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図書館本メモ0905

 2009-05-27-23:05
ちぎり屋ちぎり屋
(2002/08)
蜂谷 涼

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内容(「BOOK」データベースより)
北の街の小さな居酒屋「ちぎり屋」では、今日もまた、わけあり者たちが、心に溜めた想いを語っていく。繁栄にわく小樽の街の片隅にあるおもんの店で、一杯の酒とともに語られる「問わず語り」。

「へび女」(感想)も読んだことがある蜂谷さん。小樽を舞台に、女の細腕一つで小料理屋を切り盛りするおもんさん。駆け落ちしてきた夫も既に亡く、残されたのは小料理屋、「ちぎり屋」だった…。しっとりしたいい話なんだけど、欲を言えばまだ枯れてはいなかったおもんさんに、私はもっと幸せになって欲しかったなぁ。伝わってくる小樽の賑わいなどは○。

真夜中の子ネコ (Modern Classic Selection)真夜中の子ネコ (Modern Classic Selection)
(2008/12)
ドディー スミスジャネット ジョンストン

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内容(「BOOK」データベースより)
ふたごのトムとパムは毎晩、真夜中になると、「突然」「何もないところから」庭にあらわれる4匹の子ネコを見つけます。一体、このネコは現実なのでしょうか?それとも魔法?この不思議な出来事をめぐり、ふたごの兄妹、トムとパムとその育ての親のおばあちゃんの間に変化があらわれます。幸せな祖母と孫の関係が、ほんのささいなことで崩れてしまいそうになったとき、それを救ったものとは…?『ダルメシアン』(101匹わんちゃんの原作)の作者ドディー・スミスの知られざる名作初翻訳。

真夜中の子ネコってファンタジック!と思い、また内容紹介にもあるとおり、ちょっと不思議な雰囲気で出てくるんだけど、実際は合理的説明がなされちゃうのが、ちょっとがっかり。イギリスの寄宿学校のふたごの兄妹のお休み中の出来事です。庭でハリネズミに餌付け出来ちゃうなんて羨ましい~(パムは子ネコを待っているので、ハリネズミが出てきてもあんまり喜ばない)。注はついてるものの、スクウォッターなる言葉が突然出てきて(章のタイトルにもなってる)、いったい彼らはどういう人のことなんだ?と思ったら、ネットでは”不法占拠住人”とあてているのも発見。なるほどねえ。

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)
(2009/01/16)
イーヴリン ウォー

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回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)
(2009/02)
イーヴリン ウォー

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内容(「BOOK」データベースより):上巻
第二次大戦中、物語の語り手ライダーの連隊はブライズヘッドという広大な邸宅の敷地に駐屯する。「ここは前に来たことがある」。この侯爵邸の次男で大学時代の友セバスチアンをめぐる、華麗で、しかし精神的苦悩に満ちた青春の回想のドラマが始まる。
内容(「BOOK」データベースより):下巻
「古昔は人のみちみちたりしこの都巴いまは悽しき様にて坐し」。ひさしぶりに再会したセバスチアンは、別人のように面変わりしていた。崩壊してゆくブライズヘッド邸とその一族―華麗な文化への甘美なノスタルジア。英国の作家ウォーの代表作。

面白かったんです、好みのイギリスだったんです。なんだけど、うまく感想が言えないんです~。貴族のどうでもいい話とも言えちゃうんだけど…。芸術を解する自分を高みにおいて、現実を巧みに渡り歩く人たちを下賤なものと軽蔑する視線は鼻につくのだけれど、これはそれも込みのお話なんだよねえ。ぐるっと回って、最後はそこにあり続けたものが見えたのかな。
ところで、頁数の関係かもしれませんが、これ、上巻に全体の解説が載せられてたんです。上巻のみの解説(よく考えたら、それもおかしいけど)だと思って読んじゃったら、思いっきり後半のネタバレが書いてあってのけぞりました。警告を入れて欲しかった…。解説を先に読んじゃったのは、本当に久しぶりだったんだけど、やっぱり自分は解説を先に読みたくない派なんだな、と再確認致しました。気をつけよっと。
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「犬は勘定に入れません」/猫もいます

 2008-12-29-00:30
犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
(2004/04/17)
コニー・ウィリス

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TO SAY NOTHING OF THE DOG or How We Found THe Bishop's Stump At Last

もうねー、ほぼ二週間これを読んでいて、遅々として進まなかったんだけど、途中からはぐんぐん面白くなってきて、いやいや楽しい読書でしたよ。ま、531ページ二段組みというのは、それなりのボリュームでもあるわけですが。

物語は主人公らしき人間とその他数名で「主教の鳥株」とやらを探している場面から始まります。ところが、最初の方はほんとに何が何だか分かりません。実は彼らは「ネット」を使って「降下」してきた時空旅行者で、レイディ・シュラプネルという強権を振るう女丈夫の命により、血眼になって「主教の鳥株」を探している真っ最中。

レイディ・シュラプネルの一大プロジェクト、コヴェントリー大聖堂の復元のために、彼女はその強権を用いて、オックスフォードの中のほとんどすべての学生を徴集していたのです。「神は細部に宿る」。レイディ・シュラプネルは少しの齟齬も許さず、学生たちをあらゆる年代に「降下」させ、あらゆる事象を調査させるのですが…。

そんな中、主人公である史学部の学生、ネッド・ヘンリーは重度のタイムラグ(時代差ボケ)を患っているとされ、現代(二〇五七年)に戻されてしまいます。看護婦からはベッドでの安静をすすめられたけれど、レイディ・シュラプネルはもちろんそんなことを許しはしません。ネッドは彼に同情したダンワージー教授により、19世紀のヴィクトリア朝に派遣されます。ある簡単な任務を果たしたのち、テムズ河でのんびりすると良いと言われたのですが…。問題はネッドがタイムラグにより、ダンワージー教授から託された任務を聞き取れなかったこと。

自分の存在が時空連続体に影響を与えるのでは?、と怯えながら、ネッドはビクトリア朝に飛び込んでいくのですが…。そこにいたのは、ネッドが二〇五七年で一目ぼれしていたヴェリティと、レイディ・シュラプネルのひいひいひいひいお祖母さんであり、コヴェントリー大聖堂の復元や、「主教の鳥株」捜索の元凶でもあるトシー。

段々と分かってくるのは、ネッドとヴェリティが既に時空連続体に影響を与えてしまったこと。ヴェリティが二〇五七年に持ち込んでしまった、、プリンセス・アージュマンドは、ネッドが飼い主のトシーの元に戻すはずだったのに果たせず、さらにネッドはモードとテレンスの出会いを阻害し、テレンスはトシー(未来ではCがつく誰かと結婚しているはず)と婚約してしまった!

