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「秋期限定栗きんとん事件 上・下」/小市民シリーズ3

 2009-04-06-00:00
秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)秋期限定栗きんとん事件〈上〉 (創元推理文庫)
(2009/02)
米澤 穂信

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秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)秋期限定栗きんとん事件 下 (創元推理文庫 M よ 1-6)
(2009/03/05)
米澤 穂信

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「春期限定いちごタルト事件」(感想)、「夏期限定トロピカルパフェ事件」(感想)ときて、この「秋期限定栗きんとん事件」では、ラスト、とうとうこの小市民シリーズの世界は高3の秋を迎える…。春夏秋冬、ぐるっと回って、このシリーズももう少しで終わってしまうのかしら、と思うと淋しいなーー。

さて、「夏期~」で袂を分かち、それまでの互恵関係を断ち切った小鳩くんと小佐内さん。小鳩くんには、当世風の彼女が出来、一方の小佐内さんにも、また年下の彼氏が出来たよう。このまま二人は交わらぬ道を歩むかに見えたのだけれど…。
目次
第一章 おもいがけない秋
第二章 あたたかな冬
第三章 とまどう春
第四章 うたがわしい夏
第五章 真夏の夜
第六章 ふたたびの秋
 解説 辻真先
このたび一人称で語るのは、「ぼく」小鳩くんだけではなく、新聞部部員の「おれ」、瓜野くん。瓜野くんは、年上とも知らず、小佐内さんにアタックをし、付き合うようになった猛者でもある。

旧態依然の新聞部を気に入らず、学外の記事を載せるべきだと、堂島健吾部長に楯付いていた瓜野くん。そこで取り上げたのが、木良市で続いていた小火騒ぎ。瓜野くんはほぼ暴走とも言える行動力で持って、犯人を捕まえようと周囲を巻き込むのだが・・・。

途中までは、「月報船戸」(瓜野くんたち新聞部が出している)の騒ぎを横目に、彼女とのデートを楽しんでいた小鳩くん。しかし、何回目かの放火で燃やされたのは、夏のあの事件に関係する車だった。小鳩くんは小佐内さんの関与を疑うのだが・・・。

互いに姿が見えないながらも、再び向き合うことになる小鳩くんと小佐内さん。読んでいるこちらの緊迫感も高まるのだけれど…。なるほどねえ、うっまいなーー。直截は見えないんだけど、どう考えても暗躍してる小佐内さんに、ちょっとにやにやしてしまいます。

確か、「マロングラッセ(仮)」だったはずが、「栗きんとん」になった理由。なるほどねえ。「栗の渋皮煮」でもいいんじゃないかと思ったけど、タイトルとしてはきついですかね。にしても、マロングラッセってああやって作るのね。め、面倒だ…。

ここへきて、自分たちがまったくの小市民ではないことを認めた彼ら。必要なのは、小市民の着ぐるみだったのではなく…。

絶妙のお菓子と、楽しくスリリングな会話。
こういう放課後はやっぱり、素敵の一語に尽きる。

一年たってぐるっと一回り。二人の関係は変わったのかしら? 小鳩くん、ちょっとわかり辛いデス。互いの美学にも目を向けるようになったあたり、ただの互恵関係から、やっぱり変わったんでしょうけれど。

米澤さんの作品は読み易いし、一見可愛らしいんだけど、実際はちょっと暗いというか、ひねくれたところがあるように思うのです。でも、このほんのちょっぴり落された暗さ加減が絶妙で、なんだか後を引くんだよなぁ。
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「カニバリストの告白」/禁忌

 2009-01-05-01:21
年明け一冊目がこの本っていうのもどうなのかなー、と若干ブログを放置気味だったんですが、「日常」つらつら読んでいる本を記録するのが、この場所の目的ですので、このままいってしまいます。

そんなわけで、今日の本は怪作をものしてきたデヴィッド・マドセンの三作目。その名も「カニバリストの告白」。ところが、これが意外とあまりひねりのない作品でして。ほんとーに「カニバリスト」の「告白」なんです。

カニバリストの告白カニバリストの告白
(2008/06/28)
デヴィッド・マドセン

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幼き日より肉をこよなく愛し、自らの天才を疑うことのないシェフ、オーランドー・クリスプ。彼は亡き美しき母を盲目的に崇拝し、かつそれと全く同じ絶対的な量で父を憎悪し、目的のためには自らの尻(ああ、こういうとこマドセンよね)や持ち物を貸すことも厭わない人物である。念願かなってオーナーシェフとなった店は、極めて優秀な双子がついたこともあって、評判の店となる。ただ一人の料理評論家を除いて…。

物語はこのオーランドーの刑務所での回想記という形で始まり、精神科医の所見が挟まる。オーランドーの回想が佳境に入るにつれ、精神科医の精神が崩壊していく様が見て取れる。こよなく肉を愛するオーランドーは、文字通り「肉を愛する」こともあり、生肉を美しき料理に変化させるその技を、錬金術にも似た芸術だとみなしている。そうして、とうとうその技は禁断の域に入るのだ…。

と、とても新年から読むのに相応しいお話ではないのでした…。マドセンなんで、もっと覚悟というかひねってあると信じて読んでたので、その点ではちょっと肩透かしではありましたが、ところどころ挟まるレシピも、想像しちゃうとちょっと気持ち悪いかも。これ読んじゃうと、じわーっと溢れてくる肉汁とか、肉の歯応えなんかが、しばらくは疎ましく思えてしまうような気がしないでもありません。

著者、デヴィッド・マドセンは、哲学・神学者という以外、本名や経歴は謎なのだとか。人肉というタブーに挑戦しているのかもしれませんが、一冊目の「グノーシスの薔薇」が一番面白かったなぁ。そこがホームだから?

と、新年一発目、こんな本の感想から始まってしまいましたが、みなさま、今年もよろしくお願いいたします~。

・「グノーシスの薔薇」/ゴシック歴史ロマン
・「フロイトの函」/函の中には何がある?

「至福の味」/最後の晩餐

 2008-12-07-00:21
至福の味至福の味
(2001/07)
ミュリエル バルベリ

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料理評論家として栄華を極めた男。しかし、彼の命はあと僅か…。グルネル通りの寝室に横たわる彼の回想と、彼の周囲の人々の独白が交互に続く。浮かび上がる男の姿とは…。

男が追い求めるのは生涯最高の味。最後の晩餐として、その味をもう一度べたいというのが男の願い。男は思い出すことが出来るのか?

