機関にも活用してほしい」と呼び掛けている。費用は1万~5万円程度となる見通し。

これはいい形に進んでいると思っていいのかなぁ。メールで診断って、「イノセント・ゲリラの祝祭」の彦根のようだなぁ。やっぱり、現実が小説に追い付いてきてる?(あ、でも、専門医に意見を聞くというのは、ごく当たり前のことなのかしらん) 
願わくば、崩壊まで小説をなぞる事がありませんように。
■関連過去記事■
・「死因不明社会」/海堂尊さんブルーバックス

「ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて」

 2009-12-06-23:37
ジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべてジェネラル・ルージュの伝説 海堂尊ワールドのすべて
(2009/02/20)
海堂 尊

商品詳細を見る

あの「ジュネラル・ルージュの凱旋」でちらりと語られた、東城デパート火災における新人外科医、速水の伝説を描く、表題作「ジェネラル・ルージュの伝説」に、自作解説や作家、海堂尊の来し方を書いたをプラスした、ファン・ブックであります。

最初の最初、「はじめてのご挨拶」から、下記の言葉でほほーっと思ったんです。

人生は誰にとっても自分が主役の群像劇。舞台はひとつ、主役の御仁が別の物語では冴えない脇役に早変わりする回り舞台。みんなひとりひとりに過去と未来があって、脇役人生なんてありえない、ならばそれは虚数空間でも同じこと。

だから、海堂ワールドはあんなに繋がっているのねえ、としょっぱなから納得してしまいました。海堂ワールドの繋がりについては、更に「自作解説」にて詳しく書かれています。

作品に対する海堂先生の自己評価と、自分の評価が合わないところもありますが(先生、私にはやっぱり「夢見る黄金地球儀」はちょっとあのノリが辛いです…)、ファンですから楽しく読みました。海堂さんの小説には今のところ、それぞれペアが存在し、それぞれの作品において、物語の主成分である「物語性」と「医療性」の二つの成分の総和は常に一定であるそうな。私はどうも「医療性」が低い作品が苦手なようです。それって、物語の構成力にケチを付けているように聞こえるかもしれないけど、「医療性」があってこそ、海堂さんだからこそかける世界があると思うんだよね。

ちなみに作品のペアは下記のもの。

「チーム・バチスタの栄光」   ―  「螺鈿迷宮」
「ジェネラル・ルージュの凱旋」 ―  「ナイチンゲールの沈黙」
「ひかりの剣」         ―  「ブラックペアン1988」
「医学のたまご」        ―  「ジーン・ワルツ」
「夢見る黄金地球儀」      ―  「死因不明社会」
「イノセント・ゲリラの祝祭」  ―  「極北クレイマー」
 (左が陽電子だそうであります)

登場人物に特にモデルはいないそうなんですが、自分の性質は“既存のパラダイムの破壊者”であると宣言されておられる姿には、「イノセント・ゲリラの祝祭」の彦根が被り、執筆のスピードの早さには速水が被るのでありました。この本からはそんなに感じられないけれど、魑魅魍魎のような学会の世界を渡り歩いておられるのだから、田口のようなしたたかさ、慎重さもあるのでしょうね。

しかし、先生、「ジェネラル・ルージュの伝説」におけるあの名場面での、猫田看護婦の血も涙もない人の操り方。とても恐ろしいです…。マコリン藤原看護師を継ぐのは、間違いなく猫田なんだろうなぁ…。

今日、テレビでちらりと見たんですが、東京慈恵会医大の鈴木直樹教授という方が、仮想空間による新しい医療システムを開発されており、手術をナビゲーションしたり、犯罪捜査に使われた例もあるのだとか。それってまさに、電子猟犬、加納刑事だよね。海堂さんご自身も、現実がフィクションを追い越していくと書いておられたけれど、時代はどんどん進んでいるんだなぁ。民主党に政権交代し、更にはあの事業仕分けで、医療にはどんな影響があったのでしょうか。バチスタシリーズの新作はどんな世界を見せてくれるのかしらん。「イノセント・ゲリラの祝祭」もあれはあれで面白かったし、確かにあのタイミングで必要な物語だったとは思うのだけれど、願わくば今度は会議室ではなく現場の世界が見たいなぁ。