未来はいったいどうなってしまうのか? そして主教の鳥株の行方は?

すべてにちゃーんと説明がされるんだけど、探偵役のネッドとヴェリティの関係も楽しいし、テレンスの飼い犬、ブルドックのシリルとプリンセス・アージュマンドの関係も楽しい(何かというと、プリンセス・アージュマンドのパンチがシリルに綺麗にヒット)。「犬は勘定に入れません」の元ネタである(読んでないけど)、「ボートの三人男」となった、ネッド、テレンス、ぺディック教授(隙あらば釣りをする)の旅路も楽しいです。

ヴェリティは一九三〇年代が専門のミステリおたく。ノリノリで探偵ごっこをやり始めるあたりも実に可愛いのです。普段はしっかり者で、むしろネッドにばしばし指示しちゃうような方なんだけど。

コニー・ウィリスは二冊目。両方とも大森望さんの翻訳だったんですが、大森さんの翻訳によるものか、突っ込みなんかがすっごく楽しいんだよねえ。キャラたちまくりの登場人物たちも楽しかったです。

「フリッツと満月の夜」/ひと夏のミステリー

 2008-09-23-23:19
フリッツと満月の夜 (TEENS’ENTERTAINMENT 1)フリッツと満月の夜 (TEENS’ENTERTAINMENT 1)
(2008/04)
松尾 由美

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夏休みの間、小説家の父さんと共に、海の近くの小さな町で過ごすことになった、カズヤ。こう来ると、フリーライターの父に連れられ、座敷わらしのいる旅館に泊まることになる、同じく夏休み中のユカ(@「雨ふり花さいた」)なんかを思い出しちゃうわけですが、こういうのは、ある意味定番のティーンのお話とも言えるのかな。ティーンの頃のひと夏の冒険、実際に体験したかったかも?

私がこの本に興味を持ったのは、あちこちで評判だけは耳にしていた松尾由美さんの作であることと、この可愛らしい表紙。

えー、実際はお話の作りは、ちょっとやっぱりティーン向け?という感じで、期待していたのとは違ったんだけど、今度は「人くい鬼モーリス」を読んでみたいなぁ、と思うくらいには楽しみました。

気の進まないまま、小さな港町へとやって来たカズヤは、近くの食堂、「メルシー軒」の息子、ミツルと友達になります。最初は無愛想で太ったミツルとは到底友達になれない、と思っていたカズヤだけれど(なんだって、周りの大人ってのは、年が同じならば友達になれると簡単に考えるんだ?)、この町の秘密をきっかけに仲良くなるのです。

ゴルフ場建設に燃える町長、偏屈な老婦人の消えた遺産、耳にピアスをつけたの謎、門扉に描かれたダビデの星の謎…。これがひと夏のミステリー

ラストはもう一つの謎も解かれまして、カズヤとこの町との付き合いも、また夏ごとに続きそう? そうすると、シリーズ化なんかも出来ちゃいそうな感じがしますが、どうなのかなー。でも、方向音痴の泥棒、という設定はちと苦しいかも。安全な方に逃げたつもりが、泥棒と出くわしちゃうなんて、迷惑だわ…。

満月の夜、暗がりに光るきんいろ。それはやっぱり魅力的だもの。他のメンバーも含めて、彼らが活躍する様をもう少し見てみたい気がします。

「ダヤンのスープ読本」/ナンセンスから実のあるものまで

 2008-05-10-21:13
ダヤンのスープ読本ダヤンのスープ読本
(1997/09)
池田 あきこ、佐藤 かずよ 他

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目次
のはじめる商売として
DAYAN'S SOUP
スプーンとすっかり仲良くなって
指貫でのむ小人のスープ
スープに音楽をきかせると
海辺の宿に泊まりにきたら
カシガリ山の3人の魔女
風も凍る冷たい夜は
ISTO DANCE
月曜日にのむのは
Euro Crap
スープの作り方

スープの作り方目次
おいしいスープのおまじない
ダヤンのものぐさスープ
マーシィのふんわりクリームスープ
イワンのすっきりコールドスープ
ドードーのかるがるダイエットスープ
メイプル母さんのどんとこい大家族スープ
ジタンのマジカル・エスニックスープ
3人の魔女のまじないスープ
ライオン3兄弟のトロピカル・フルーツスープ
スープのけらい
途中までは、ナンセンススープの目次。下のは「ほんとの実のあるスープ」です。ナンセンスのは、絵も詩のような文章も楽しいよ~。

美味しそうだったのは、”じゃがいもと長ねぎのスープ”(なんてったって、「ものぐさスープ」に入れられてる簡単さだし)、”卵とチーズのまぜまぜスープ”(やっぱり、「ものぐさ」が…。といいつつ、卵が固まらないように、煮立ったスープストックの方を、チーズと卵入りのボールに入れて鍋に戻すという芸の細かさあり。え、これくらいの芸の細かさは普通?)。冷たい”トマトとオクラのスープスパゲティ”(イワンのコールドスープより)なんかは、夏に良さそう~。素麵のように細いスパゲティ、パミセリを使用するそうだけれど、素麵でもいけちゃいそうだし、これはその内やってみようと思います。あ、でも、去年の夏によくやってたのが、素麵の薬味として細かくカットしたトマトとオクラを入れたもの。それに近いかな~。簡単だし、トマトの酸味が合っていたと思うのよ。

「ダヤンのスケッチ紀行 北欧へ行こう」/池田あきこさんスケッチ紀行

 2008-04-23-23:40
北欧へ行こう (ダヤンのスケッチ紀行)北欧へ行こう (ダヤンのスケッチ紀行)
(2007/10)
池田 あきこ

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目次
魚のおいしいノルウェー
スウェーデンのクリスマス
雪のラップランド―フィンランド冬編―
アンデルセンのデンマーク
白夜のカレリア―フィンランド夏編―
「わちふぃーるどって北欧っぽい」。ずいぶんそう言われたのだそう。2006年冬、8年がかりで作って来た『わちふぃーるどの伝説と歴史を探る長い長い物語』も最終刊に入ろうとしていた池田さん。最終刊の舞台は終わりのない冬に一面の雪。テンションを上げ、この最終刊に挑むため、池田さんはそれまで聖域としていた北欧へ足を踏み入れることを決意した。そうして訪れた冬の北欧。さらに、長編完結後、この『北欧へ行こう』の仕上げに入り、やにわに突き上げたのは、「夏の北欧が見たい。白夜が見たい」との強烈な願い。そんなわけで、この『北欧へ行こう』は、冬と夏の北欧がぎっしり詰まった一冊となったようです。