フランス最優秀料理小説賞受賞作とのことなんですが、そもそも「料理小説」ってそんなにはないんじゃないかなーと思ったり、すごい限定だよなーと思ったり。

男が思い出す、祖母や伯母が作ってくれたという、素朴な家庭料理は確かに美味しそうなんだけど! 家庭も顧みずにひたすら美を追い求めたこの男。それでも、妻は彼の面倒を最後まで見たのだから、それでいいのかもしれないけれど、周囲には彼のせいで傷ついた人たちが沢山。彼らの独白を読むうちに、すっかり彼らに同情してしまい、主人公たる男がただの自己チュー男にしか見えず、いっそ思い出せなくてもいいんじゃないの?、などと思ってしまいましたよ。多少におとぎ話的なところもあるけれども、私にはちょっと合いませんでした…。

の追求としてはそれでいいんだろうけれど、「美味しんぼ」の海原雄山親子の確執ではありませんが、に纏わる確執は根が深いのだと思うのです。その確執はそのまんまにして、自分だけすっきりって何さーー!!と憤ってしまいました。いや、この小説の読みどころは、きっとそこではないのでしょうが。そして、表紙の雰囲気は好きなんだけどさ。

もともと、著者ミュリエル・バルベリの他の本を読みたいなぁ、と思っていて、でも、そちらの設定の匂いにちょっと腰が引けて、こちらを借りてきたのです。「至福の味」もamaoznでは高評価なんだよね。うーん、ミュリエル・バルベリさん、私には合わないのかなぁ。「至福の味」も自分だけがトクベツ!な男の話なんだけど、こちらの本も、自分の知性を隠す未亡人に天才少女、ミステリアスな日本人の紳士と、非凡なことを前面に押し出している感じなんだよね。読んでないくせに雰囲気だけでいうのもなんですが、非凡なことってそんなに偉いの?、と思ってしまうのだよなぁ。

優雅なハリネズミ優雅なハリネズミ
(2008/10/09)
ミュリエル・バルベリ

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「ショコラティエの勲章」/甘いミステリー

 2008-09-15-00:07
ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア 44)ショコラティエの勲章 (ミステリ・フロンティア 44)
(2008/03)
上田 早夕里

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タイトルを見て、ミステリーのジャンルも豊作となって、随分細分化されるようになったんだなー、と思ったんですが、表紙の大人っぽい雰囲気そのままに、なかなか楽しめる作品でした。細分化されちゃうことで、お話が固定されちゃうことを懸念したんだけど、お話のバラエティという点でも文句はなかったです。

人気ショコラトリーのシェフを探偵役に、お隣の和菓子屋の売り子の女性をワトスン役とした、連作集。ショコラトリーと和菓子屋、異なるお店を配置することで、お話が一本調子にならず、同じ甘みに傷することもないのかも。
目次
第一話 鏡の声
第二話 七番目のフェーヴ
第三話 月人壮士
第四話 約束
第五話 夢のチョコレートハウス
第六話 ショコラティエの勲章
語り手は、老舗の和菓子店、<福桜堂>の売り子をしている、絢部あかり。上等の上生菓子を売っているという誇りを持ちつつも、時にそれが時代遅れのように感じ、揺らぐこともある。特に、隣のショコラトリー、<ショコラ・ド・ルイ>の賑わいを見た時などは。短大卒業後、五年間勤めた会社が倒産し、仕方なしに父が工場長を務める、<福桜堂>の売り子になったあかり。あかりにとってこれは単なる臨時の職なのだが…。

えーー、ここで解かれるのは、所謂日常の謎系のミステリとでもいいましょうか。店頭で消えた商品の謎、結婚祝いの焼き菓子に入っていた、七個目のフェーヴの謎、<福桜堂>の競作菓子の謎、などなど。

人が死なないミステリーで、描かれるのも大抵は人の心の機微。探偵役の長峰シェフも、優しいだけではなくって、いかにも職人的な厳しさもある。ちょっと良く分からなかったのが、語り手のあかり。洋菓子にも和菓子にも矢鱈と詳しく、舌も確かみたいなんだけど、今の仕事も「臨時」と言っちゃうし、少々ね、まだ若いのにそんなに引いちゃうことないんじゃない?と思ったり。も少し、この仕事が好きだー!とか、将来こうしたい!、とかいうのが、あってもいいんじゃない?などと思うのでした。いや、そこ主眼じゃないんだろうけどさ。でも、職人同士の絆を羨ましがったりしているわけだし、傍観者でい続けることもないと思うのです。あと、SNSのオフ会などが出てくるところは、いかにも時代なんですかねー。

さて、この中で私が一番好きだったのは、「約束」。<ショコラ・ド・ルイ>の沖本に誘われて、南仏料理のレストランへと出かけたあかりは、そこで沖本と長峰シェフが共に過ごした東京のパティスリーでの話を聞く。軽薄なように思えた、沖本の同期の梅崎が、テレビ出演に拘ったり、フルーツタルトに拘ったわけとは…。

しかし、どうしたってこれ、美味しいお菓子がべたくなりますよーー。美味しいお菓子と、それに合う飲み物を用意して読み始めるのがベストですね。うーん、神戸はお菓子が充実してそうで、いいなー。

関係ないけど、東京創元社のミステリ・フロンティアを読むのも随分久しぶり。いつの間にやら、知らない作家さんも増えてるなぁ。

「禁断のパンダ」/それは神の食卓なのか

 2008-09-01-22:50
禁断のパンダ禁断のパンダ
(2008/01/11)
拓未 司

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柴山幸太は、若くして独立した、ビストロスタイルのレストラン、<ビストロ・コウタ>のオーナーシェフ。妻の綾香は現在妊娠八か月。彼の人生はまさに順風満帆だったのだけれど…。

ある日、幸太は妻の友人の結婚披露宴に出席する。表向きは身重の妻の体調を気遣って、その実は半年先まで予約が取れないというフレンチレストラン、<キュイジーヌ・ド・デュウ(神の料理)>の料理を味わうため。幸太と綾香は素晴らしい料理の数々を堪能し、また新郎、木下貴史の祖父である、著名な料理評論家だったゴッド・中島との知己を得る。ところが、式の途中で貴史の父が姿を消し、結婚式の翌日には、彼の会社の従業員が刺殺体で発見される。貴史の父、義明の行方は依然として分からないまま。いったい何が起こっているのか?

時に幸太の視点、時に兵庫県警捜査第一課の刑事、青山篤志の視点に切り替わって、話は進んでいく。時がたつにつれ、失踪者の数は増し、青山たち警察は焦りの色を深めるのだが…。

無愛想で無口な<キュイジーヌ・ド・デュウ>の天才シェフ、石国、レストランに併設された<ハーバー・チャーチ>の主任司祭、ルイ・ヴァンサン。神のような舌を持ち、美に尋常ならざる執着を持つ、中島翁。どいつもこいつも怪しいったら怪しいんだけど…。

幸太の「外」というものの考え方については、賛成しかねるところもあるんだけど、何せ料理の描写がとっても美味しそうなのだ。この美味しそうな筆致でそこ書くか、というのがちょっと辛いところですね。

舞台は神戸。土地勘があってイメージ出来れば、もっと楽しく読めたのかなぁ。あとはバリバリの関西弁(これが、神戸の言葉なの?)が楽しめるかどうかですかね。ちょっと馴れ馴れしくも感じちゃうんだけど、もともとそういう言葉なんでしょうか。

ミステリーとしては、そう大した謎というわけではありません。表紙の雰囲気と言い、ユーモア・ミステリーだと思ったんだけどなぁ…。これだったら、私は「パンプルムース氏」シリーズのがいいな。ネタ的に「」のタグを貼るのも迷っちゃいます。ちなみに、第六回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作であるようです。「このミステリー」、「このミステリー」、うーん、ミステリー??

