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2008年読書的覚書

 2008-12-28-22:59
今年も残すところ後わずか。
読みかけの本、感想を書いていない本もありますが、ここらでまた一年の総括をば。

2005年にブログを始めたので、こういうことを書くのも早4回目。毎度書いてる気がするんですが、まとめておくと何よりも自分の役に立つんですよねーー。

今年は翻訳物を割と読んだ年だったかと。翻訳者さんのエッセイなんかも読んでいたし、懐かしのアンの村岡花子さんの生涯を追った「アンのゆりかご」も良かったです。

■ジャネット・ウィンターソン、岸本佐知子「灯台守の話」/物語るということ
■「変愛小説集」/岸本佐知子さん、編
■「死んでいるかしら」/柴田元幸さんエッセイ集
■「生半可な学者」/柴田元幸さんエッセイ集
■「アンのゆりかご―村岡花子の生涯―」/腹心の友

その他、海外の迫力の女性作家たち。
■「喪失の響き」/喪失が織り成す様々な響き
■「その名にちなんで」/受け継がれたもの
■「見知らぬ場所」/ジュンパ・ラヒリ、三作目
■「アメリカにいる、きみ」/ナイジェリアという国を知っていますか

ちょっと前のベストセラーですが、著者自身のバックグラウンドがまたぐっと来ちゃうジェットコースターノベル。
■「数学的にありえない」/起こりそうもない?それが何だ!

どったばったで、はちゃめちゃな物語なんだけど、なんだか家族っていいなーと思わされるマロセーヌシリーズも楽しかった!
■「人喰い鬼のお愉しみ」/マロセーヌ・シリーズ1
■「散文売りの少女」/マロセーヌシリーズ3
■「ムッシュ・マロセーヌ」/マロセーヌ・シリーズ4

ブッツァーティの「タタール人の砂漠」も余韻が残りました。
■「タタール人の砂漠」/人生というもの

あとは、2007年に引き続き、前半は有名どころのSFを読んでました。
■「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」/彼らと我とを隔てるものは
■「ターミナル・エクスペリメント」/魂波(ソウルウェーブ)の到来
■「星を継ぐもの」/人類が受け継いだもの
■「ガニメデの優しい巨人」/人類はどこから来たのか?
■「九百人のお祖母さん」/愛すべきほら話

飛さんの<廃園の天使>シリーズも良かったなぁ。続きが待ち遠しいです。
■「グラン・ヴァカンス 廃園の天使1」/永き、休暇
■「ラギッド・ガール 廃園の天使2」/「グラン・ヴァカンス」前日譚など

日本人の作家さんでいえば、角田さんの確かさにはほとんど信仰に近い思いを持ったし、舞城さんもやっぱり好きだなぁ、と思いました。逆に好きー!と思っていた古川さんは、「聖家族」を挫折してしまいました・・・。あの歴史についていけなかったよ。桜庭一樹さんは、結局作品はほとんど読んでないんだけど、その読書日記の目の確かさにはお世話になりました。桜庭さんのweb連載で知った、山口瞳さんの「血族」も迫力でしたし、シャーリイ・ジャクスンの「ずっとお城で暮らしてる」もぞくぞくしちゃいました。あとは有川さんの胸キュンのラブストーリーにやられました。いいですよねえ、ラブラブ♪

■「八日目の蝉」/暗い場所から出た先には
■「ディスコ探偵水曜日・上」/舞城王太郎、総決算?
■「ディスコ探偵水曜日・下」/舞城王太郎、総決算?
■「血族」/ファミリー・サーガ
■「ずっとお城で暮らしてる」/悪意の企み
■「阪急電車」/らぶ・関西

その他、ルワンダの大虐殺を追った「ジェノサイドの丘」はずしんと来たし、四代にわたって語られる「時のかさなり」も良かったです。
■「ジェノサイドの丘・上」/民族という悪夢
■「ジェノサイドの丘・下」/終わらない悪夢とほんの少しの希望
■「時のかさなり」/四人のこども

今年は途中から読書のペースががくんと落ちちゃったんですが、それでもそれなりに良い本とは出会えているみたい。中にはどなたかのブログで知ったものもあるし、直接お勧めして頂いたものもあります。やっぱり一人で読んでいるのとは違う、ブログの醍醐味ですよね。みなさま、今年もお世話になりました。来年もまた良い出会いがありますように。
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2007年読書的覚書

 2007-12-31-17:26

さて、2007年もあと少し。
2005年にブログを始めたので、こういったことを書くのも既に三回目。その一年を纏めておくと、後で読んだとき自分も楽しいんですよねー。というわけで、2007年の読書についても纏めておこうと思います。