なにせ、ダヤンがわちふぃーるどに行くのは、ヨールカの雪の魔法の扉をくぐってのことだものね。豊かな森と湖、一面の雪の世界は確かに北欧のイメージなのかも(しかしながらこの旅では、地球温暖化の影響か、ノルウェーから入って、フィンランドに至ってようやく雪が見られたようだけど)。

電車に乗ったり、舟に乗ったり、料理を見せてもらったり、料理をしたり、サイドカーに乗ってツーリングをしたり、サウナに入ったり。そして、とにかく良くスケッチをしておられること! それはまるで、あちこちに首を突っ込み飛び込んでいくダヤンのよう。ダヤンの人懐っこく、皆に愛される性格は、作者である池田あきこさんのものでもあるのかも。

このシリーズ、他に出ているのが、『モロッコへ行こう』、『英国とアイルランドの田舎へ行こう』、『イタリアへ行こう』、『ドイツの古城とライン川を行こう』。雰囲気ありそうな、『英国~』も気になるし、意外なところでは『イタリアへ行こう』も気になるなぁ。ダヤンとはあまり関係なさそうだけれど、なんだか美味しそうだし。

「猫のパジャマ」/ねこ!

 2008-04-20-23:18
猫のパジャマ猫のパジャマ
(2008/01)
レイ・ブラッドベリ

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のパジャマって?

のパジャマ】すばらしい人/ものを意味する俗語

なんだそうな。

「序文」には、ブラッドベリ自身の言葉により、これから読むことになる短編の背景が書かれてます(サービス精神は分かるけど、ネタばらし的でもあり、これ、ない方がいいんじゃないかなぁ。もしくは後ろに持ってくとかさ)。

有色人種と白色人種、見えないものの恐怖、見えないからこその美しさ、そして幻滅。郷愁も豊かに描かれるのだけれど、実はこの表紙以上に素敵な短編には巡り合えなかったのでした。

これはこの装丁の勝利だな~。に関わるのは、「のパジャマ」のみ。こちらはなかなかロマンチックな物語になっております。

気になったのが、

^^
このカバーには耳が付いています

ところが、図書館で借りた私の場合、当然思いっきりフィルムコートされちゃってるので、その耳を確認出来ず。心残りだ~!
目次
 序文―ピンピンしているし、書いている
さなぎ

夜明け前
酋長万歳
ふだんどおりにすればいいのよ
まさしく(オーレイ)、オロスコ、シケイロス、然り(シ)!
屋敷
ジョン・ウィルクス・ブース/ワーナー・ブラザーズ/MGM/NBC葬儀列車
用心深い男の死
猫のパジャマ
三角関係
マフィオーソ・セメント・ミキサー
幽霊たち
帽子はどこだ、急ぎはなんだ?
変身
ルート66
趣味の問題
雨が降ると憂鬱になる(ある追憶)
おれの敵はみんなくたばった
完全主義者
エピローグ―R・B、G・K・C&G・B・S永遠(とわ)なるオリエント急行
 訳者あとがき

「百器徒然袋―風」文庫化

 2007-11-12-21:41
京極 夏彦
百器徒然袋-風 (講談社文庫 (き39-12))

新書で出てたのが、文庫化されたようなのですが、うわーい、これはまさに、「にゃんこーーー!」ではないですか。ちょっと嬉しくなったので、貼ってしまいます。

本の内容は、京極堂シリーズ外伝の探偵小説。
勿論、あの探偵榎木津が大活躍。そして、にゃんこー!なのですよーみーこ

■「百器徒然袋―風 」/にゃんこーー!!(過去の感想)

「キャッツ-ポッサムおじさんの猫とつき合う方法」/詩人、T.S.エリオットの猫交遊録

 2007-07-21-23:48

T.S. エリオット, Thomas Stearns Eliot, 池田 雅之, ニコラス ベントリー
キャッツ―ポッサムおじさんの猫とつき合う法

もくじ
猫に名前をつけること
おばさん猫ガンビー・キャット
  *
親分猫グロウルタイガー 最後の戦い
あまのじゃく猫ラム・タム・タガー
おちゃめなジェリクル猫たちの歌
  *
泥棒コンビ猫マンゴジェリーとランペルティーザー
長老猫デュートロノミィー
ペキニーズ一家とポリクル一家の仁義なき戦い
  *
猫の魔術師ミストフェリーズ
猫の犯罪王マキャヴィティ
  *
劇場猫ガス
ダンディ猫バストファー・ジョーンズ
鉄道猫スキンプルシャンクス
  *
猫に話しかける法
門番猫モーガン氏の自己紹介

 訳者あとがき 猫になりたかったポッサムおじさんの猫交遊録


ミュージカル「キャッツ」の原作である、詩人T.S.エリオットのユーモラスな猫の本。

以前、エロール・ル・カインの手による絵本(「キャッツ―ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命 」)を読んだことがあるのだけれど、この絵本に収められていた三つのお話も、勿論この本に収められている。

実は、絵本で三つのお話(詩?)を読んだとき、ちょっと消化不良気味だったんだけど、こちらの文庫ではたんまりお話が載せられているので、そういったこともありません♪ でも、引き続き、エロール・ル・カインの絵本、「魔術師キャッツ―大魔術師ミストフェリーズ マンゴとランプルの悪ガキコンビ」は探そうっと。
また、キャッツはお話というか、ほとんど詩なので、言葉遊びの面も大きく、その辺の解説が丁寧に下に載せられているのも嬉しかったなぁ。「キャッツ」に登場する猫たちの名前には、T.S.エリオット自身の造語が多いのだって。

ミュージカル「キャッツ」でも印象深く、また「キャッツ―ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命 」にもあったJellicle Catsは、Jelly「柔らかくて、プリプリした」、-cleはラテン語のclueの異形で「小さな」ものを表す接尾辞から出来た言葉なのだそうな。

さらに、訳者あとがきによりますと、「ポッサムおじさんOld Possum」というのは、先輩のアメリカ詩人エズラ・パウンドがエリオットにつけた渾名なのだとか。「猫に話しかける法」を読むと、エリオットと猫との付き合い方が良く分かります。


 犬は犬、猫は猫であって、お調子者でいなか者の犬とは違う。
? だから、みなさんから猫にご挨拶を。
? でも、猫は、人様になれなれしくされるのが大嫌い、
 そのことを忘れてはいけません。
 猫たるもの、人間から敬意を表されるのは、
 当然至極なこと。
 「犬は犬、猫は猫」ということ。
 これこそが、猫に話しかけるコツ。
 
 (イタリック部分は、省略語、意訳して引用しています)

この本には様々な猫が出てくるけれど、エリオットの敬意あふれる猫との付き合い方が良く分かるでしょう? 「お調子者でいなか者」っていうのはあれだけど、確かに犬の方が猫よりも、人が好い感じがするよなぁ。でも、猫は気難し屋であるからこそ、親しく接することができれば、より喜びは増すのかな。

「夏への扉」/扉の外には…

 2007-07-08-21:32
夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))
(1979/05)
ロバート・A・ハインライン福島 正実

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図書館のリサイクルコーナーから拝借してまいりました。

自分の中で、このタイトルは古典的SFとしてインプットされていたので、へっぴり腰で読み始めたのだけれど、SF的出来事が描かれるとはいえ、そんな風に怖がる必要もなく(バリバリのハードSFは苦手なんです…)、楽しく読むことが出来ました。

 The Door into Summer.