他の物がゴミのように思える、恐ろしいほどの冴えを見せる石国シェフの料理。うーん、味わない方が幸せなのかも。たとえ凡庸とそしられようとも。ラストのある二人の人物の対比には、ぞっとしました。それはきっと開けてはならない扉。

「ヴァン・ショーをあなたに」/パ・マル、ふたたび

 2008-08-31-22:59
ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)
(2008/06)
近藤 史恵

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目次
*Table des matieres*

錆びないスキレット
Le poele ne se rouille pas
憂さばらしのピストゥ
Un pistou malhonnete
ブーランジュリーのメロンパン
Viennoiseries ou pas?
マドモワゼル・ブイヤベースにご用心
Attention a Mademoiselle Bouillabaisse
氷姫
La princesse des glaces
天空の泉
Fontaine-sur-ciel
ヴァン・ショーをあなたに
Vin chaud pour vous
 初出一覧
 sources

「タルト・タタンの夢」のビストロ<パ・マル>再びであります。
おもに<パ・マル>を舞台にしていた前作とは異なり、本作では場所や視点も異なるものがいくつか。関係者以外の視点を通すことで、マンネリを防いでいるのかな。

恋人の不在を描いた「天空の泉」はちょっと大人ですねー。「星の王子さま」の砂漠のバラがキーとなります。「氷姫」は、その名の通り、ちょっとさみしいお話。「マドモワゼル・ブイヤベースにご用心」もそうだけれど、ちょっと恋愛話が多めなのかな? 「ヴァン・ショーをあなたに」は、前作でも何かと出てきたヴァン・ショーのレシピの元だよね。もうすっかり、三船シェフのものとなる前のヴァン・ショー。ここから、現在に至るまで、三舟シェフはいったい何杯のヴァン・ショーを作ったのでしょう。

まだまだ続きもありそうな感じ。次作も美味しく読めるといいな♪

「豚キムチにジンクスはあるのか-絲的炊事記」/絲山秋子的食の道

 2008-07-24-00:20
豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記豚キムチにジンクスはあるのか―絲的炊事記
(2007/12/06)
絲山 秋子

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普通、人が料理本を書くとき、それは自分がべたいものであったり、美味しそうなものだったりすると思うのですよ。なかには、絲山さんがべたいもの(エスニックこてんぱん)、美味しそうなもの(キッシュ・ローレーヌ)あるんだけど、この”炊事記”はいい具合に迷走していて、私は好きだなぁ。

絲山さんは、決して料理は下手ではなくて、むしろキャンプで鍛えられた腕前をお持ちだと思うのだけれど、「これでは普通だから」などと、不思議なチャレンジ精神を発揮されてしまうのです。で、一人暮らしなのに、ひたすら同じものを作り続けて、その消費に苦しんだりしてしまうわけ。

絲山さんの作品は、小説はまだ「ダーティ・ワーク」しか読んだことがないけれど、絲山さんの面白真面目な人柄が良くあらわれていて、面白い本でした。普段の会話の中で多用されると若干いらっとくる、「~じゃないですか」というフレーズが多用されるものの、なんかこの流れだと許せちゃうしなぁ。

特筆すべきは、絲山さんの愛する地元、群馬の野菜の美味しそうなこと。新鮮な産直いいなー。あとは、絲山さんの身長が174センチだってこと。私は結局170センチには至らなかった、中途半端な背丈なんだけど、身長が高い女の人って、ただそれだけでも親近感を持ってしまうのよ。あと、そうだそうだ。仲間内で使われるという「トラバタる」なる動詞。

恋をすると部屋の中を檻のトラのようにぐるぐる歩き回る癖のある私は、そのうち溶けて「ちびくろさんぼ」のトラのようにバターになってしまうんではないかと心配する。それが「恋のトラバター」なんですが、意外に友人たちに受けて、「私も最近トラバターなの」「うそっ、トラバタってるの?」「どうなったんだトラバタは」などと普通に使われるようになりました。いい年して「恋をした」なんてとてもじゃないが恥ずかしくて言えないけれど、「トラバタった」なら全然平気。皆さまもぜひ活用してくださいね。

どうっすか、「トラバタる」。確かに便利かもー。

目次
力パスタ
冬の冷やし中華
大根一本勝負
すき焼き実況中継
GoGoお買い物
丼五連発
蕎麦屋で飲む酒
デパ地下チャーハン
豚キムチにジンクスはあるのか
春の日記
”ヘナッポ”の行く末
ようこそ我が家へ
エスニックこてんぱん(前編)
エスニックこてんぱん(後編)
素麵七変化
真夏の洋風ちゃんこ鍋
されどインスタント
サーモンのサンドウィッチ
高崎コロッケめぐり
秋は舞茸の季節
ゴロピカリはかあさんの味
たまごとトラバター
命からがら牡蠣ごはん
親父と作るキッシュ・ローレーヌ
あとがき

「パンプルムース氏と飛行船」/ユーモアミステリ

 2008-07-13-23:05
パンプルムース氏と飛行船 (創元推理文庫)パンプルムース氏と飛行船 (創元推理文庫)
(2003/06)
マイケル ボンド

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パンプルムース(グレープフルーツ)氏と愛犬ポムフリット(フレンチフライ)を主人公とした、ユーモアミステリのシリーズもの。

明らかに第一作目ではないことが分かってはいたものの、表紙のかわいらしさにつられて借りてきちゃったのです。

色々突っ込みどころはあるし、パ氏に対してこのニブチンが!、と叫びたくなる箇所もあるものの、そこはユーモアミステリだからして、楽しんで読んじゃった方が勝ちだよね。ポムフリットに関しては、突っ込みどころなく、かなり賢く健気な良い子です。

パンプルムース氏の現在の職業は、フランスのグルメ・ガイド、≪ル・ギード≫の覆面調査員。編集長の命で、英仏間を結ぶ飛行船の就航記念特別メニューを作成することになり、ブルターニュへと飛んだ二人。

散々だった試験飛行の経験を生かし、首尾よく編集長を唸らせるメニューを考え出したものの、飛行船に爆弾を仕掛けたとのテロリストからの脅迫が!

偶然知り合ったサーカスの娘、ヤスミンの事故。矢鱈と蠢く尼僧たち。なぜかパ氏に冷たい態度をとる警視庁時代の恩人、イギリス人ピカリング氏。編集長お勧めのホテル、≪タイ・コズ≫での、あまりにもひどい”自然な郷土料理”。

これらの謎が、美味しそうな料理とともに、するすると解き明かされます。料理に合わせているワインも美味しそうでね。ワインが分からないことが悔やまれます・・・。この本に沿って飲んでみるのも楽しそう♪

さて、読んでいる間、ポムフリットに何となく小型犬のイメージを持ってしまっていたのだけれど、もともとは優秀な警察犬である彼。実は体重五十キロの立派なブラッドハウンドだったのでした。このポムフリットもなかなかの美家なんだよね。ポムフリットの呟きも、味があります。

目次
1 空を行く怪物体
2 尼僧たちの急襲
3 トリュフ事件
4 フランスの六つの栄光
5 空気のような手ざわり
6 翌日の朝
7 空に浮く飛行船
8 運のめぐり合わせ
9 編集長とのディナー
 訳者あとがき
 解説/福井健太

