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「オチケン!」/青春落語ミステリー

 2008-05-01-22:25
02924968.jpg
オチケン!―Rakugo Club The Key to Solving Mysteries (ミステリーYA!)
(2007/10)
大倉 崇裕

商品詳細を見る

オチケンとは、主人公がなし崩し的に所属する事になる「落語研究会」(略してオチケン)と、主人公その人の名前、越智健一とのダブルミーニング。主人公である、大学新入生の越智は、その名を見込まれ(だって、オチケン!)、廃部寸前の落語研究会に引き摺りこまれる。アルバイトに授業にサークル。越智が夢描いていた楽しいキャンパスライフは、オチケンに入ったことで、音を立てて崩れていくのだけれど…。

ええい、扉の紹介を引いた方が早いので、そちらを紹介。

大学に入学して早々、廃部の危機に瀕した落研(オチケン:落語研究会)に入部するはめになった越智健一。
そこで待ち受けていたのは、古い部室(幽霊が出る噂アリ)と、風変りな二人の先輩―天才的な落語の才能を持つ(らしい)、飄々とした岸と、爽やか青年なのに、なぜか押しが強い中村―だった。落語なんてまったく知らず冷や汗ものなのに、勝手な先輩たちに振り回され、ろくに授業も出られず、サークル間の陰謀にも巻き込まれる。そのうえ、キャンパスで奇妙な事件が起きて……。
抱腹絶倒の中篇を二篇収録した、連作落語ミステリー


もくじ
その一 幽霊寿限無
その二 馬術部の醜聞
付録 落語ってミステリー!?
あとがき
落語でミステリーと言われると、どうしても北村薫さんの「円紫さんとわたし」シリーズと比較したくなってしまうのだけれど、楽しい青春小説として読めば、軽く読めちゃうし、これはこれでまた良しかと。オチケンのライバルも、「お笑い研究会」はともかく、「折り紙の会」や、えらく体育会系でもある「釣竿会」などとなかなか渋くって、所謂王道的ではないところも、ちょっと親近感を覚えてしまいました。私の場合、テニスサークル全盛時代に大学生活を送ってたんだけど、そういったメジャー系ではない、マイナーなところに所属してました。ま、大学生活なんて、何やったって自由なわけで、自分が楽しければそれでいいんだよなー、と思うけど。

付録を読んで、少々意外な思いがしたのが、著者、大倉さんの落語への熱い思い。落語に親しみがない層に興味を持ってもらえれば、という狙いは十分成功しているように思えます。でも、これだけ熱い思いがあるのならば、もっとディープにいっちゃってもいいのでは?、とも思うけど。

これは、シリーズ化を狙ってるのかなー。とりあえず、授業をこんなにサボっていては、まず何よりも進級が危ういようにも思えるけどねえ。がんばれ、越智くん!
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「たがや」/落語絵本

 2008-01-22-22:06
川端 誠
たがや (落語絵本 (10))
クレヨンハウス

こんなシリーズがあるのですね。図書館で見つけて、思わずその場で読んでしまいました。とりあえず、私が見つけられたのはこの「たがや」だけだったんだけど、他もこの絵本のシリーズで読んでみたいなぁ。

この生き生きとした絵がいいでしょ?

実際の「たがや」のお話はかなり残酷なものなようだけれど(だって、首が飛ぶらしいですから! Wikipediaにリンク )、子供向けの絵本であるからか、こちらでは、健やかで微笑ましいお話になっていました。

隅田川の花火見物に訪れた長屋の連中。箍屋の身重の女房も、花火が見たいとやって来た。ところが、ぎゅうぎゅう詰めの橋の上、なんとこの女房が産気づいてしまい…。
花火と言えば「玉屋~」だけれど、ここはやっぱり「たがや~」で!

■関連過去記事■
「【上方落語】桂米朝コレクション1 四季折々 」/夢の中へ

こちらも積みっぱなし。

手元にあると安心しちゃって、読めない…。

「【上方落語】桂米朝コレクション1 四季折々」/夢の中へ

 2007-11-18-23:26
桂 米朝
上方落語 桂米朝コレクション〈1〉四季折々 (ちくま文庫)

上方も何も、ほとんど落語を聞いたことはないのだけれど、ちょうど北村さんの「円紫さんと私」シリーズを読んでいたこともあり、図書館で目について借りてきた本です。私の落語体験と言えば、タクシーの中で運転手さんが聞いているもの、というくらいのお寒いものなんですが…。当時、実家が終バスが終わるとタクシーで帰るしかない場所にあり、深夜料金を払って帰ったものです。暗い夜道を行く中、くつくつと笑いながら、落語を聞いている運転手さんが印象的でした。

さて、こちらの桂米朝コレクション。「どもならん」くて、「かなわんなぁ、これ」な出来事が、笑いに転ずる様が楽しかったです。すべて理詰めでいくわけではないけれど、時代に合わない部分も何とか考えながらなさっているわけですね。後は、こうやるといやな後味が出てしまう(だって、落語の登場人物と言ったら、それはお調子者なわけですし)、というところを、ほのぼのと、からりと明るい笑いに持っていく。それが演者の技なのでしょうね。

最初に米朝さんの、その噺に対する考えや解説が入り、その後にお噺が収録されているスタイルです。「千両みかん」における、以下の文がまさに、落語というものを表しているのかと。

 時代が変わりすぎてしまいましたが、なればこそ、古い時代の物語をしゃべることによって、その夢の世界へ見事にお客様を御案内し得た時の、われわれの喜びもお客様の興趣も、一段とまさるのではないかと考えます。