実に印象深いこの「夏への扉」というタイトル。それは、主人公ダニイの猫、ペトロニウス(ピート)の性癖に由来している。

忌々しい冬が来ると、ピートはダニイに家中の扉をあけるように迫る。たくさんある扉の内、どれか一つは夏へと通じているはずなのだ。何度同じことを繰り返し、それが失望に終わったとしても、ピートは夏へと続く扉を探すことを止めなかった。

そして、この1970年12月の3日。ピートの飼い主であるダニイもまた、夏への扉を探していた…。自らが立ち上げた会社を乗っ取られ、発明は取り上げられ、旧友にも婚約者にも裏切られたダニイは、人生の冬を迎えていたのだ。自棄になったダニイは、冷凍睡眠(コールドスリープ)に入って、この現実をやり過ごそうと考えるのだが…。

技術一辺倒のダニイとは異なり、経営を任されていた旧友マイルズ、秘書兼オフィスマネージャーであった元婚約者のベルは、遙かに強かであった。とうとう、ダニイはベルによって、直前に取り止めようとしていた、30年にも及ぶ冷凍睡眠(コールドスリープ)へと押し込まれてしまうのであるが…。

窮地に陥りっぱなしだった、ダニイの反撃には胸がすく。

30歳になるダニイだけれど、何よりも発明を愛する技術者だからか、年齢から考えるよりは、ちょっと子供っぽいところもある。であるからか、ちょっと変形の青春物語にも読めちゃうんだよね(30歳の青春小説って、ちょっと薹が立ってるかもしれないけど)。

ダニイの夏への扉は、希望へと繋がっていた。手酷い裏切りにあったダニイだったけれど、人間を信じることを止めず、復讐に血道をあげることもなく、最初に読者の前に現れた時の腐った感じから、瑞々しく生き返ったよう。ま、最初は信じていた二人に手酷く裏切られたせいで、ちょっとおかしくなっていたのだけれどね。このなんだか瑞々しいところにも、やっぱり「青春」を感じるのだ。

相棒のピートも素敵! でも、ジンジャーエールを舐める猫なんて、ほんとにいるのかしらん。ジンジャーエールを飲む猫がいたら、それはどこかの扉を開けてやって来たピートなのかもしれないね。

2000年を迎えても、ダニイが発明したような機械は未だ現れてはいないけれど、そのネーミングも含めて、彼の発明した機械は魅力的。実際にあったら、私も欲しいよう。笑 にしても、彼の機械の重要なパーツの一つである、"トーゼン記憶(メモリー)チューブ”って、原語ではどうなっているのでしょうか…。やはり、これって、日本製品なのか?(この頃のメイド・イン・ジャパンは、どういうイメージだったんだろう。安かろう悪かろうからは、脱却してる?)

古い作品で、今では”未来”として描かれた時代さえ追い越してしまったけれど、全く古さを感じさせることなく、今でもキラキラと輝いているような物語。楽しかった!

「ダヤンと時の魔法」/ダヤン、過去へと旅をする

 2007-07-05-22:28
池田 あきこ
ダヤンと時の魔法―Dayan in Wachifield〈3〉

わちふぃーるどは、四季の美しさに溢れた世界。そう、それはこんな歌にも良くあらわれている。

 ふゆは タシルのふゆは 炉辺で ぬっくぬく
 はるは タシルのはるは お日様 ぴっかぴか
 なつは タシルのなつは 草木が ざっわざわ
 あきは タシルのあきは 夕焼け ぎっらぎら
 タシル わがタシル 愛しのタシルの街よ 永遠に(とわに)

この巻では、そんなうるわしいタシルの街の平和が脅かされる。前巻でダヤンたちを脅かしたのは、死の森の魔王だったけれど、わちふぃーるどには、実はもっと恐ろしい存在があったのだ。それは、わちふぃーるどの雪の神。魔王、死の森を出ることあたわず、との約束を破り、魔王がジタンの秘密を求めて北へと向かったことから、雪の神の怒りが天を衝く。

ダヤンはジタンとともに、わちふぃーるどを救うため、過去への旅に出る…。

この過去への旅は、本来の歴史の流れの中で、もともと定められていたものだったのだけれど、雪の神の怒りのために、この旅の様相は変わってしまい、困難なものとなってしまう。それでも、ダヤンとジタンは、タシルのみんなや、出会った動物たちに助けられながら、旅を続けるのだ。

しかし、タイムトラベルものは、読んでると何か頭がこんがらがるのです…。こんな私の頭では、SFが苦手なのもむべなるかな??

結局、この第三巻ではタイムトラベルの顛末は語られることなく、それは次の巻に続くよう。そして、この本の中で気になるのは、ジタンとセの行く末! 呪文のパンのないセに、静かに意識を手放したジタン。ああ、彼らはどうなってしまうのだ?

目次
第一部 雪の神
第二部 時の旅


臙脂色の文字の部分は、本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

☆関連過去記事☆
ダヤン、わちふぃーるどへ 」、「ダヤンとジタン

「アビシニアン」/古川版ボーイミーツガール&ことばの力

 2007-05-30-23:58
アビシニアンアビシニアン
(2000/06)
古川 日出男

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出会うのは、三者三様の痛みを抱え、痛みを克服する術をそれぞれの手段、それぞれの手法で勝ち得た人々。

義務教育終了後、全ての過去を棄て去った少女は、都心には珍しい巨きな緑地をかかえた公園に還る。
そこにはかつて彼女の家の飼い猫だった、アビシニアンの雄猫がいるはずなのだ・・・。
アビシニアンと再会を果たした彼女は、猫の生態に学び、猫と共にバードサンクチュアリに築いたシェルターの中で、季節を過ごす。
去勢された飼い猫であったアビシニアンは野性味溢れる動物として生き、彼女もまた嗅覚を研ぎ澄まし、独自の体感を発達させる。