「俳句の魚菜図鑑」/旬の食材、分かります

 2008-05-16-23:56
俳句の魚菜図鑑俳句の魚菜図鑑
(2006/04)
復本 一郎

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もくじ
 本書の使い方
 凡例
春   魚 菜
夏   魚 菜
秋   魚 菜
冬   魚 菜
新年  魚 菜
 二十四節気と季語のたべもの
 節句・行事のカレンダー
 俳人さくいん
 季語さくいん
 和名さくいん
 コラム①~④
俳句を詠むわけでもないのだけれど、写真も綺麗だし、素材から時に調理された状態まで、非常に分かりやすくまとめられているので、面白くぱらぱらとめくっています。

たとえば魚であったり、実がなっている様子であったり、その大元の姿がピンとこないものが見られるのも良いところ。もちろん、「俳句の」魚菜図鑑であるからして、その魚菜に関連した季語を用いた俳句も紹介されています。

表紙を見てもそうなんだけど、美味しそうな写真が多いのです。こういう切り口もいいよね。

「ダヤンのスープ読本」/ナンセンスから実のあるものまで

 2008-05-10-21:13
ダヤンのスープ読本ダヤンのスープ読本
(1997/09)
池田 あきこ、佐藤 かずよ 他

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目次
のはじめる商売として
DAYAN'S SOUP
スプーンとすっかり仲良くなって
指貫でのむ小人のスープ
スープに音楽をきかせると
海辺の宿に泊まりにきたら
カシガリ山の3人の魔女
風も凍る冷たい夜は
ISTO DANCE
月曜日にのむのは
Euro Crap
スープの作り方

スープの作り方目次
おいしいスープのおまじない
ダヤンのものぐさスープ
マーシィのふんわりクリームスープ
イワンのすっきりコールドスープ
ドードーのかるがるダイエットスープ
メイプル母さんのどんとこい大家族スープ
ジタンのマジカル・エスニックスープ
3人の魔女のまじないスープ
ライオン3兄弟のトロピカル・フルーツスープ
スープのけらい
途中までは、ナンセンススープの目次。下のは「ほんとの実のあるスープ」です。ナンセンスのは、絵も詩のような文章も楽しいよ~。

美味しそうだったのは、”じゃがいもと長ねぎのスープ”(なんてったって、「ものぐさスープ」に入れられてる簡単さだし)、”卵とチーズのまぜまぜスープ”(やっぱり、「ものぐさ」が…。といいつつ、卵が固まらないように、煮立ったスープストックの方を、チーズと卵入りのボールに入れて鍋に戻すという芸の細かさあり。え、これくらいの芸の細かさは普通?)。冷たい”トマトとオクラのスープスパゲティ”(イワンのコールドスープより)なんかは、夏に良さそう~。素麵のように細いスパゲティ、パミセリを使用するそうだけれど、素麵でもいけちゃいそうだし、これはその内やってみようと思います。あ、でも、去年の夏によくやってたのが、素麵の薬味として細かくカットしたトマトとオクラを入れたもの。それに近いかな~。簡単だし、トマトの酸味が合っていたと思うのよ。

「人類学者のクッキングブック」/食の文化

 2008-04-12-09:45
人類学者のクッキングブック (1983年)人類学者のクッキングブック (1983年)
(1983/04)
ジェシカ・クーパー

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図書館の本は原則二週間で返却。延長して粘ったんだけど(延長は1回までなので、一ヶ月間は手元にあったことになる)、結局、全部は読み通せなかったな~。

とりあえず、メモメモ。
目次

はしがき
Ⅰ ヨーロッパ
Ⅱ 中東
Ⅲ アフリカ
Ⅳ アメリカ、西インド諸島
Ⅴ 東南アジア、セイロン、日本
Ⅵ 南太平洋、オーストラリア
訳者あとがき
は文化。正直美味しくない物も、他にべられる物、栄養学的にもっといい物があったとしても、その国だけでべられるものがある。外から見たら、こちらに代替出来るのでは?、と思っても、その物でなくてはならない歴史や経緯を含んだ理由がある。

「序」から引くと、本書に執筆を依頼された人類学者たちは、料理の材料と、それらが料理され、べられるまでの道筋を書いて欲しいと頼まれたのだとか。たいていの項では、その社会一般の料理についての説明がひとくさり、その後に代表的料理についての説明と、用意するもの、作り方が載せられています。でも、取り上げられる国も違えば(つまり筆者である人類学者も異なるというわけ)、アプローチも少々違ったりして。型にはまった紹介にはなってません。また、「はしがき」にもあるんだけど、たとえばアース・オーブン(地炉)など台所に収まりきらないものや、なまものなので調理法とは呼べないとか、執筆を依頼された人類学者たちを苦戦させたものも多かったらしい…。そういった調理法は、日本はともかく、英語圏では考えられないものなのかも。

ただね、これ、ほんと色々な国、色々な部族の料理が紹介されているんだけど、既に何らかの知識があるところでこれを読めばいいんだろうけど、ほとんど全部が未知の状態で読むのは辛い。その辺が、全部読み切れなかった理由です。

「日本」の項がどう書かれているのかが、ちょっと楽しみだったんだけど、残念ながら、この項は訳者でもある日本の方が書かれていたのでした。ちなみに取り上げられた料理は、カツどん。もっと、未知の国ニッポン!、として外から見た文化を見たかったんだけどな~。とはいえ、日本料理も今ではメジャー(この本の刊行は1983年だけど)。そんなに怪しげなものにはならないかしら?

「序」から引用します。

獣医は、べものを動物のエサとみなしていて、食べものがもっている大きな象徴的な力を認めるというよりは、単に体に力を与えるだけのものと考えている。この考え方は、われわれにとっても便利なものである。しかし、以下のページを何気なく読んでいくだけでも、われわれは、肉体的な要求とはほとんど関係のない満足感を感じることだろう。食べものはエサではない。この本を、食べものについての人類学的系統だての、ひとつの出発点にしたいものである。 p25

きちんと読み切ることは出来なかったけれど、こういう心意気で本が編まれたということいいよねえ。

「Ⅵ 南太平洋、オーストラリア」では、日本の石毛さんによって、ポナペ島のロースト・ドッグ(まさに丸焼きのイヌ)が紹介されている。「訳者あとがき」によると、執筆を依頼されたのが、日本人が動物を虐待するとして、英国のジャーナリズムが騒がしかった頃であったため、いたずら気を出したとのこと。これは鯨のこと? 食「文化」なのだから、その歴史や経緯を知りもせず、一面的に悪と決め付けるのは、やっぱりおかしいよね。

「タルト・タタンの夢」/料理と謎を召し上がれ

 2008-02-20-23:23

近藤 史恵

タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)

目次
*Table des matieres*
タルト・タタンの夢
Un reve de Tarte Tatin
ロニョン・ド・ヴォーの決意
Une decision grace aux rognons de veau
ガレット・デ・ロワの秘密
le secret de galette des Rois
オッソ・イラティをめぐる不和
Une brouille autour d'un Ossau-Iraty
理不尽な酔っぱらい
Un misterieux ivrogne
ぬけがらのカスレ
Un cassoulet special pour elle
割り切れないチョコレート
Chocolats indibisibles
 初出一覧
 sources


メニューになぞらえた目次も実に楽しい!!

