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海堂尊さんにハマり中

 2009-08-13-20:59
今更って言えば今更なんですが、「チーム・バチスタの栄光」を読んで、その面白さに瞠目しましたよ。一緒に借りてきた、「ナイチンゲールの沈黙」も一気読み。

再度図書館に行ったら、「ブラックペアン1988」があったのでこちらも。更にぽちっと予約した「ジェネラル・ルージュの凱旋」も借りだしてきて、その際、ついでに医療系じゃないしなぁ、と迷っていた「夢見る黄金地球儀」も借りてきちゃいました。

今のところ、読了したのは以下のもの。
・「チーム・バチスタの栄光」
・「ナイチンゲールの沈黙」
・「ブラックペアン1988」
・「ジェネラル・ルージュの凱旋」

バチスタとナイチンゲールは文庫上下巻で借りたので、たくさん読んだ気になってたけど、実はまだ四冊なのかー。久々に全部読まなくっちゃ!、という作家さん(現役病理医でもあるけど)です。だって、ほとんど全部の作品が繋がっているんだもの!

しっかりエンターテインメントしながら、現代の医療問題を滑り込ませるその手法がお見事。なんで1つの市を舞台にこんなに沢山の本が書けるんだろう、と思ったけど、1つの市を舞台とすることで現実としっかりリンクしてくるし、何より書きたい問題が海堂さんの中には沢山眠っているんだろうなぁ、と思いました。

「チーム・バチスタ」では、海堂さん悲願のオートプシー・イメージング(Ai)と壊れる医師、「ナイチンゲール」では共感覚(これは医療には関係ないけど)と小児医療。でもって、吃驚したのが、「ジェネラル・ルージュ」が「ナイチンゲール」の対となる作品だったということ! なんと、「ナイチンゲール」と「ジェネラル・ルージュ」は同時進行で起こっている出来事を、二つの作品に分けて語るという、荒業を使用しておられるのです。

「ジェネラル・ルージュ」は力作です。まさに今、赤字という血が流れている救急医療のお話です。それにまだ赤子である倫理問題が絡む。これだって、まだまだ話は広がっていきそうだし、「ブラックペアン」でその若き日を見た花房師長がどうしてこうなってるんだか、気になるー!気になると言えば、「ブラックペアン」では、まだ若くカッコよさ気な高階が、その後ではすっかり「タヌキ」キャラになっていること。あのスマートさには似合わん気がするんですが、どうなんでしょ。しかし、スマートかつ剛腕というのは、部下としては辛いですよね…。

それぞれの感想も後で書きたいなぁとは思うのだけれど、とりあえずこのはまり具合を書きたかったので、まずは一本記事にしちゃいます。
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「サロメの乳母の話」

 2009-08-11-10:04
サロメの乳母の話 (新潮文庫)サロメの乳母の話 (新潮文庫)
(2003/03)
塩野 七生

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目次
貞女の言い分
サロメの乳母の話
ダンテの妻の嘆き
聖フランチェスコの母
ユダの母親
カリグラ帝の馬
大王の奴隷の話
師から見たブルータス
キリストの弟
ネロ皇帝の双子の兄
饗宴・地獄篇 第一夜
饗宴・地獄篇 第二夜
史実を脇の人物から見て、通説とはちょっと違った見方をしてみましょう、という本。それでも、おおっ、新しい!面白い!、と思うことはあんまりなかったかも。饗宴なんかは、なんか倉橋さんの文でこういうのがあったなぁ、と思ったり。などと文句をいいつつも、私の好みだったのは、「サロメの乳母の話」と「聖フランチェスコの母」。

美しく怜悧な姫って好みなんですが、例の洗礼者ヨハネの首を願ったサロメが良いんです。母親は関係なく、サロメがヘロデ王を助けたことになっています。

とんでもないこと。お姫(ひい)さまが自分の頭で判断したことしかやらないかたであるのを知れば、こんな根も葉もない作り話は、話す気にもなれないでしょうに。


聖フランチェスコと言えば、小鳥に説教をする姿なんかも有名ですが、陽気で美しいものが大好き、愉しいことなら時間の経つのも忘れてしまうという、フランス人の母の語りに何だか絆されてしまうのです。