「文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉」

 2009-12-06-16:14
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉文学刑事サーズデイ・ネクスト〈2〉さらば、大鴉
(2004/09)
ジャスパー フォード

商品詳細を見る

内容(「BOOK」データベースより)
わたしはサーズデイ・ネクスト。一介の“文学刑事”だったが、古典文学破壊犯ヘイディーズから『ジェイン・エア』を救ったことでいまはインタビューに忙殺される日々。そんなわたしのもとに、また悪い知らせが舞い込んだ。最愛の夫ランデンがこの世界から忽然と消えてしまったのだ。ご丁寧にも彼は二歳で死んだことになっている。軍事産業と遺伝子ビジネスを牛耳るゴライアス社のしわざだった。ランデンを助けたくば、ポーの『大鴉』のなかに閉じこめられた幹部ジャック・シットを連れ出してこいという。いっぽう、時空を飛び回る父からは、もうすぐ地球上の生命がピンクのべたべたになって絶滅するという恐ろしい警告が…。「本世界」の強者たちわ巻き込みながら、必死の捜査がスタートした。英文学へのオマージュを搭載し、ブリティッシュ魂が炸裂する“文学刑事シリーズ”第二弾。

前巻ではランデンとの結婚を果たし、幸せを手に入れたサーズデイ。お腹には小さな命も宿り、幸せを噛み締める日々のはずだったが…。サーズデイに平和な幸せなんて似合わない!、とばかりに此度もとんでもない事件に巻き込まれてしまうのです。世界の破滅に、愛する夫、ランデンの”根絶”。いったい、お腹の子はどうなっちゃうの? サーズデイ、さあ、どうする?!

実は1巻にきちんと伏線が張ってあって、サーズデイが「ジェイン・エア」の世界で出会った、ナカジマ夫人(なぜかオオサカ出身!)もこの巻では大きな役割を果たしますし、1巻ラストで思わせぶりな言葉を落して行った、ネアンデルタール人(! ゴライアス社のクローン技術は、ネアンデルタール人をも復活させていたのです)のスティギンズにもきちんと意味があるのです。そう、まさにこの巻では、サーズデイの<技能と才能>が必要とされるのです。

1巻では、マイクロフトの<文の門(プローズ・ポータル)>を使って、本の世界に入って行ったサーズデイ。しかし、プローズ・ポータルは既に破壊され、それを使っての行き来は出来ません。必要に迫られたサーズデイは、ナカジマ夫人をとっかかりに、ミス・ハヴィシャム(『大いなる遺産』のなかに住む永遠の花嫁)の弟子となり、<ブックジャンパー>の技術を磨きます。

前巻のロチェスターも素敵でしたが、今回は本の世界がもっと前面に出てくるのです。なんてったって、まるで自治組織のような、ジュリスフィクションなる”文学内務保安機関”というものが存在し、本の登場人物たちも、ただの登場人物ではなく、内務保安員として別の一面を持っていたりもするのです。サーズデイが最初に飛び込んだ図書館で出会うのはチェシャ猫。ジュリスフィクションについて教授してくれるのが猫なんだけど、それもまた楽しいでしょ? 作中人物である彼らとの連絡は、脚注電話(フットノーターフォン)で取る。主文に突然、脚注が入った時は面喰いましたが、これもまた慣れると楽しい!

この巻の楽しいアイテムとしては、これまたマイクロフト伯父の発明による<エントロポスコープ>に、重力輸送システム<グラヴィチューブ>でしょうか。確かに、飛行船だけでは、世界各地に輸送網が整ってるとは言い難いですもんね。<グラヴィチューブ>を使えば、理論上一回のドロップの所要時間は、行き先に関係なく四十分ちょっと。<エントロポスコープ>は、”エントロピーは増大する”という法則を利用した、とてもあり得ない偶然が起こるタイミングを察知する装置。しかしこれが、ただ単に米とレンズ豆が入ったジャムの瓶ってのも楽しいのです。米とレンズ豆がきっぱりと別れた時、その時とんでもない偶然が起こるわけ。