そうして、ある日、彼女は強烈なイメージを得る。それは焚書。野生の言葉、ほんとうのことばを識った彼女に、以降、書かれた文字は必要のないものとなる。


大学生の青年は、突然襲い来る偏頭痛の発作に苦しんでいた。それは圧倒的なイメージの奔流であり、言葉にして表す事、他人に対して説明する事が出来ないもの。
発作が何なのか全く分からなかった彼に、ある日開いた雑誌の偏頭痛の特集は啓示となる。それはことばの可能性。
正体不明のものを理解可能なものとするために、青年はシナリオ書きに熱中し、多様な声を聴く事を始める。


青年と彼女はダイニングバー「猫舌」で出会う。彼女に物語る事で、青年のシナリオは加速する。それは顔のない少年と声の物語。顔のない少年は、「顔がない」ゆえに世間から、また両親からすらも識別されず、彼と共にいるのは彼が生れた時から聞こえる声のみだった。物語が進む中、その声からも断ち切られた少年は、最後ににおいを知る少女に見出される。顔がなくとも、においを識る彼女に、少年の識別は可能だ。


ダイニングバーの経営者であるマユコから、彼女に与えられたのは「エンマ」という名前。「エンマ」から青年に与えられたのは「シバ」という名前。

言葉とは、文字に書かれたものだけではない。体で知る言葉、においで知る言葉・・・。真実の言葉とは、体感を伴うものなのか?

マユコのエピソードはちと余計かなぁと思いつつも、古川さんの独特のイメージの奔流をどっぷり楽しめた。物語の力を信じている作家さんの物語は楽しい。
目次

Ⅰ 二〇〇一年、文盲
Ⅱ 無文字
Ⅲ 猫は八つの河を渡る

「猫好きに捧げるショート・ストーリーズ」

 2007-05-26-18:22


ロアルド ダール, ロズ チャスト, パメラ ペインター, フィリップ ロペイト, アリス アダムズ, M.J. ローゼン, Michael J. Rosen, 岩元 巌, 斎藤 英治, 大社 淑子

猫好きに捧げるショート・ストーリーズ


猫に関連する短編を集めたものだそうだけれど、「猫」という動物の特性のためか、実際は猫がメインになっているものは少なくて、都会生活の大人の倦怠の小道具として使われていたり、ちょっとその扱いは自分が期待していたようなものではなく、微妙。

というわけで、関心のある所だけ、拾い読み。全部は読んでおりません。

目次
巻頭口絵 フォトグラフ/トニー・メンドサ
賢いわたし パメラ・ペインター/岩元 巌訳
猫を飼う フィリップ・ロペイト/岩本 巌訳
二匹の猫と ロブリー・ウィルソン・ジュニア/鈴木和子訳
危機 モリー・ジャイルズ/亀井よし子訳
猫が消えた アリス・アダムズ/岸本佐知子訳
土地っ子と流れ者 ボビー・アン・メイソン/亀井よし子訳
シカゴとフィガロ スーザン・フロムバーグ・シェイファー/大社淑子訳
お気をつけて カティンカ・ラサー/亀井よし子訳
絵の中の猫 ライト・モリス/武藤脩二訳
つれあい アーテューロ・ヴィヴァーンテ/亀井よし子訳
漫画組曲 ロズ・チャスト/亀井よし子訳
屍灰に帰したナッシュヴィル エイミー・ヘンペル/岩元 巌訳
暴君エドワード ロアルド・ダール/岩元巌訳
屋根裏部屋の猫 ヴァレリー・マーティン/斎藤英治訳
テッド・ローパーを骨抜きにする ペネロピ・ライヴリー/鈴木和子訳
愛情 コーネリア・ニクソン/大社淑子訳
フェリス・カトゥス ジーナ・ベリオールト/岩本 巌訳
老女と猫 ドリス・レッシング/大社淑子訳
ラルフ ウェンディ・レッサー/斉藤英治訳
ふれあいは生き物の健康にいい メリル・ジョーン・ガーバー/斉藤英治訳
こっちを向いて、ビアンカ モーヴ・ブレナン/岸本佐知子訳

 解説 岩元 巌


シカゴとフィガロ」あたりまで、あとはロアルド・ダールと岸本佐知子さんが訳しておられる「こっちを向いて、ビアンカ」を読んだのだけれど、やっぱり圧巻はロアルド・ダールによるものかな。

あとは、巻頭の写真(惜しむらくは白黒なのだけれど、猫の色々な表情が見られて実にいい! おっかないのもあるけど・・・)と、「漫画組曲」が面白かった。「漫画組曲」は、猫族四種1.ペットになりうる家庭向けの猫族、2.完全な妄想症の猫族、3.外国産「大枚申し受けます」猫族、4.摩訶不思議な猫族)と猫にささげる難問奇問世界一運の悪い猫猫のためのジャンクフードにせ猫三態を図解しています。こういうユーモア、好き~。

さて、ロアルド・ダールによる「暴君エドワード」。

エドワードとは、妻のルイザと暮らす中年の男性。二人の前に現れたのは、冷ややかな黄色い目と、銀色の毛を持つ大きな猫。ピアノ演奏を趣味とするルイザのピアノの音に、その猫は異様とも思える反応を示す。ルイザはその猫を、フランツ・リストの生まれ変わりだと信じるのであるが・・・。
30頁ちょっとと小品だけれど、なかなか締まった構成だと思います。良き夫であり、これまでは妻のルイザと上手くやって来た事が示唆されるエドワードだけれど、うん、暴君といえば暴君なわけだ。

「キャッツ-ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命」/キャッツ!

 2007-05-24-22:23
T.S. エリオット, 田村 隆一, エロール ル・カイン
キャッツ―ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命

T.S.エリオットといっても、私にとってはエリック・シーガルによるアメリカの青春群像劇、『クラス』に出てきたなー(フィクションなので実際には関係ないのだけれど、主人公が名門エリオット家の末裔という設定で、いとこのトムがノーベル文学賞を受賞したという記述がある)、というくらいなんだけれど、著名な詩人なわけですよね。

そんなT.S.エリオットは児童向けの誌もかいており、彼の死後、これが大ヒットミュージカル『キャッツ』の原作になったのだとか。私は今回、この原作本を借りてきたつもりだったのだけれど、それはまた別の本で、『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法("Old Possum's Book of Practical Cats")』というらしい。うーん、これはこれで、また借りてこなくては。きっと、基本設定はこちらに書いてあるのでしょう。

今回、私が借りてきたのは、エロール・ル・カインによるユーモラスな絵も美しい、『ボス猫・グロウルタイガー絶対絶命』。訳者も詩人、田村隆一氏!