「あの子は、小鳥たちに向って、むずかしい説教などしたのではない。ただ、優しく話しかけたのよ。幼い頃に、母親と一緒にしていたのと同じように」

「何も持たず存在するということ」/角田さんエッセイ集

 2009-08-11-09:52
何も持たず存在するということ何も持たず存在するということ
(2008/06)
角田 光代

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「人生ベストテン」(感想)「空中庭園」(感想)の虚無っぷりにビビりつつも、「対岸の彼女」(感想)がとても好きな角田さん。あ、「八日目の蝉」(感想)も良かったなー。

ぼちぼちエッセイにも手を出してるんですが、今度は「恋をしよう。夢をみよう。旅にでよう。」(感想)の解説で気になったこちらを。

角田さんの選ぶ言葉は、決して煌びやかなものではなくて、むしろ平凡な言葉なんだけど、すっごくグッとくるんだよねえ。「対岸の彼女」の直木賞受賞関連から二箇所引用します。

かなしいときに黒い服で駆けつけてくれた人々が、うれしいときに色とりどりの服で駆けつけてくれている。こないだいっしょに泣いてくれた人々が、今日はいっしょに笑ってくれている。なんかすごい。すごいことである。ありがたいという気持ちをはるかに超えてうれしかった。
 「黒と色彩―『対岸の彼女』直木賞受賞のことば」より引用

受賞のちょうど一ヵ月半前にお母さまを亡くされた角田さん。父もなく身内のほとんどもまた亡くなっていたので、喪主をつとめたのは角田さんだったのだとか。

わかることはただひとつ、喜びはかなしみを消去はしないし、かなしみが喜びをおびやかすことはない、ということだ。うれしくてかなしい、相反するそれらは混じり合わずにぽっかりと私の内にある。
 「たぶん、書くことでわかる―直木賞受賞のことば」より引用


はじめて恋愛を題材に小説を書いたという、「あしたはうんと遠くへいこう」、豊かさと便利さを享受するものの、生み出すこと、作り出すことを知らない、信じきることのできない夫婦を描いたという、「庭の桜、隣の犬」も読みたいな。ここの部分も身につまされるのです。同じように考える同世代、多いんじゃないかなぁ。

生み出す、作る、ということに対する圧倒的な疑惧が、私にはある。何かを生み出すことはできる。作り上げることはできる。けれど果たしてその中身は?真の意味は?と、もはや学生でもないのに、未だに立ち止まり、傲慢にも考えてしまう。
 「彼らの結婚の内訳」より引用


ところで、お酒を飲む人は、ご飯とおみそ汁とおかずを全部並べたりはせず、長々と食事をする。三十分もかからず食事を終えるのは、ひどく損した気分になる、という「父とアカエボシの食卓」におけるお話。私はお酒は飲むけど、普段の食事は全体量を分からずに食べるのは辛いので、まさに全部並べて三十分で御馳走さま!、になっちゃうんですが、だらだら食べてると食べ過ぎはしませんかね?

↓文庫より単行本の方がデザインが好きだなぁ。
あしたはうんと遠くへいこうあしたはうんと遠くへいこう
(2001/09)
角田 光代

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庭の桜、隣の犬庭の桜、隣の犬
(2004/09/29)
角田 光代

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「寒椿ゆれる」/猿若町捕物帳4

 2009-08-10-22:35
寒椿ゆれる寒椿ゆれる
(2008/11/21)
近藤史恵

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目次
猪鍋
清姫
寒椿
千蔭の父、千次郎の妻、お駒に子が出来、つわりがひどくて物が食べられなくなったり、巴之丞が猫のような大きな目をした娘に刺されたりと、色々あるのですが、三つの短篇を貫いているのは、奥右筆組頭、前田重友の息女おろくと千蔭とのお見合い話。