図書館で、このシリーズがずっと気にはなってたんだけど、元になっている本について詳しくないしなぁ、と躊躇していたんですが、二冊読んではっきりと言えます。訳者あとがきにもあったけれど、このシリーズを楽しむのに、文学的教養は全く必要なし! ここには書けなかった色々なアイディアがいっぱいで、目を回しながら楽しめちゃいます。小さな遊びが好きな人は、楽しく読めるんじゃないかなぁ。

1 エイドリアン・ラッシュ・ショー
2 スペシャル・オペレーションズ・ネットワーク
3 解き放たれた『カーデニオ』
4 偶然が五つ、アーマ・コーエンが七人、混乱したネアンデルタール人ひとり
5 消えうせるヒッチハイカー
4a 偶然が五つ、アーマ・コーエンが七人、混乱したネアンデルタール人ひとり
6 ファミリー
7 アフィントンの<白馬>、ピクニック
8 スティギンズ氏とSO-1
9 変わらぬもののほうが多くて
10 残った記憶
11 ネクストおばあちゃん
12 記憶を抱いて家に
13 マウント・プレザント
14 グラヴィチューブ(TM)
15 奇妙れきてつ!奇妙れきてつ!大阪にて
16 インタビュー・ウィズ・ザ・キャット
17 ミス・ハヴィシャム
18 N嬢の裁判
19 バーゲン・ブック
20 ヨリック・ケイン
21 スウィンドン現代美術展(レ・ザール・モデルズ)
22 父との旅
23 スパイクと楽しむ
24 能力給、マイルズ・ホーク、ノーランド私園(パーク)
25 ジュリスフィクションでの点呼
26 初任務『大いなる遺産』のブループホールを埋めよ
27 ランディ、ジョフィ、ふたたび
28 『大鴉』
29 救出
30 とりもどされた『カーデニオ』
31 ドリームトッピング
32 あの、生命の終わり
33 あの、生命のはじまり
34 ロスト・プロットの泉
訳者あとがき

「文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!」

 2009-12-06-01:49
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!
(2003/10)
ジャスパー フォード

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出版社/著者からの内容紹介
主人公を見つけなければ、物語は終わらない……
文学史上最大の捜査が、はじまった。
事件のはじまりはディケンズだった……
わたしはサーズデイ・ネクスト、27課所属の<文学刑事>だ。元<時間警備隊>の父は、いまは時空のなかを逃げまわる身の上、最愛の兄はクリミア戦争で疑惑の死を遂げた。
わたしはといえば、昔の恋をひきずったまま、地道な捜査ひとすじ。ふだんは原稿紛失や盗作など冴えない時間ばかりで殺しとは無縁のリテラテック(文学刑事)のわたしが、いくつもの顔を持つ凶悪犯アシュロン・ヘイディーズを追うことになった。特別捜査機関の同僚の心配をよそに、わたしは単身<現場>へ向かった。
英米でベストセラーの<文学刑事シリーズ>第一弾!

私の中の感覚で言うと、「犬は勘定に入れません」(感想)+V・I・ウォーショースキーシリーズという感じ。「犬は勘定に~」への連想は、主人公・サーズデイ・ネクストの父が時間警備隊(クロノガード)であることと、微妙に現実の世界とはずれた世界がきっちりと構築されていることから、ヴィクへの連想は、精神的にも肉体的にもタフな女刑事であることから。最近はヴィクシリーズを追い切れてはいないんですが、「犬は~」もヴィクシリーズもどっちも好きなお話なんです。で、結果、とっても面白かったです! 微妙にずれた世界に乗り切れるまで、ちょっと時間が掛かったのも、「犬は勘定に~」と同じかもしれません。

訳者あとがきから引用してしまいます。

それにしても、なんという設定だろう。
舞台は一九八五年のイギリス。と言っても、われわれの世界とはちがう時間線をたどる、過去であって過去ではない”もうひとつ別の現代イギリス”だ。とっくに終わっているはずのクリミア戦争がいまだ終結せず、帝政ロシアとのその戦争は百三十一年めを迎え、イギリスはゴライアス社なる超巨大企業に事実上支配されている。しかも、第二次大戦でドイツに占領されたこともあり、ウェールズは共産化して独立。タイムトラベル術を会得して過去・未来を自由に行き来できる者たちがいる一方、マクロチップが発明されていないのでコンピューターはなく、ジェットエンジンも存在しないので空の旅はもっぱら飛行船に頼る。ところが、クローン技術は発達していて、それによって製造される絶滅種ドードーが一番人気のペットになっている。テクノロジーが現実とはちがう進化をとげた、ヴィクトリア王朝風味のレトロな現代社会。

最初はその設定に、ん?ん?、と思うんだけど、はまってくるとこれが楽しい。飛行船の空中散歩も羨ましい!