目次
ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命
ピークとポリクルの大げんか
ジェリクルの歌


■「ボス猫・グロウルタイガー絶体絶命」
「テムズ川のテロリスト」を名乗る、あばれん坊のグロウルタイガーがテムズ川にやってきた。
テロリストの噂を聞いたみんなは戦々恐々。
でも、グラマー美人に魂を奪われたグロウルタイガーの船に、シャムネコの大群がひたひたと忍び寄る・・・。表紙の真中の絵が、グロウルタイガーとシャムネコ。

片目の黒猫、グロウルタイガーがかっこいい。グラマー美人の色香もまた良し。

■「ピークとポリクルの大げんか」
犬同士の喧嘩に、グレート・ランパス・キャットが割って入った!
火の玉の目と大あくび。迫力のランパス・キャットに犬たちの喧嘩もおしまい。

ピークとポリクルも、表紙の左下と右下に鎮座してます。


■「ジェリクルの歌」

これ、ミュージカル『キャッツ』の歌になかったっけ?

のほほんとしたジェリクル・キャットの表情と(でも、みんな少しずつ違うんだけどね)、言葉遊びのような詩が楽しい♪
ジェリクル・キャットがお出かけするこの月の夜、月からしてジェリクル・ムーンなのだから、月までもが猫の顔なんだー。

シルクハットにステッキ持った、表紙の左上と右上にいる猫がジェリクル・キャット。

猫、それぞれの設定については、最初にも書いたように『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法("Old Possum's Book of Practical Cats")』を読まなくては! そして、T.S.エリオットとエロール・ル・カインのタッグでいえば、魔術師キャッツ―大魔術師ミストフェリーズ マンゴとランプルの悪ガキコンビ 』もあるようですよ。こっちも探して読もうっと・・・。

エリック シーガル, Erich Segal, 田辺 亜木
クラス〈上〉
エリック シーガル, Erich Segal, 田辺 亜木
クラス〈下〉

☆関連過去記事☆
イメージの魔術師 エロール・ル・カイン

「ダヤンのカントリーダイアリー」/わちふぃーるどのいちねんかん

 2007-02-23-23:43
オンライン書店ビーケーワン:ダヤンのカントリーダイアリー

塩野 米松, 池田 あきこ

ダヤンのカントリーダイアリー 

ダヤンはわちふぃーるどでどんな風に暮らしているのだろう。
アルスに住む、ダヤンの元の飼主、リーマちゃんが読んだら、喜ぶだろうなぁ、と思うような本。

目次
1.銀の輝きの2日目 4月
2.晴れのち嵐”魔女の快晴” 5月
3.ぼくの誕生日 7月
4.キャンプへ行こう 8月
5.赤トンボが山から降りてきた日 9月
6.台風が去った次の日 10月
7.山が赤く染まって5日目 10月
8.収穫祭の前々日 10月
9.タシルの冬の市1日目 12月
10.村に初雪が降った日 12月
11.軒のつららがぼくの背をこした日 1月

自然豊かなわちふぃーるどへ迷い込んだダヤンが綴る、わちふぃーるどの一年間。わちふぃーるどの皆の力を借りて、ダヤンももうすっかりカントリーライフの達人かな。

載せられているのは、春の野草や山菜の食べ方、ジャムや果実酒の作り方、アウトドアでの料理や、秋の木の実や、キノコの見分け方、蔓で作る駕籠の編み方、リースの作り方、イグルー(氷の家)の作り方など、難易度、種類も様々な「あそび」。難易度や種類がばらばらなだけに、このうちの一つくらいはやってみようかなぁ、と思えてしまう。ま、実際、やるかどうかは別ですが・・・。

 ← 文庫も

「トリポカの謎」/石、土、水、火のトリポカ

 2007-01-23-22:50
 
池田 あきこ
トリポカの謎―ダヤンのアドベンチャー・コミック 
白泉社

ダヤンたちが暮らすわちふぃーるど、リーマちゃんたちが住むアルス。今では世界は二つに分かれてしまったけれど、かつてこれらの世界は一つだった。アビルトークと呼ばれたこの世界で、最も栄えていたのはわちふぃーるどの西方に位置するアルトス・セテ。

当時、アルトス王は、石・土・水・火を治める力のある四つのトリポカを持ち、その力で大地を治め、莫大な財宝を神殿の奥深くに蓄えていたのだという。ところが、神と巨人の大戦が始まり、アルトス王は、石・土・水・火の四つのトリポカを持つ者のみが、神殿の入り口を見つけられるように神殿の防御を固めたのだ。

大戦は長い間続き、アビルトークは、アルスと雪の神が守るわちふぃーるどとに時空共に別れ、神殿があったというアルトス・セテも幻の都になってしまった。その後、アルトス王の莫大な財産と、偉大な力を持つ四つのトリポカを探して、冒険と財宝を求める者達が挑戦を繰り返したけれど、未だ誰一人として神殿はおろか、遺跡に入る事が出来た者さえいないという噂。

さて、ダヤンの友だち、しっかり者のうさぎのマーシィ。彼女自身は母方の血を引いているけれど、実は彼女には伯母の「月のおばさん」と同じく、ルナティックな「月うさぎ一族」の血を引く父、オットーさんがいた。

ある日、マーシィの元に月のおばさんが、オットーさんの居所が分かったとの知らせを持ってやって来る。マーシィはおばさんと一緒に月に乗って、父を探して旅に出る。途中、「こいつも連れていこう」と三日月に引っ掛けられたダヤンと共に・・・。

オットーさんは、四つのトリポカを手に入れ、お宝を手にする旅に出ていたのだ! マーシィとダヤンはオットーさんを追いかけて、最後にはアルトス・セテの秘宝を見つける。ここがまたダヤンたちらしいのだけれど、仲良くなった神殿の守神、火のトリポカの番をしていた、ボーン(恐竜の骨!)と共に、地下深くの宝物殿に閉じ込められてしまった時の解決法がいいなー。

お宝を見つけても、ざっくざっくとは、なかなかいかないもんですなぁ。

大判の「アドベンチャー・コミック」であるこの本では、全頁にわたって美しいパステル画を楽しむことが出来る。時には、丸々一頁や見開き二頁を使った絵も。

先日、綺麗な三日月を見た私は、ダヤンが引っ掛けられたのも、こんな月だったよなぁ、と思いました。三日月は何だか乗り心地が良さそうですよ。月を思いのままに動かせるという、月のおばさん。孤独ではあるようだけれど、好きなときに下界にちょっかいもかけられるようだし、楽しそうだよなぁ。

コロムビアミュージックエンタテインメント
ダヤンの冒険物語「トリポカの謎」DVD-BOX  ← DVDまであるなんてー! 