その家柄にも関わらず、二十八になるまで縁づいていないおろく。姿かたちはごく普通ながらも、算術の好きな女子というのは、やはり変わり者。見合いを断られ、断りして、ここまできてしまったというわけ。

「わたくしが今まで見合いをした数でございます。二十九回相手方から断られ、こちらからは十三回断りました。玉島様から断られたら、これで三十人目になります」

変わり者ではあるものの、良い目をした(これは文字通りの“良い目”であり、同心である千蔭が気付かなかった事にも、気づいていたりする)おろくと千蔭の見合い話は、格の差を越えて、とんとん拍子に進んでいくのだが…。

「寒椿」がいいんだなぁ。口の悪い、北町奉行所の同心、大石新三郎の純情。それを意図していたわけではなかった、「思いを堰き止めてしまうのは悲しいこと」というおろくの言葉。そしてそして、千蔭のおっとこまえー! 見た目も男前らしいんですが、千蔭は心も男前だったのでした。年季が明けるまで、あと二年だという青柳屋の梅が枝。遊女は武家の奥方にはなれぬ定めというけれども、起請文もあることですし、なんとかどうにかならないものなのかしらん。

一作目の「巴之丞鹿の子」に比べ、キャラが定まっているからか、事件自体がそう血なまぐさくもなく、短編で軽やかな感じが良かったです。でも、またしても、「にわか大根」「ほおずき地獄」という、二作目、三作目を飛ばして読んじゃいました…。ああ、間を埋めなくては~。
・玉島千蔭は、南町奉行所。小者は八十吉。
・大石新三郎は北町奉行所の同心。小者は喜八。
・西川は北町の与力。

「アルジャーノン、チャーリイ、そして私」/アルジャーノンとチャーリーはどこからやって来たの?

 2009-08-10-22:25
アルジャーノン、チャーリイ、そして私アルジャーノン、チャーリイ、そして私
(2000/12)
ダニエル キイス

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内容(「BOOK」データベースより)
1966年に発表された『アルジャーノンに花束を』は、全世界で出版され、多くの人々に涙と感動と生きる勇気を与えてきました。その魅力の秘密は何なのか?いかにして、またどこから、この物語は生まれてきたのか?本書は、作者自身によるその探索の物語です。白ねずみを切開した解剖実習、商船隊勤務、パン職人の見習い、大失敗に終わったパーラーでのテーブル係、自らが受けた心理療法…。やがて『アルジャーノンに花束を』に結晶し花開くまでに必要だった種子の数々が、見いだされていきます。そこには多くの喜びと苦しみ、出会いと別れがありました。ダニエル・キイスが、自らの分身ともいえるチャーリイ誕生の軌跡と、彼をめぐる物語の成長を描いた本書は、単なる創作秘話をこえた熱き感動を与えてくれるでしょう。

言わずと知れた、「アルジャーノンに花束を」という物語が、どのようにして作家ダニエル・キイスの頭の中にやって来たのか、というお話。

映像化に関する権利などのくだりは、ややこしくて良くは理解出来なかったんですが、まるで物語が最初からそこにあって、ダニエル・キイスがそこに至る細い糸を懸命に手繰っていったような姿が印象的でした。なんだかね、ダニエル・キイスにとって、最良の物語はやっぱり「アルジャーノン」なんじゃないかなぁ、と思いました。
目次
第一部 時の迷路
第二部 船から精神分析家へ
第三部 気力の勝利
第四部 著作の錬金術
第五部 ポスト・パブリケーション・ブルース
 私の「もし……だったらどうなるか?」がじっさいに起こったこと
 謝辞
プロットは既に出来ていたものの、書き出し、視点に悩んでいたダニエル・キイスの元に現れたのが、英語特別クラスにいたある少年なのだという。

「ここはバカクラスだって知ってるよ。だからぼく、訊きたかったんだ。もしいっしょうけんめい勉強して、学期のおわりに頭がよくなったら、ふつうのクラスに入れてもらえる?ぼく、利口になりたい」