主人公ネクストの職業は、特別捜査機関(スペックオプス)の文学刑事(リテラテック)。スペックオプスは警察では扱わない事件、もしくは特殊な能力を必要とする事件を扱う組織で、全部で三十部局存在する。数字が若い方が重大事件を追っていて、サーズデイの所属する文学刑事局(リテラテックス)は、数字が大きい27。サーズデイとしても、リテラテックスよりもっと上の組織に行きたいという気持ちがある。

そうしてサーズデイは、世紀の悪人、ヘイディーズと闘うことになったのだけれど…。一旦、この設定に乗り始めてからはノン・ストップ。どんどん読み進めてしまいましたよ。リテラテックとはいえ、普段は鑑定、著作権、泥棒が主な相手なんだけど、こたびはなんと、伯父のマイクロフトが発明した<文の門(プローズ・ポータル)>で、文字通り本の中に入ってしまうのです。いやー、こんな冒険ってあり? 本の世界に入ることで、文字通り結末が変わってしまう可能性もあるんですよね。本の登場人物とサーズデイの会話も面白いんです。一人称小説と三人称小説の違いとか、出番がない時の彼らの様子とか。

文学がやたらと力を持っている世界というのも面白かったです。凶悪犯ヘイディーズの最初の声明は、ディケンズの「マーティン・チャズルウィット」から登場人物の一人を抹殺するというものだったんだけど、これが脅迫になる世界だなんて! シェイクスピアの正体について議論を交わしたり、街角にはシェイクスピアの一節を聞かせるヴェンディングマシンがあったりと、古典文学の人気が全く衰えていないのです。ちょっとレトロでアナーキーな世界を楽しみました。

1 サーズデイ・ネクストという名の女
2 ギャズヒル
3 デスクにもどって
4 アシュロン・ヘイディーズ
5 罪ある者を捜し、罪なきものを罰する
6 ジェイン・エア―小説世界への小旅行
7 ゴライアス社
8 飛行船でスウィンドンへ
9 ザ・ネクスト・ファミリー
10 フィニス・ホテル、スウィンドン
11 胸の内に、ポリー、屡々、ひらめく
12 SO-17―文学刑事局(リテラリー・ディテクテイヴズ)
13 カペル・イ・フィンの教会
14 ボーデンとの昼食
15 ハロー・アンド・グッドバイ、ミスター・クウェイヴァリー
16 スターミー・アーチャーとフィリックス7
17 SO-27―吸い噛み
18 ランデン、ふたたび
19 なまぐさ牧師のジョフィ・ネクスト
20 ランシブル・スプーン博士
21 アシュロン・ヘイディーズとゴライアス社
22 待機
23 受けわたし
24 マーティン・チャズルウィット、救われる
25 熟慮の時
26 アースクロッサー
27 ヘイディーズ、別の原稿を見つける
28 ハワース・ハウス
29 ジェイン・エア
30 世論のうねり
31 ウェールズ人民共和国
32 ソーンフィールド館
33 書かれていく本
34 彼らの本はもうすぐ終わる
35 この本ももうすぐ終わる
36 結婚
訳者あとがき

「卵のふわふわ」/お江戸のある夫婦の形

 2009-12-06-00:42
卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫)卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし (講談社文庫)
(2007/07/14)
宇江佐 真理

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内容(「BOOK」データベースより)
のぶちゃん、何かうまいもん作っておくれよ―。夫との心のすれ違いに悩むのぶをいつも扶けてくれるのは、喰い道楽で心優しい舅、忠右衛門だった。はかない「淡雪豆腐」、蓋を開けりゃ、埒もないことの方が多い「黄身返し卵」。忠右衛門の「喰い物覚え帖」は、江戸を彩る食べ物と、温かい人の心を映し出す。