そうやって、今はもうない夢の世界へ案内してくれるのが、落語なのですね。

目次
けんげしゃ茶屋
正月丁稚
池田の猪買い
貧乏花見
百年目
愛宕山
千両みかん
蛇含草
まめだ
かけとり
風の神送り

解説 小松左京


百年目」は、「円紫さんと私」シリーズの若き日の円紫さんが、師匠のやるこの噺を聞いて、落語をやろう、と決めた噺。というわけで、当然、「空飛ぶ馬 」にもこの噺の解説は出てくるわけですが、やっぱり字数の関係もあるし、この時は噺を全部わかったわけではなかったので、このお噺をきちんと読めたのも嬉しかったな。

貧乏花見」は、大正期に東京へ移されて、「長屋の花見」という題のお馴染みの落語になったのだとか。疎い私でも、タイトルくらいは聞いたことがあったかな。貧乏長屋のパワー溢れる人々が良かったです。お茶を持ち寄って樽に入れて「お茶け」と称したり、そんなものをこの人たちが持っているはずもない、持ち寄った晩菜の大層な名前も楽しい。

これ、今amazonを見たら、全8巻のシリーズなのだとか。2は「奇想天外」で、3は「愛憎模様」、4は「商売繁盛」、5は「怪異霊験」で、6は「事件発生」。7は「芸道百般」、8は「美味礼讃」。むー、テーマもみんな気になるではないですか。わが図書館に、全部置いてあるのならば、ぼちぼちと読んでいきたいシリーズでありまする。

*臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

「空飛ぶ馬」/円紫さんとわたしの世界

 2007-10-21-20:40
空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
(1994/03)
北村 薫

商品詳細を見る
図書館本も溜まっているのに、また読んだのに感想書いていない本だって溜まっているのに、今日は何となく北村薫さんの「円紫さんとわたし」の世界に浸りたくなって再読をしておりました。

新しい世界にぐいぐいと漕ぎ出していく、馴染みのない世界や、未だ自分の匂いがついていない本の世界に遊ぶのも、それはそれで良いものだけれど、時に古いお馴染みの世界に戻って行きたくなる時がある。今日はちょっとそんな気分。

北村さんの探偵ものと言えば、覆面作家シリーズ、名探偵・巫シリーズ、ベッキーさんシリーズと、いくつかあるのですが、私が一番好きなのが、この落語家の円紫さんと女子大生のわたしシリーズ。「女子大生のわたし」は、びっくりするくらい、すれていないいい子で、シリーズの中では様々な季節が語られ、また、彼女自身も成長していくのだけれど、私の中では、秋の澄んだ空気が何となく彼女のイメージ。

探偵役である「円紫さん」は落語家であり、ワトスン役の「わたし」は文学部の学生であるからして、そこかしこに、そういった関連の知識がぽろぽろと丁寧に挿まれていて、それもまた何度読んでも楽しむことの出来る要因かなぁ(一回ではたぶん読み切れていないのと、新たな知識を得た後に読むと、ああ、こんなところにも手を抜いてないんだな、と分かる)。

私が持っているこの文庫は、1995年の第6版のもので、最初に読んだ時は、この「わたし」に近い年齢だったのに、今となってはむしろ「円紫」さんの方に近くなってしまいました。このシリーズは、1998年出版の「朝霧」(こちらはハードカバーで持ってます)にて、女子大生だったわたしが就職して新人編集者となる辺りで終わるのだけれど、その後の「わたし」についても読んでみたいものです。とうとう、「わたし」の名前も分らないままだったし。笑

表紙を並べていくのも楽しくてですね。シリーズ一作目の「空飛ぶ馬」では、文中で友人にヨーロッパの不良少年と揶揄されたりする、ショートカットのわたしの髪型も、だんだんに女らしくなっていくのです(と、思ったけど、並べてみたら、そんなに変わってないですね。むしろ服装か?)。



目次
織部の霊
砂糖合戦
胡桃の中の鳥
赤頭巾
空飛ぶ馬
 解説 安藤昌彦


織部の霊」にて、わたしは文学部の加茂教授から、落語家である円紫さんを紹介され、その知己を得る。円紫さんは、加茂教授の幼少時からの疑問を鮮やかに解決する。
砂糖合戦」では、マクベスの三人の魔女を連想させる、喫茶店の女の子たちの行為を未然に防ぎ、「胡桃の中の鳥」では、舞台は大学のある東京や、わたしの自宅のある神奈川(追記:「わたし」の自宅は埼玉でした…。神奈川に住んでるのは親友の正ちゃん。ああ、思い込みって怖い)を離れ、山形は蔵王へ。円紫さんの独演会を聴くのと、夏の旅行を兼ねたこの旅で、わたしは過酷な運命の中の弱小なるもの、に出会う。
赤頭巾」、「空飛ぶ馬」の二篇は、わたしの近所の人々のお話。一方は、悪意と幾分艶めかしいお話だけれど、「空飛ぶ馬」はラストを飾り、また、「わたし」の誕生日であるクリスマスや、年末を飾るに相応しい、ほのぼのと心温まるお話。

円紫さんによって解かれる謎は、空飛ぶ馬」の中にあるように、ただの謎解きではなく、関わった人たちの心を解いていくようなもの。

 解く、そして、解かれる。
 解いてもらったのは謎だけではない。私の心の中でも何かが静かにやさしく解けた。

だから、こういう謎仕立ても実にしっくりとくるのです。

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。
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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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