「ぼく、利口になりたい」、少年のこの言葉が、あのチャーリイ・ゴードンに息を吹き込んだのだという。この出会いがあって、あの完璧な物語が出来たのですね。

↓こちらは、ダニエル・キイス文庫。
アルジャーノン、チャーリイ、そして私 (ダニエル・キイス文庫)アルジャーノン、チャーリイ、そして私 (ダニエル・キイス文庫)
(2005/11)
ダニエル キイス

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「黒体と量子猫2」/物理読本

 2009-08-10-22:15
黒体と量子猫〈2〉ワンダフルな物理史 現代篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)黒体と量子猫〈2〉ワンダフルな物理史 現代篇 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
(2007/06)
ジェニファー ウーレット

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目次
20 量子にお願い
 -一九〇〇年一〇月・プランクが量子を提唱
21 なんだって相対的
 -一九〇五年六月・アインシュタイン、特殊相対論を提唱
22 ロケット・マン
 -一九二六年三月一六日・最初の液体燃料ロケットの打ち上げ
23 シュレーディンガーの猫騒動
 -一九三五年・シュレーディンガーの量子猫の思考実験
24 コピーとっといて
 -一九三八年一〇月・はじめての乾式コピー
25 戦時下の人生
 -一九四五年七月・トリニティ実験
26 ギミー・シェルター
 -一九四七年六月二―四日・シェルター島会議
27 小さい泡の玉
 -一九四八年・スプレー式ホイップクリームの登場
28 お手本は母なる自然
 -一九五八年五月一三日・ベルクロ(マジックテープ)の商標登録
29 もっとエネルギーを!
 -一九五八年十二月・レーザーの発明
30 小さな世界
 -一九五九年十二月二九日・カルフォルニア工科大学におけるファインマンの有名な講演
31 瞑想するカオス
 -一九六一年一月ごろ・ローレンツとバタフライ効果
32 カミカゼ宇宙(コスモス)
 -一九六三年七月・宇宙マイクロ波背景放射の発見
33 分子がぶつかるとき
 -一九九四年四月・トップ・クォークの発見
34 まいった!
 -一九九七年五月・ディープ・ブルーがチェスの王者カスパロフを破る
35 「空っぽ」をめぐる空騒ぎ
 -一九九八年十二月・宇宙膨張の加速の発見
36 ニュートリノ行方不明事件
 -二〇〇一年二月・太陽ニュートリノ問題の解決
37 イカロスの墜落
 -二〇〇二年九月・シェーン、科学の不正行為により有罪
38 ひもの奏でる楽曲
 -二〇〇三年一〇月・ひも理論に関する特別番組
 謝辞
 参考文献
目次を書き写しただけで、満足ーなところが大きいんですが…。アメリカのテレビドラマや映画、小説(これは、英米のものかな)を枕に持ってきたり、色々絡めてはくれるんだけど、決して分かり易い書き方ではないんだなー。「ノーベル賞で語る現代物理学」(感想)で分かった気になった部分も、あれ、やっぱり分かってなかったよ…、などと思ったり。そんなわけで、ざざざっと流し読みなんですが、とりあえずそれで満足。現代物理学ということで、前述の「ノーベル賞で語る現代物理学」とかなり被ってはいるのです。

一番面白かったのは、「コピーとっといて」の章かな。新入社員の頃、会社のおじさまに「ゼロックスとっといて!」と言われて戸惑ったことを思い出しました。ゼロックス=乾式コピーであり、その他にも色々あったんですね。っても、私が使ったことがあるのは、大学の印刷機くらいのもんですが…。

「天使と悪魔」でも反物質といえばスター・トレックだったんだけど、ここでもまた反物質とスター・トレックが出てきます。スター・トレックはお付き合いで見てたので、エンタープライズ号の燃料源が反物質だったということも、「天使と悪魔」で知ったくらいなんだけど、英米の読み物を読む際には、スター・トレックの知識があった方が読み易いですよね。

「内なる宇宙」/星を継ぐもの三部作プラス一

 2009-08-10-22:04
内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)
(1997/09)
ジェイムズ・P. ホーガン