「ダヤンとジタン」/ジタンの秘密

 2007-01-17-23:18
 
池田 あきこ
ダヤンとジタン

目次
第一部 リーマちゃんからの手紙
第二部 アルスの針樅林
第三部 魔王の城
第四部 バジリスク
第五部 ジタンの計画
第六部 魔方陣

わちふぃーるどで暮らすダヤンに、アルスからリーマちゃんの手紙がやって来る。アルスの文字が読めないダヤンは、ジタンに読んでもらおうとするけれど、ジタンは長旅にでてしまったようで・・・。

ジタンがふらりと長旅に出るのはいつものこと。わちふぃーるどの仲間たちは、ジタンは他のやつとは違うのだから、と彼の謎はそのままにしておこうと思い遣るのだけれど、ダヤンは違う。ダヤンはジタンを追って、枯れ木のウィザーロークと共に北に向かって旅に出る。タシルの北には、サーカス団マージョリーノエルや、火の山ガルボットがある。ダヤンとロークは、芸を練習しながら、旅をすることにする。もしかしたら、サーカス団に入れてくれるかもしれないじゃない?

ダヤンとロークは、いぼがえるのエルロイや、山椒魚、ロミオとジュリエットのような肉食竜のガイウスと草食竜のザイルの助けを借りて、サーカス団、マージョリーノエルのキャラバンへと辿り着く。ところが、ジタンは既にサーカス団を立ってしまった様で・・・。ジタンを追ったダヤンとロークは、なんと魔王の城に囚われてしまう! さぁ、彼らはどうなる?

さて、リーマちゃんからの手紙は、アルスにある針樅林をわちふぃーるどに移せないか、という相談だった。これは、リーマちゃんのひいひいおばあちゃんのベルさんからのジタンへの依頼でもあった。ふたつの世界で魔方陣を開き、シュービルさんがその魔方陣を結ぶ事で、針樅林の移動が可能になるのだという。

一方、ダヤンとロークはどうなったかというと、”隠れ蓑”の助けを借りて、何とか魔王の元を逃げだしていた。ところが、魔王の使い手、バジリスクが追って来る。これにはジタンの謎も関係しているようで・・・。 この二つの問題を一気に解決するジタンの計画とは一体どんなもの??

ジタンとベルさんとの関係、「死ねない」ジタンの謎。これらについては、更に続刊を読まないと分からないのかなぁ。アルスとわちふぃーるどの世界は全く異なるけれど、過去、これらの二つの世界は遠い昔は一つの星だったという。とりあえず、ダヤンはジタンにとって特別な猫ではあるみたい。

 ← 文庫も

「ダヤン、わちふぃーるどへ」/ダヤン、生まれる

 2007-01-09-21:40
 
池田 あきこ
ダヤン、わちふぃーるどへ 

これは、ふさふさで大きなお目目、猫のダヤンの誕生と、彼がわちふぃーるどへ行くまでの物語。

目次
第一部 猫のダヤン
第二部 タシルの仲間たち
第三部 ダヤン、はじめての冒険

リーマちゃんのところで、猫のトムを母さんに生まれた、三匹の子猫のうち、ダヤンだけがちょっと特別な猫だったのだ。なぜなら、風も雨も稲妻も、みんながダヤンが生まれるのを見届けたのだから!

さて、リーマちゃんのひいひいおばあちゃんのベルさんは、『もう一つの国』で魔法使いをしていたと親戚から噂される、一風変わったおばあさん。ベルさんはダヤンに向かって、「あんたと会うのは、もっとずっと前で、ずっと後」などと謎めいた言葉を掛けるのだが・・・。そう、『もう一つの国』、それがわちふぃーるど! ある雪の日、わちふぃーるどの動物達の踊りに心惹かれたダヤンは、ヨールカの雪の魔法の扉をくぐって、わちふぃーるどへと飛び出した。

わちふぃーるどには、リーマちゃんがいない。最初は心細かったダヤンだけれど、わにのイワンや、うさぎのマーシィ、なぜかダヤンを気に入る月のおばさん、ねずみのウィリーたち、つまりタシルの仲間たちと段々と仲よくなる。一方、アルス(わちふぃーるどではない国。人間の国のこと)では、ダヤンがいなくなったことを悲しむリーマちゃんに、ベルさんがダヤンと仲間たちの話を語ってあげるのだった。

さて、第三部のダヤンのはじめての冒険とは、ダヤンがアルスから持ち込んでしまった「ヒマナシ」を退治するお話。アルスから持ち込んだものは、アルス生まれが退治すると、わちふぃーるどでは昔から決まっている。ダヤンはイワンと共に、いたずら妖精ファニイにからかわれながら、影食いの森を抜け、ひまつぶしの木を探しに行く。そして、この冒険の顛末も、ベルさんからリーマちゃんにすっかり語られる。リーマちゃんは、ダヤンの謎めいた友だち、猫のジタンが気に入ったよう。

私は先に、「
わちふぃーるど 四季の絵ばなし 」を読んでしまっていたのだけれど、いや、その時の疑問がするすると解けましたよ。結局「四季の絵ばなし」を、もう一度読み返してしまいました。

 ← こちらは文庫

 ← おお、こんなのも! 1、2、3が纏まっているよう。
池田 あきこ
愛蔵版 ダヤンとわちふぃーるど物語   でも、その分、いいお値段。笑 
                         カラーページは魅力的なんだけど。

「百器徒然袋―風」/にゃんこーー!!

 2006-12-08-21:55
京極 夏彦
百器徒然袋 風

京極堂シリーズ外伝、探偵小説でありまするよ。でも、にゃんこー!な本なのです。

目次
五徳猫
雲外鏡
面霊気

さて、京極堂シリーズで探偵といえば、いわずと知れた彼、榎木津のこと! 薔薇十字探偵社などという、派手派手しくも人を食った名前が、あんなに似合うのも彼ならでは。前作の「雨」を読んでから、えらく時間が経ってしまったので、これは印象のみなんだけど、「五徳猫」「霊外鏡」あたりまでは、前作に比べ榎木津大活躍という感じではなく、自他共に認める凡人、図面引きの本島が訥々と語る感じだったのです。いや、違うな、良く読んだら榎木津は「殲滅」とか云ってふふんと笑ってるし、いつもの通り大暴れしてるんだけど、どうもこの本島の語り口が鬱々としてるんだな。

しかし、私はこの探偵小説には、榎木津大活躍!を求めているわけで、ずっと何か違う・・・、と思いながら読んでたんだけど、最後の「面霊気」において、やっぱりやってくれましたよ。そうだよね、榎木津だもんね、こうじゃなくっちゃ。本島の語り口を超えて、ドカーンと爆発しておりますよ。しかも、「にゃんこ」で。笑 自分の中で、何となくそれまで抑えられていただけに、最後のドカーン!に満足、満足でありました。