まだ子がないことが問題とはいえ、舅と姑とは仲が良い様子が見えるものの、夫、正一郎はのぶにとっても冷たい。一般人とは別の方に頭が動いているようだけれど、生活面ではゆるゆるな舅、忠右衛門は、いざとなれば養子をとればいい、気にするなと言うのだけれど…。全く改まらない正一郎の態度、開くばかりの夫婦の距離に、のぶはどんどん追い詰められていくのです。章の最後に、そっと顔をしかめたり、「~も嫌い」と呟くのぶに、はらはらしつつ読み進めてしまいました。

しかし、一方からの言い分ではなく、逆側から見て分かることもある。実際、のぶにはちょっとひどいところもあるんだよね。結局、のぶが正一郎に反旗を翻すことで、状況が変わっていき、正一郎も歩み寄りを始めるのだけれど、きっかけがなければ、正一郎はあのままだったのかしらん。父、忠右衛門は、正一郎の気持ちをきちんと見抜いていたようだけれど…。

奉行所の同心の屋敷なのに幇間の今助が足繁く出入りしていたり、舅もひと癖あれば姑のおふでもやたらと気風が良かったり、時代物としてはちょっと変わっているなぁ、と思いました。これまで私が読んだ中には、嫁のことを「のぶちゃん」とか言って、かわいがる舅はあまり出てこなかったような…。

途中までは正一郎の冷たさが辛かったんだけど、これはこれで女子の夢なのかもしれませんね。「卵のふわふわ」の章での、鰹節を掻きながらの正一郎の告白には、不器用な男性の精いっぱいの心を感じて、ぐっときました。のぶのために、「卵のふわふわ」を拵える場面にも。人が目の前で自分のために作ってくれるんだもの。それは絶対美味しいはず。

黒豆のちょろぎ。そういえば、祖父母宅のおせちにも入ってたのかな。それとも、牛肉のしぐれ煮とかに付け合わせてあったのだったかな。ちょろぎ単品でも食べてたような気がするけど、あれって結構癖になるんですよね。
秘伝 黄身返し卵
美艶 淡雪豆腐
酔余 水雑炊
涼味 心太
安堵 卵のふわふわ
珍味 ちょろぎ
 解説 塩田丸男

「食堂かたつむり」/小川糸

 2009-12-06-00:03
食堂かたつむり食堂かたつむり
(2008/01/10)
小川 糸

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内容紹介
トルコ料理店でのアルバイトを終えて家に戻ると、部屋の中が空っぽになっていた。突然、同棲していた恋人に何もかもを持ち去られ、恋と同時にあまりに多くのものを失った衝撃から、主人公の倫子はさらに声をも失う。たったひとつ手元に残ったのは、祖母から譲り受けたぬか床だけ。山あいのふるさとに戻った倫子は、小さな小さな食堂を始める。一日一組のお客様だけをもてなす、決まったメニューのない食堂。次第に食堂は評判になるが――五感をくすぐる瑞々しく繊細な描写と、力強い物語運びで話題を呼んだデビュー作。

しばらく前に話題になっていた本ですよね。借り出しも落ち着いたようで、図書館に置いてあったので借りてきました。

しかし、これはちょっと駄目でした、私。ブログ放置期間中に、面白かった本のことも沢山書き逃しているんで、わざわざ面白くなかった本について書くのもなんなのですが…。

初恋の人、身近な人物の死、料理、外国人の恋人(これは違うかなぁ)。なんというか、出来の悪い吉本ばななを読んでいるようなんですよね。主人公が開くことになる、「食堂かたつむり」のおとぎ話のような浮世離れっぷりは、そうは気にならないんだけど(なんだかんだ言って美味しそうだしさ)、なんとなーく感情の流れが気持ち悪いんだな。御都合主義的というか…。