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内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)
(1997/09)
ジェイムズ・P. ホーガン

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今度は上下巻!
しかも、ホーガンによる「日本語版への序」がついてますよー。

コールドウェルをして、異星人の木乃伊を調べに遣れば生きた異星人を宇宙船ごと連れ戻り、星間宇宙船を出迎えに行けば異星文明と修好の扉を開け放ったと言わしめた、お馴染みヴィクター・ハント博士。今度ハントが連れて戻るのは別の宇宙ではないか?、とコールドウェルは肩を竦めるのだけれど…。

そう、タイトルは内なる「宇宙」。ハントはお見事、別の「宇宙」の存在を知らしめるのでした。

ハードSFが表芸だというホーガンが描くところのファンタジー的世界も面白くって! かつ、この神話的世界にも、ばっちりハード的な説明がつけてあるところもすごいよね。そして、ある種の人々への礼賛もいつものごとく。こういう健全さがいいところだよなぁ、と思うのです。

彼らは世界に向かって判決を申し渡すような真似はせず、自分に合った場所を見付けて現実と折り合い、与えられた機会をもっともよく活かすことを知っている。避けることのできない死を正面から見据え、自分が小さな存在でしかないことを認め、なおかつ、世のため人のために働くことに満足を覚える。バウマーたちにはそれができない。だから世の中に対して恨みを抱くのだ。自分では何一つ意義あることを成し遂げられず、他人の行為を否定することにいじけた喜びを見出すしかない。
何よりも、世のハントたちは自分の生き方に迷いがない。

「巨人たちの星」に比べると、ハント博士、今度はばっちり活躍しています。でもって、どうしたって理屈を捏ね回すやつではなく、前向きに行動する者が正義なのです。
SF

「巨人たちの星」/星を継ぐもの三部作

 2009-08-06-21:24
巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))
(1983/01)
ジェイムズ・P・ホーガン

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前二作を読んでから、結構時間が経っちゃったので、細部を忘れてしまっているよ、と心配しながら読んだんですが、ホーガンってばとっても親切! プロローグにて、ばっちりおさらいをしてくれているので、全く自然に世界に戻ることが出来たのでした。

今回も、生物学者のダンチェッカーが、いい味を出しているんだなー。これまで分からなかったことに、当たり前のような澄まし顔をして、ずぱんと解決策を出してくるあたりは、前二作を彷彿とさせます。ま、今作は結構政治的な話も出てきちゃうので、彼個人だけではなく、国連合衆国代表カレン・ヘラーの力もあるんですが。今回、逆に原子物理学者のヴィクター・ハントは、コールドウェルの秘書リンとのいちゃいちゃを除き、いま一つ見せ場がなく、その点はちょっと残念。

かくてミネルヴァと初期ガニメアン、ランビアンとセリアンを含めたルナリアン、チャーリーとコリエル、地球のホモ・サピエンス、そしてジャイアンツ・スターを結ぶ円環を閉じた。


ほんと、お見事ー!なんだけど、また一つ謎が繰り越されるのです。あそこで彼らがあそこに行っちゃわなくても良かったのに、わざわざそうしたってことは、ホーガン自身がやっぱり続きを書きたかったのかしら(って思って、次の「内なる宇宙」も読んだけど、この謎については、全然関係なかったのですね…。嗚呼、勘違い。)。

しかし、ジェヴレン人たちに翻弄される、心優しき巨人たちの姿に何だか申し訳ない気持ちになってしまうなぁ。謀略とか疑うことを知らない人たちが本当にいるとするならば、まぁ、こういうことになってしまうよね。

■関連過去記事■
・「星を継ぐもの」/人類が受け継いだもの
・「ガニメデの優しい巨人」/人類はどこから来たのか?
SF

「愛がなくても喰ってゆけます。」/食い物に捧ぐ

 2009-08-06-21:16
愛がなくても喰ってゆけます。愛がなくても喰ってゆけます。
(2005/04/16)
よしなが ふみ

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いやー、よしながふみさんって、おっとこまえですよねえ。
最初の不細工顔に恐れをなしつつも、お出かけ変身後(いや、これ、変身としか…)の姿はお見事!