レストランとミステリと言えば、北森さんの香菜里屋シリーズ(最新刊の感想 )があるけれど、こちらもまた楽しく美味しい一冊でした♪

舞台は気取らないフランス料理を食べさせる店、ビストロ<パ・マル(悪くない)>。無口で武骨な料理長、三舟忍(表紙絵の人物ですね)に、にこやかでそつのない料理人の志村洋二、ソムリエの金子ゆき、ホール係の「ぼく」こと高築智行の四人でまわす小さなお店。接待や特別な日に使うというよりも、普段着の本当にフランス料理が好きな人間が集う店。

ほぼ新人(「タルト・タタンの夢」では、勤め始めて二か月、とある)の「ぼく」こと高築智行の視点で描かれるのがまたいいんだなー、きっと。フランス料理の説明なども、実に嫌みなく差し挟まれる。前述の香菜里屋のような凝った創作料理ではなく、フランスの家庭料理に近いものが出てくるんだけど、これがまたどーんとボリュームがありそうで、とっても美味しそう! きれいなテリーヌなどにしない、餅焼き網で焙った、分厚く切ったフォアグラ(同じく網で焼いたバゲット添え)など、いいなー、いいなー。餅焼き網が出てきたけど、料理長の三舟氏は道具に拘りのないタイプらしく、蒸籠なんかが出て来るところも面白い。

ホームズ役はこの料理長の三舟氏なんだけど、柔軟な頭を持つ人物であることが、こういったエピソードからも分かるよね。

レストランに持ち込まれる謎は、すべてお客さんが持ち込むんだけど、私はちょっと甘いかもしれないけど、恋人同士のある日の特別なメニューを描いた「ぬけがらのカスレ」と、家族の情景を描いた「割り切れないチョコレート」が好きでした。これ、シリーズ化されたりするのでしょうか。また続きも読みたいな♪

「香菜里屋を知っていますか」/ビアバー、香菜里屋。その由来と幕引き

 2008-01-19-09:19

北森 鴻

香菜里屋を知っていますか


これにて、≪香菜里屋≫シリーズは打ち止めということらしいのですが、まだ四作目なんですよね、うーむ、勿体なーい。

さて、こたび、語られるのは、店主・工藤の事情。謎解き場面では前面に出張って来たとは言え、一応黒衣の存在であることが求められたバーの主人としての顔ではない、工藤個人の顔の話。彼の過去には何があったのか、彼は誰を待っていたのか、どんな思いで夜毎、あのぽってりとした提灯を灯していたのか。脇を固めるのは、お馴染みの面子であったり、≪香菜里屋≫シリーズに出てきた懐かしいあの人であったり。なんと、今作では、例の池尻大橋のバーマン香月は、結婚してしまうんですぜー。独身主義者なのかと思っていたよ…。

香菜里屋の常連たちも、それぞれの理由でその地を離れ、また香菜里屋という存在自体も…。さみしいけれど、やはりこれが最後なのかしらん。別れがテーマになることが多く、いつもの料理もいつものようには楽しめませんでしたよ…。

目次

ラストマティーニ
プレジール
背表紙の友
終幕の風景
香菜里屋を知っていますか


「ラストマティーニ」
≪Bar谷川≫の老バーマンが出す、古き良きスタイルのマティーニは、長く香月が信頼を置いていたものだった。ところが、ある日≪谷川≫を訪れた香月に出されたマティーニは…。


「プレジール」

人には楽しむという言葉が背負いきれなくなる時がある。励ましの言葉が呪いの忌み言葉になる事がある。プレジール、楽しむ会を結成していた、三人の女性たちにも、それぞれの変化が訪れていた…。

「背表紙の友」

香菜里屋の店内で、いつものように弾む会話。ところがこの会話には、三十年前にある田舎町で起きた、ささやかな出来事が隠されていた。本に関する話題にはつい頬が緩むのだけれど、「背表紙の友」という言葉が床しい感じでいいなぁ。たとえそれが、男子中学生のよからぬ思いから来たものであっても…(ま、可愛いもんなんだけど)。

「終幕の風景」

変化はいつだって些細な事から始まるもの。常連客が香菜里屋で感じた違和感の正体とは? そして、工藤の店からタンシチューが消える。香月が語るに、工藤のタンシチューはただのタンシチューではない。それは二人がともに修行した店の直伝の料理。そこで起こった不幸は、工藤のその後にも影響し、工藤はタンシチューを作り続け、待ち続ける男となった。これに関しては、次の短編にも話が引き継がれる。

「香菜里屋を知っていますか」

この話では、工藤の姿が見えない。その代わりと言うべきか、他シリーズの登場人物たちが豪華メンバーで出演します。香菜里屋を知りませんか? その問いに答えるのは、一 雅蘭堂の越名集治、二 冬狐堂・宇佐美陶子、三 蓮杖那智。
蓮杖那智がラストを締める。香菜里屋は迷い家のようなものだったのかもしれない。山中で道に迷った旅人が、ふとたどり着く一軒の家。そこで渡された握り飯はいつまでもなくなることがなく、またその家から拝借した椀には、米が絶えることなく溢れるのだ。その話を聞きつけた他の人間が山中を歩きまわっても、決して見つからない、そんな迷い家…。
終焉はまた、開始への約束でもある。さて、香菜里屋は、工藤はどうなるのでしょうか。

■関連過去記事■
桜宵」/広がる北森ワールド(≪香菜里屋≫シリーズ2)
螢坂」/ビアバー≪香菜里屋≫にて・・・(≪香菜里屋≫シリーズ3)

「Rのつく月には気をつけよう」/連作短編

 2008-01-06-22:55
石持 浅海
Rのつく月には気をつけよう

石持浅海さん、初読みです。料理とミステリだし、表紙もなんだかいい感じだし、と私のアンテナに引っかかってきました。図書館で割と長いこと予約待ちしてたんだけど、しかし待った分、これは少し点が辛くなってしまいました(でも、結構な予約数だったので、きっと人気がある作家さんなのでしょうね)。

大学時代の飲み仲間三人、彼らの集いは就職してからも、そのうち一人のワンルームマンションを舞台として続いていて。ただし、いつも同じメンバーでは進歩がない。三人のうちの一人が、友人一人をゲストとして連れて来ることが決まり事。そこで語られる何気ない話から、本人も気づかなかった真相を導き出すのは、大学時代に「悪魔的な頭脳を持つ男」との異名を取った、長江高明。ちなみに、語り手の「わたし」、湯浅夏美のキャッチコピーは「一升瓶を一気飲みできる夏美」、仲間のもう一人、熊井渚のコピーは「雑学王の熊井」。

長江が肴を用意し、熊井が酒をチョイスする。ゲストの話から静かに一つの真相を取り出して見せる長江、反論する熊井(ちなみに、熊井は機嫌が悪くなると、長江のことを揚子江と呼ぶ)、混ぜっ返す夏美。三人の役割もまた、綺麗に決まっているのだが…。

目次
Rのつく月には気をつけよう
 :肴 生牡蠣、酒 ボウモア十二年物
夢のかけら 麺のかけら
 :肴 チキンラーメン(お湯をかけず、そのまま食す)、酒 ビール
火傷をしないように
 :肴 チーズフォンデュ、酒 オレゴンの白ワイン
のんびりと時間をかけて
 