しかし、京極堂シリーズにおける凡人といえば、関口も他の濃いメンバーに比べると、どっちかというと凡人だと思ってたんだけど、あれはあれで「凡人」とは違うんだな、きっと。ぐるぐるの仕方が、この本島などと比べると非凡だもの。

こちらの語り手、本島は凡人、凡人と自分に言い聞かせ、また他の面子にも面と向かって凡人と言われているんだけど、「あの」探偵、榎木津と関わってしまったお陰で、色々と非凡な目に遭ってしまう。その災難がこの本のお語。お話によっては、榎木津を釣るイソメのように、釣り餌として拉致された挙句、すっとこどっこいな体験をしていたりもする。中禅寺が言うとおり、やっぱり「榎木津なんかと付き合うと大変な勢いで馬鹿になる」んですかね。馬鹿というか、非常識で現実離れした出来事が、物凄い勢いで起こるのだ。

でも、ラスト「面霊気」はいいよ。ガキ大将はたとえ我侭であっても、子分どもを従えて、好き勝手にやるだけが仕事じゃないんだよね。人を人とを思わぬ榎木津(というか、大抵の人間は彼にとっては只の「下僕」)だけど、こういうところがあるから、皆なんだかんだ云って、彼についていってしまうんだよなぁ、きっと。

「面霊気」は私のお気に入りのキャラ、益田が酷い目にあってるのも面白かった~。益田ってあの性格だから、いじられてこそ生きる気も。なんてったって、自ら認める卑怯だし。追い詰められて、前髪を揺らす益田氏、好きです。笑 カマオロカですらなく、ナキヤマ呼ばわりされてるけど。そして、「邪魅の雫 」の乗馬鞭が出てきましたねー! 全く、あんなもん買うからさ・・・・。笑?

「メイン・ディッシュ」/二人の「ねこ」の物語

 2006-07-30-21:12
 
北森 鴻
メイン・ディッシュ

小劇団「紅神楽」を率いる、姉御こと略して「ねこ」。彼女の元には、雪の日に拾ってきた捨て猫のような男がいる。彼女が拾ったのは、これまた略して「ミケ」こと三津池修。年齢も職業も過去も、互いに敢えて聞くことも、話す事もない彼。日ごろ何をしているのか分からないけれど、きちんと家賃を半分納めてくれ、なおかつ料理の腕はプロ級とくれば、文句はない。二人はいい関係を築いているのだ。

目次
アペリティフ
ストレンジ テイスト
アリバイ レシピ
キッチン マジック
バッド テイスト トレイン
マイ オールド ビターズ
バレンタイン チャーハン
ボトル“ダミー”
サプライジング エッグ
メイン ディッシュ

劇団員達が持ち込むちょっとした謎を「ミケ」が解いてくれる、そんな日常の謎系ミステリーかと思いきや、実はもっと凝った仕掛けが施されているのであった・・・。

間に挟まる「アリバイ レシピ」「バッド テイスト トレイン」は作中作とでもいいましょうか、作中のある人物が作った、仕掛けの物語。わけが分からなくても読んでおけば、後できっちり繋がりますです。

さて、このまま半永久的に続くかと思われた、「ねこ」と「ミケ」の暮らしだけれど、ある日ふらりと「ミケ」が出て行ったことでこの生活は終わってしまう。「ねこ」は結局は「ミケ」のことを何も知らなかったわけで、彼自らの意思で出て行かれては、探す伝手すら残されてはいなかったのだ。また、「ねこ」が主宰する劇団にも転機が訪れる。毎週末のように行われたホームパーティーで、「ミケ」の料理を堪能した仲間達もバラバラになってしまう・・・。

「ミケ」とは誰だったのか?
そして、「ミケ」はねこの元に返ってくるのか?

うーん、人にとって、人生のメイン・ディッシュとは誰で、またそれは誰と食べるものなんだろうね。

ちょっと
「支那そば館の謎 」 のムンちゃんを髣髴とさせる、見当外れの推理ばかりしている、座付き作者の小杉隆一のキャラがいいです。?

「ミケ」が作る料理が、これまたすっごい美味しそうなんだ!
大きな謎解きとしては、実はちょっとうーんだったりもするんだけど、ミケの料理に免じて許せてしまう。
人間の男を拾うという点で、ちょっと「きみペ」との関連も思ったんですが、いや、「ミケ」はモモより全然、実際的な面で役に立っています。笑

← こちらは文庫

「きみたち、飼主というやつは、まったく」/猫vs飼主、カンカンカン!

 2006-07-03-21:54

スティーブン ベイカー, Stephen Baker, 古屋 美登里, ロジャー ロス
きみたち、飼主というやつは、まったく―ネコたちのユーウツ
アスペクト

ひっじょーに残念な事に、amazonでもbk1でも表紙画像が出ない。
ふてぶてしい顔付きの猫のふきだしに、きみたち、飼主というやつは、まったく」というタイトルが入っている、そんな表紙。英語のタイトルは、猫足スタンプの中に書かれていて、「How to Live With A NEUROTIC CAT OWNER」というらしい。

目次
はじめに
Part.1 ぼくたち、ネコというもの
相性診断
1章 ネコはいかにしてネコとなったのか
2章 ネコの見分け方
3章 ネコが走るのは
4章 きみたちにネコを飼う資格はあるか
Part.2 きみたち、飼主というもの
5章 抱きたがりや
6章 独り暮らし
7章 専門家
8章 動物好き
9章 イヌ好き
10章 赤ん坊
11章 ネコ・コレクター
12章 親ばか
13章 マンション暮らし
14章 ネズミ好き
15章 過保護のママ
16章 遊び好き
17章 勤め人
18章 おしゃべり
19章 さて、それで一番偉いのは
あとがき

絵も綺麗だし、楽しく直ぐに読めてしまう本。

14章の「ネズミ好き」というのは、猫はネズミを捕るものだ、と考えている飼主の事。そうはいっても、今の時代にはねえ。

ネコには逃げまどう生き物を捕まえるよりもするべきことがもっとたくさんある。どうせ忍び足で近づいていくのならば、好物のもののほうがいい。 わけである。

5章から18章の飼主のタイプ別のページには、それぞれ「~の飼主とのつきあい方」や「対応の仕方」「見分け方」「~の飼主がよく口にする言葉」が載せられている。ええ、愛するネコの飼主への対応は、結構ヒドいです。でも、だからこそたまらないのが、ネコという生き物なんでしょうね。

さて、「それで一番偉いのは?」。18章まで読めば、19章の応えは自ずと・・・ねえ?

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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