と、文句言いつつ、最後の辺りではやはり涙してしまうわけですが…。そういう流れに持ってかれると、涙腺はそれはそれで反応しちゃうんだよね。

「また会う日まで」/喪失と再生

 2009-12-05-23:52
また会う日まで 上また会う日まで 上
(2007/10/30)
ジョン・アーヴィング

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また会う日まで 下また会う日まで 下
(2007/10/30)
ジョン・アーヴィング

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内容(「BOOK」データベースより)
【上巻】
父ウィリアムは教会のオルガニスト。体じゅうにバッハやヘンデルの楽譜を彫りこんだ刺青コレクターでもあり、弾き応えのあるオルガンと腕のいい彫師に吸い寄せられるように、北欧の港町を転々としていた。母アリスは、幼いジャックの手をひいて、逃げたウィリアムの後を追う。コペンハーゲン、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキ、アムステルダム…。街々の教会信徒と刺青師のネットワークに助けられ、二人は旅をつづけるが、ついに断念。トロントに落ち着く。父を知らないジャックは、「女の子なら安心」という母の信念のもと元女子校に入学し、年上の女たちを(心ならずも)幻惑しながら大きくなってゆく―。現代アメリカ文学最強のストーリーテラーによる怒涛の大長篇。
【下巻】
小学生時代から、女役もこなす男の子として演劇の才能を発揮したジャックは、アメリカに渡り、女ったらしの二枚目俳優となる。ジャック5歳のとき12歳だった親友のエマは、長じて人気作家に。二人はおさわりしあうだけの清い関係のまま、ロサンゼルスでともに暮らしはじめる。やがて手にするハリウッドでの栄光と、それでも満たされない心。腕のいい刺青師としてならした母亡きあと、ジャックはふたたび、不在の父を探す旅に出る。三十年ぶりに再会した北の街の刺青師、音楽家、娼婦たち…。そしてジャックがついに知ることになる愛は、思いもよらないかたちをしていた―。現代アメリカ文学最高のストーリーテラーによる、愛と幸福、記憶をめぐる物語。作家が全人生を賭けた自伝的長篇。

なんだか長くて突き抜けた小説が読みたい!、と思って借り出してきたアーヴィング。確かに長くて、刺青、港町、オルガンなどなど、蠱惑的なアイテムがてんこ盛りなのだけれど、色々取っ払ってしまうと、実は割と素直でシンプルな物語だったように思います。私が言う「長い」というのには、一族の歴史的なものへの期待もあったんだけど、これはひたすら母と子、転じてからは父と子の物語なのでした。あ、エマという同志もいたけど…。

途中から物語の様相ががらりと変わるんだけど、ある人物にそうさせた、その背景も気になるなぁ。あの赦しにあっては、そんなことは関係ないのかもしれないけど。

読み終わった後に、ちょこちょこっと一部分が頭をよぎりそうな、そんな物語でした。「UNTIL I FIND YOU」。「あなた」を見つけた主人公ジャックは、これから「自分」をも発見していくのでしょう。

 第Ⅰ部 北海
1 教会の人々、およびオールド・ガールズの世話になる
2 小さな兵士に救われる
3 スウェーデンの会計士に助けられる
4 不運続きのノルウェー
5 うまくいかないフィンランド
6 聖なる騒音
7 またも予定外の町
 第Ⅱ部 女の海
8 女の子なら安心
9 まだ早い
10 一人だけの観客
11 内なる父
12 普通ではない「ジェリコのバラ」
13 いわゆる通販花嫁にはならないが
14 マシャード夫人
15 生涯の友
 第Ⅲ部 幸運
16 凍上減少
17 ミシェル・マー、そのほか
18 クローディア登場、マクワット先生退場
19 つきまとうクローディア
20 天使の都に二人のカナダ人
21 二本のロウソクが燃える
22 いい場面
 第Ⅳ部 針に眠る
23 ビリー・レインボー
24 ボタンのトリック
25 お嬢アリス、故郷へ
26 薄情息子
27 司令官の娘、その弟
28 彫り間違い
29 真相
30 取引
 第Ⅴ部 ガルシア博士
31 療法
32 見ようとする
33 困った兆候
34 ハリファックス
35 簡単に忘れられる
36 クローディアの亡霊
37 エジンバラ
38 チューリヒ
39 音楽家
訳者あとがき
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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