:肴 豚の角煮、酒 泡盛
身体によくても、ほどほどに
 
:肴 ぎんなん、酒 静岡の純米酒
悪魔のキス
 
:肴 ガレット、酒 ブランデー
煙は美人の方へ
 
:肴 スモークサーモン、酒 パイパー・エドシック(シャンパン)

ここから先は、勘のいい方ならこれだけで気づいてしまうかもしれないので、これから読む予定のある方は読まない方が良いかと思います。

注意深く読めば、全部書いてあるんだけど、実はこの短編、一つのミスリードが全編を貫いていて、最後にちょっとしたどんでん返しがあるのです。でも、この縛りのために、どうも話が堅くなってる気がするんですよねー。ここが、私の点が辛くなった所以。歌野晶午さんくらい天晴に騙してくれるならいいけれど、この程度の騙しであるのなら、この部分ではなく、一つ一つの短編で、もっときっちり楽しませて欲しかったなぁ。雑学の部分もね、特に目新しくなくて、知ってるー、となってしまうことも多くって。あ、でも、牡蠣にシングルモルトという組み合わせは、私の中で新しかったな。機会があれば、今度やってみたいと思います。あ、あと、カンヌ国際映画祭公式シャンパンだという、パイパー・エドシックも知りませんでした(輸入元のアサヒビールのページにリンク )。

またね、いくらそれがテーマとは言え、飲み会の肴が一種類と言うのは辛すぎる…。他の物もちゃんと食べてるよ~、という描写も欲しかったなぁ。ま、それをやっちゃうと、繁雑になるのかもしれないけど、せっかくの酒と肴とミステリー。もっと楽しめるのであれば、味わい尽くしたいと思うのも、また人情かと。

「きのう何食べた?1」/食べること、大事にしてますか?

 2007-12-27-23:27
よしなが ふみ
きのう何食べた? 1 (1) (モーニングKC)

仕事帰りに立ち寄った本屋で、むらむらと買いたくなってしまい、珍しく購入したものです。ブログを見れば丸分かりかと思いますが、私のここ数年の読書は図書館中心。お陰さまで、ハードカバーなんかはバンバン読めるのですが、どうしても弱くなるのが漫画方面(世の中には漫画が置いてある図書館も多いようですが、我が図書館にはほとんど置いてないのですー)。

漫画は嵩張るのとコストパフォーマンスが悪いので、漫画文庫以外はここ数年、ほとんど手を出していなかったのですが、これはネットなどでの評判も良かったし、えいやと購入。

結果、良かったですー。料理漫画としても、十分に読むことが出来るし、レシピがざっくり描いてあることを考えると、レシピ本としてもいけるというわけで、コストパフォーマンスも丸。

中心となるのは、弁護士の筧史郎(シロさん・43歳)、美容師の矢吹賢二(ケンジ・41歳)のゲイの同棲カップルの食生活。

二人暮しの料理を担当する筧史郎は、背は高いし、ハンサムだし、料理は出来るし、弁護士だし…、と一見、かなりの好条件に見えるのに、彼がゲイだと知らない同僚からも、「普通の男が、43歳にして、あの若さと美貌だなんて気持ち悪い」などと言われてしまう。ある程度の年を重ねると、あまりに美貌の男というのは、胡散臭いものなのでしょうか。大手の渉外事務所で死ぬほど働かされるよりも、そこそこの収入で人間らしい暮らしを望む彼。料理の様子も、仕事帰りに寄るスーパーの雰囲気や、スーツを脱ぎながら下ごしらえするところなど、現実の臨場感たっぷり。確かにこれだったら、一度に何品も作り上げることが出来るよなぁ、と納得できる手際の良さ。
一話完結のお話の最後には、よしながふみさんによる、その料理の別アレンジの仕方が載っているのも良し。

そうだなぁ、そうやってやれば出来ると分かっていても、自分はついつい手を抜くし、品数も多くは作れないんだけれど! 何品も一気に作り上げて、心の中で秘かにガッツポーズをとる勢いの達成感を得ているシロさんが可愛いです。そういう日々の達成感って大事かも。そうして二人で一緒に食べることが、また「しあわせ」なわけで(ケンジがまた幸せそうに食べるんだ)。調理法としては、一気に作るだけあって、出汁を取るとかそういう面倒なことは言わず、茹でて合えたり、だしの素や、めんつゆが登場するのも特徴でしょう。身近でそんなに値の張らないものをうまーく使いこなしています。この中で、やってみたいと思ったのが、鮭とごぼうの炊き込みごはん。ちょっと生臭くないかな?と思ったんだけど、ごぼうの香りと塩鮭を使うことで、そうはならないのかなー。

お堅いシロさんと和やかケンジの二人もいいし、周囲の人々もいいですよ。シロさんのお母さんはちょっと大変だけれど。息子がゲイであることを知って、ゲイである息子を受け入れなきゃ!!、ってなってるところが、困ったお母さんなのです…。
スイカを縁に知り合った、ご近所の主婦・佳代子さんのレシピは、これからも楽しみ♪
ケンジの勤める美容院のお話で出てきた「爆弾」の話も面白かったなぁ。私も時々、何も考えず、タートルネック着て美容院行っちゃうんですが、んぎゃー、これも時として爆弾の一員と認定されてしまうのですね…(というか、その先を読んでないところが、「爆弾」たる所以…)。

続巻も楽しみです。これは揃えよっと。
大奥」も読みたくなっちゃいました。漫画喫茶にでも行ってこようかな~。

「宮沢賢治のお菓子な国」/心を満たしてくれるのは

 2007-12-16-21:08

中野 由貴, 出口 雄大

宮沢賢治のお菓子な国


宮沢賢治のレストラン 」のコンビが贈る、お菓子を切り口にした本なのです。

お菓子と言えば、生きていくために、必ずしも必要なものではない。けれど、それがあることで、幸せな気持ちになったり、一緒にお茶の時間を過ごすことで、素敵な時を持つことが出来たり。そんなちょっと余計な部分であるからこそ、より愛しいもの。

ちと長くなるけれど、「お菓子なごちそう」「巨きな菓子の塔」より引用します。

 「お菓子って何だろう」と考えると、童話集『注文の多い料理店』の序文を思い出す。

 ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだが、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。
 けれども、わたくしは、これらのちひさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。

 なくても大して困らないし、十分に生きていくことはできる。でも、それだけではきっとつまらないだろう、と気づかせてくれるもの。
 ほっとしたり、うれしくなったり、楽しくなったり、普段とちょっと違った気分や時間を味わわせてくれるもの。
 それがお菓子なのだ。きっと。賢治はそんなお菓子の効能をよく知る人だったのだと思う。
                 
                           (p14-15より引用)

そして、それはきっと物語も同じ。実用書や仕事に必要な書物だけでは、体を作る食べ物としては十分なのかもしれないけれど、それだけではちょっと心がカサカサしてしまう。そこを潤してくれるのが、こういった「お菓子」(勿論、この本の中に出てくるお菓子は、現実に存在するものばかりではない)であったり、想像力豊かな「物語」なのでしょう。ま、現実と同様、お菓子ばかり食べて生きていくことも、また同様に出来ないことだろうけれど、そういった楽しみも必要だよね。