よしながさんとその周囲の人々によるグルメガイド(しかし、卒業してなおこの結束の固いサークルってすごいよな)、なんですがーー。

うっかり、すべてを信じそうになるけれど、実際は

この話は全てフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。ただし、この物語に登場するお店はすべて実在しています。

なんだよねー。

いや、この人間関係も含めてお話が面白く、こ、これは本当なの?、と若干翻弄されるのでした。

よしながさん、ほんとに巨乳なんでしょうか…。そして、実際のお顔も拝見してみたいー。

なんてことは抜きにしても、「あたしがこんだけ食い物に人生を捧げてきたんだから食い物の方だってあたしに少しは何かを返してくれたっていいと思うの」の迫力そのままの美味しそうな描写がたまりません。お酒に関してはついていけたけど、食の方にはついていけそうにありません・・・。自分はこんなに感激しながら、何かを食べられない気がします…。Yながさんに連れて行って貰った店の有難味を分からなかったことで、破局を迎えてしまう塾講師のK崎みたいだ…。人ってそれぞれ譲れない線があるよね。

「それは私です」/柴田さんの妄想ワールド

 2009-08-06-21:09
それは私ですそれは私です
(2008/04)
柴田 元幸

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日常から妄想にずれて、もしくは日常から妄想的な一癖ある小説の話に流れて~、ないつもの柴田さん節。

三部構成になっていて、あとがきから引用すると、

この本の第Ⅰ部と第Ⅱ部は、『大航海』に二〇〇〇年~二〇〇八年に書いた文章を集めたものである。第Ⅰ部と第Ⅱ部のあいだに絶対的な区別基準はない。第Ⅰ部の方が比較的(あくまで比較的ですが)律儀に現実とつきあっているが、それでも、ともすれば妄想に流れがちである。
(中略)
第Ⅲ部は、『赤旗』をはじめとするいくつかの媒体に寄稿した文章を集めた。こっちははじめからテーマをいただいている場合が多いということもあって、妄想度もわりあい低い。

まぁ、通常のエッセイの場合、”妄想”なんて言葉はあまり出てこないんだろうけど、柴田さんの場合は、やっぱりこの”妄想”がキーワードになるんだろうねえ。

同じくあとがきから、ちょっと興味深かったのが、次の部分。

妄想は、自分をめぐるものが多い。妄想度の低い文章でも、読み直してみると要するにだいたい自分のことを書いている。お前、自分のことしか頭にないのか、と呆れられそうであるが、どうやら、自分のことしか頭にないみたいです。小説家の人たちと自分とは、ほかにもいっぱい違いはあると思うが、この点が一番違っている気がする。「他人になる」能力が決定的に欠けているのである。翻訳に関しては、「自分を消す」とか偉そうなこといつも言ってるんですけどね……。

”小説家には他人になる能力がある”。なんだか良く分からないながらも、納得してしまう言葉であります。

柴田さんのエッセイを読んでいると、ちょっと前に読んでいたら、↓の本を思い出しました。
古典落語 志ん生集 (ちくま文庫)古典落語 志ん生集 (ちくま文庫)
(1989/09)
古今亭 志ん生

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「古典落語 志ん生集」
←全部覚えてられるかは、とっても不安だけれど、一度読んでおけば何かの折に出てきた際に思い出せそう。
柴田さんのエッセイはなんだか夢落ちの落語みたい。

エッセイの中で気になった本。
夢の絵本―全世界子供大会への招待状夢の絵本―全世界子供大会への招待状
(1991/05)
茂田井 武

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私の絵日記 (学研M文庫)私の絵日記 (学研M文庫)
(2003/01)
藤原 マキ

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柴田さんの場合、時々、嘘っこの本の話を書かれるので若干不安になったんですが、これはちゃんと実在するんですね。
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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