本としては、お菓子を扱う分、ちと細切れになってしまう印象が強いので、「食べ物」を扱った「~レストラン」の方に分があるかなぁ、とも思うのだけれど、こういった切り口は大好きだし(そして、実に良く調べておられること!)、出口さんの水彩画も相変わらずの美しさ。まさにお菓子のように、ちびちびと少しずつ読む楽しみがある本でした。

目次
はじめに
○お菓子なごちそう*和洋菓子
○森のおもてなし*くだものなど
○野原の菓子屋のお気に入り*駄菓子など
○イギリス海岸のティパーティ*のみもの
○イーハトーヴ横丁*お店など
索引
イーハトーヴ<作品別>たべもの帖(宮沢賢治作品別たべもの索引)
参考文献
おわりに


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

「鬼平が「うまい」と言った江戸の味」/鬼平の食の世界

 2007-11-20-23:15
逢坂 剛, 北原 亞以子, 福田 浩
鬼平が「うまい」と言った江戸の味
PHP出版

池波さんのシリーズ物の中では、私の好みでいえば、

 好き ← 剣客商売 > 梅安 > 鬼平

だったりするのですが、池波さんの食の話って美味しそうだし、と借りてきました。

これね、語りも逢坂剛さんと北原亞以子さんと、作家のお二人が担当してらして、お二方とも本業でお世話になったことはないけれど、作家から見た裏話的なものも面白かったです。

鬼平犯科帳の一部が抜き書きされて、その部分に描かれた食を再現した写真とレシピ、それを味わってのお二方の文が入る。春夏、秋冬篇があるのだけれど、まぁ、このシリーズは冊数もかなりのものだとはいえ、オールシーズン通して食の話があるのも凄いことだよねえ。池波さんは季節感を表すのに食を用いたとのことだけれど、こういう描写があってこそ、あの世界に浸れるわけだよね。

目次
 甘いもの好きだった「鬼の平蔵」  福田 浩
一、鬼平の味 春・夏篇
二、料理を楽しみ、作品を味わう
三、鬼平の味 秋・冬篇
あとがき


どれも美味しそうなのだけれど、本作の料理人である福田さんが作る根深汁の葱は、短めのぶつ切り。「こうすると、切り口がなぜか丸みを帯びて美しく、食べやすくなる」とこの後の文章「恨みも根深い、根深汁」にて、逢坂さんが書いておられるのだけれど、私もいつも斜め切りだったので、これは試してみよっと。

私、全シリーズ通して、美味しそうだと思ったのが、根深汁なんだけど(我ながら、安い・・・・)、池波ワールドの中では、食の話はどれも重要というか、目を惹く感じで繋がってますよね~。

←amazon見てたら、こんなのも~。

「柘榴のスープ」/生の営み、料理というもの、魔法のスープ

 2007-07-10-22:54
マーシャ メヘラーン, Marsha Mehran, 渡辺 佐智江
柘榴のスープ
アイルランドのクリュー湾近く、小さな村バリナクロウに、異国情緒溢れるカフェ、<バビロン・カフェ>がオープンした。そこで働くのは、マルジャーンにバハールにレイラーのアミーンプール三姉妹。彼女たちはこの寒村に、芳香に溢れた料理でもって、命を吹き込む。その料理はまるで魔法のよう。カフェの中では、金色に煌くサモワールがしゅんしゅんとお湯を補給し、香りに満ちた様々な料理が並ぶ。緑の指のように美しく整えられたドルメ、マリネのようなトルシー、紙のように薄いパン、ラヴァーシュ、ラム肉とじゃがいものシチュー、アーブグーシュト、ドーナツのようなゾウの耳などなど。それは、繊細にしてみっちりとしたペルシアの料理。

マルジャーンの料理のレシピが、一章毎に明かされるのとともに、段々と明らかになるのは、彼女たち三姉妹が、ここ、アイルランドの小さな村まで逃れてきた事情。黒いチャードルで隠された女性たちが増え、マルジャーンとバハールの人生の場面にも、イラン-イスラーム革命から波及した大きな傷が刻まれる。そして、それはまだ幼かったレイラーにも記憶されていた…。

彼女たちが町の人々に料理を振舞い、心を開くのと同じくして、町の人々が抱えていた問題も、少しずつ解決されていく。悪者は悪者として描かれるし、レイラーから漂うローズウォーターやシナモンの香りなど、何だかおとぎ話のようでもあるのだけれど、この明るさやユーモアが、チャードルで隠されたイランの、ペルシアの本来のものなのかもしれない。フィクションではあるのだけれど、「物語る」物語。美しい姉妹に料理を供されながら、お話を聞いているような気分になる。

マルジャーンの魅力溢れる料理のさまはこんな感じ。

 マルジャーンは真ん中をつまんだゾウの耳を二つ、オイルを熱した深い鍋に一分間沈めてから、溝穴のあるスプーンでペーパータオルに移した。余分なオイルの雫がペーストリーからぜいたくに滴り落ち、のどが乾いているペーパータオルにたちまち飲み込まれた。

まさに、煌きと官能の料理。

料理だけではなく、出てくる人物たちも、それぞれに魅力的だし、ペルシアの官能すら感じさせる料理と、アイルランドの自然の対比もまた見事。これは、良い本を読みました。マーシャ・メヘラーン、これ一作しか出ていないのが、残念だなぁ。

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。



★アイルランド、メイヨー州について★
アイルランド留学クラブ 」さんが詳しかったです。
下記、URLには、クロッグ・パトリックや、クリュー湾からの眺めが載せられています。
http://www.ryugakuclub.com/ireland/travelireland/mayo.htm

★チャードル(Wikipediaにリンク

★イラン革命(Wikipediaにリンク

「つまみぐい文学食堂」/ブンガクにおける食べ物とは?

 2007-07-01-18:50
つまみぐい文学食堂つまみぐい文学食堂
(2006/12)
柴田 元幸

商品詳細を見る
目次
~Menu~
メニューについて
~Horsd'Oeuvre~
I LOVE Garlic
Be Vegetarian
不在の食物
根菜類等
~Fish~
鯨の回想風
イカ・タコ
ディナーの席で
~Meat~
菌類
豚肉を食べましょう
一族集合
動物はお友だち
人等
~Specials~
Let's Party
クリスマス特別メニュー
不味い食事
空腹、飢え、断食
~Beverages~
一杯のお茶を持てば
一人酒場で飲む酒は
ブローディガンの犬

~Desserts~
リンゴはなんにも言わないけれど
カフェ等
ワシントン広場の夜は更けて

あとがき対談
INDEX?
INDEX?

「文学」であっても、「つまみぐい」。「文学」だけれど、「レストラン」ではなく「食堂」。漫画家吉野朔美氏による、ユーモラスかつ、ちょっと不気味な絵に相応しく、ここに出てくる食べ物は決して肩肘張るものでもない代わりに、美味しそうなものばかりとも言えず…。

でも、実に楽しい本!

アガサ・クリスティーの食卓 」、「パトリシア・コーンウェルの食卓 」、「宮沢賢治のレストラン 」、「作家の食卓 」など、このブログの中だけでも、作家と料理についての本は結構読んでいるのですが、これら至ってノーマルな本とこちらの本との違いは、ここに出てくる食べ物は必ずしも実在のものではなく、また時にとてつもなく不味そうなこと。「実在ではない」といっても、描かれるのは「物語の中だけに出てくる、実在しない美味しそうな食べ物」などではなく、猛烈にそれが食べたいのに、食べることの出来ない不在の哀しみだとか。

飄々とした柴田さんの語り口、ひょいひょいと話が飛んでいくところもなんだか楽しい(あとがき対談を読むと、「素材が三つあればひとつのエッセイが書ける」とある)。ああ、こんな授業が受けられるのだとしたら、文学部でブンガクを学ぶのも悪くはないよな。いいなー、東大文学部の学生さん。そして、「柴田クン」と思しきキャラクターが描かれるその章の扉絵も実に楽しい(表紙と同じく吉野朔美氏による)。あとがき対談によると、吉野さん自身、柴田さんのファンであるそう。だからこその、この素敵な挿絵なのかな。

INDEX?は人名・作品名・書名から、INDEX?では食べ物の名前から、ページを引くことが出来る。装丁なども含めて、いやー、これはいい仕事だわ。

さて、この中で私が気になったのは、以下の本、ということで、いつものように、メモメモ。

■ケン・カルファス「見えないショッピング・モール」(『どこにもない国 現代アメリカ幻想小説集』)
■ニコルソン・ベイカー「下層土」(『どこにもない国 現代アメリカ幻想小説集』)…ニコルソン・ベイカーが、あのスティーブン・キングに酷評されて「ふん、キングみたいなホラーなら俺にだって書けるさ」と対抗して書いたのだとか。恐怖の源がジャガイモってところがすごい。
■トルーマン・カポーティ「クリスマスの思い出」(『誕生日の子どもたち』)
■リチャード・ブローディガン「アメリカの鱒釣り」
■W・G・ゼーバルト『目眩まし』
■登場回数も多い、トマス・ピンチョンという作家

そして、柴田さんが取り上げておられる本の共通項としては、どうも「妄想」というフレーズがどこかに忍び込んでいるような気がしてなりません。「妄想」といえば、岸本さん(エッセイ「気になる部分 」)ですが、この「つまみぐい文学食堂」を読んですっかり柴田さんのファンにもなったのでした。愛すべき「ヘンさ」「奇妙さ」「奇想」ってありますよね。

これまで読んだ柴田さんの翻訳は、ポール・オースターの「最後の物たちの国で 」のみなんだけど、翻訳もエッセイも、もっといろいろ読んでみたいと思ったことでした。

と、思ったら、スティーヴン・ミルハウザーの「バーナム博物館 」も読んでました。これも面白かったけど、妙ちきりんな話だったなぁ。

「迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで」/もしも、あの人をお招きしたら?

 2007-06-19-22:52
河合 真理
迷宮レストラン―クレオパトラから樋口一葉まで
NHK出版

宮沢賢治のレストラン 」のことを書いたときに、「Ciel Bleu 」の四季さんに教えてもらった本です。四季さん、良い本をご紹介くださり、ありがとうございましたー♪

これはねえ、実に楽しい本でした。副題に「クレオパトラから樋口一葉まで」とあるのですが、実在の人物から、変り種では河童の河太郎まで、著者のおもてなしは続くのです。

目次
迷宮レストラン開店のご挨拶 まえがきに代えて
No.01 クレオパトラ7世様 No.2 サンタクロース様 No3. 聖徳太子様 No.4 玄奘三蔵様 No.5 シンドバッド様 No.6 源義経様 No.7 チンギス・ハーン No.8 ドラキュラ様 No.9 レオナルド・ダ・ヴィンチ様 No.10 山内一豊の妻 千代様 No.11 シェイクスピア様 No.12 ヨハン・セバスチャン・バッハ No.13 コロンブス様 No.14 ナポレオン1世様 No.15 河童の河太郎様 No.16 アンデルセン様 No.17 チャールズ・ダーウィン様 No.18 ファーブル様 No.19 トルストイ様 No.20 ジェロニモ様 No.21 近藤勇様 No.22 アントニ・ガウディ様 No.23 シュバイツァー様 No.24 樋口一葉様 No.25 南方熊楠様
休業のお知らせ(閉店のご挨拶) あとがきに代えて
参考文献
奥付

巻末に参考文献が山ほど載せられているとはいえ、お招きする人物の人となりを紹介する文章は、詳しい人にとっては既にご存知の事かもしれません。でも、この人となりもコンパクトにうまく纏まっていると思うし、その人の育ちや業績を考えて作られたメニューは良く練られたもの。また、こういう本は、えてして料理の写真がいまいちだったりするのだけれど、これはその点もばっちりクリア! 料理も良く分かるし、テーブルセッティングもまたいいんだ~。あ、でも、ダーウィンのテーブルに置かれた、亀や蛇、蜥蜴の飾り物はちょっと…、だったりするのですが。

特に気になったのは、ジェロニモの章。チリカウア・アパッチの戦士、酋長であったジェロニモの本名は、「あくびをする人」という意味のGoyathulay(ゴヤスレイ)といったそうな。メキシコ軍によって母、妻、3人の子供を惨殺されたことで、彼は「ジェロニモ」(獅子のように戦う聖者ヒエロニムス)となった。

この章の料理については、著者は資料を調べるだけでなく、実際にいくつかの居留地を訪れて、アパッチ族、ラコタ族、プエブロ族、チェロキー族の人々に、伝統的な料理法や食材などを直接取材したのだそう。旅を終えて、印象的だったのは青過ぎる空と、群生するワイルドセージの広大な平原であり、ジェロニモが天国で再び自由の身のゴヤスレイとして、セージの原野を見下ろしながら食事を楽しんでいる様子を思い浮かべて、メニューを作ったとのこと。

参考までに、そんなジェロニモのためのメニューを載せておきます。

 飲み物-バーボンウイスキー
 前菜-サボテンのステーキ 穀物のサラダ添え
 スープ-バッファロー肉と野菜のシチュー
 メイン-フライドブレッドのタコス
 デザート-ピニョン・ケーキ
       フルーツのバーボン風味
 飲み物-コーヒー

赤や黄色や青、オレンジといった、明るい色合いのお皿に盛られたこれらの料理は、実に美味しそう~。ちなみに、ここでいうコーヒーは、「水にコーヒーの粉を入れて煮立て、上澄みをすくったカウボーイ流のアメリカンコーヒー」です。ちょっと、「すべての美しい馬 」!と思うのでした。絶対忘れそうなので、更に書いておくと、デザートメニューの「ピニョン」とは、松の実に似たニューメキシコ産の木の実であるとのこと。??

更に、更に、ガウディのメニューからメモ。無花果の枝で牛乳をゆっくりかき混ぜながら煮ると、無花果の樹液で牛乳がカッテージチーズのように固まるんだって。ガウディのデザートは、オレンジの蜂蜜とナッツを添えた、この「マト」でありました。無花果の樹液じゃないとだめなのかなぁ。最初に発見した人、すごいなぁ。
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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