今年の読書傾向としては、じわりじわりと翻訳本の世界に近づいて行ったなぁ、という感じ。まだまだその国や歴史についての知識が少ないので、歴史的な事実などの補完が今後の課題です。
(史実的なものを読むか、もしくは他の物語で重ねていくか)

ドイツ:
マークース・ズーサック「本泥棒」/
世界は美しくも醜いシチュー
シルヴィー ジェルマン「マグヌス」/
記憶、断片、人生

スペイン:
カルロス・ルイス サフォン「風の影」/
スペインのロマン小説

アメリカとメキシコの国境:
コーマック マッカーシー「すべての美しい馬」/
青年は旅をする、自らの居場所を求めて
コーマック マッカーシー「平原の町」/
その魂の行方

タイ:
ラッタウット・ラープチャルーンサップ「観光」/
観光地、タイ。その空の下の人生の断片

リビア:
ヒシャーム・マタール「リビアの小さな赤い実」/
リビアの少年、少女

中国:
イーユン・リー「千年の祈り」/
珠玉の短編集
ダイ シージエ, 新島 進「フロイトの弟子と旅する長椅子」
/
フロイトの弟子にして、ドン・キホーテ、莫(モー)がゆく
ダイ・シージエ「バルザックと小さな中国のお針子」/
一九七一年、中国の青春

ペルシア(もしくはアイルランド?):
マーシャ メヘラーン「柘榴のスープ」/
生の営み、料理というもの、魔法のスープ

インド:
ジュンパ ラヒリ「停電の夜に」/
世界とわたし

ウクライナ:
アンドレイ・クルコフ「ペンギンの憂鬱」/
孤独と孤独が寄り添って・・・


また、ここまで挙げた本もすべてフィクションだったけれど、更に架空の歴史をきっちり作り上げた、次のような本も楽しかったです。

・小山 歩「戒」/
戒よ、どこまでも舞え
・酒見 賢一「後宮小説」/
少女、銀河がゆく

酒見賢一さんは、「墨攻」「語り手の事情」を積んでいるので、来年はこちらもさっさと読んでしまおうかと。小山さんは、ファンタジーノベル大賞優秀賞の「戒」しか出てないのが惜しいですねえ。まだまだ書いて欲しいなぁ。

人間の心に分け入るという面では、次の二冊も面白かったです。二冊とも、ノンフィクションのように思えてしまうくらいの迫力のフィクションなんだけど、「ミドルセックス」は両性具有、「くらやみの速さはどれくらい」は自閉症を扱っています。

・ジェフリー・ユージェニデス「ミドルセックス」/
少女カリオペの数奇な運命
・エリザベス ムーン「くらやみの速さはどれくらい」/
光と闇とその速さと

児童書では、鎌倉の河童を描いた以下二作品。続きも出て欲しいなぁ。

・朽木 祥「かはたれ―散在ガ池の河童猫」/
かはたれ時に見えしもの
・朽木 祥「たそかれ」/
誰そ彼時に出会いしもの

後は、怖がってたSF作品である「夏への扉」 も面白かったし、女性SF作家 キャロル・エムシュウィラー(85歳を越える現在も精力的に執筆活動を続けているのだとか!)の「すべての終わりの始まり」 も面白かったです。
P.G.ウッドハウスの
「ブランディングズ城の夏の稲妻」 のようなコージー・ミステリ的なのも、引き続いて合間合間に読んでいきたいし、エッセイでは、岸本佐知子さんの「ねにもつタイプ」 、吉野朔美さんの「お父さんは時代小説が大好き」  「お母さんは「赤毛のアン」が大好き」 が面白かった! 岸本さんの翻訳本や、ポール・オースターも読み進めていきたいです。


来年もまた、興味の赴くままに読んでいこうと思います。 
2007年、お付き合い下さりありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いいたします。

【過去まとめ記事】
2006年読書的覚書
「2005年 読んだ本ベスト10」バトン
「2005年 読んだ本ベスト10」選外

2006年読書的覚書

 2006-12-27-09:38
今年は暖かい期間が長かったせいで、どうも年末気分が盛り上がりませんが(銀杏の葉だって、まだまだ黄金色に輝いてるし)、時は既に年末ということで、2006年のワタクシ的読書を纏めておこうかと思います。全て該当記事にリンクしてます。

2006年に初めて出会った作家さんとしては、ダントツで古川日出男
エッジの効いた文章が、ガシガシと色鮮やかな世界を描き出します。
でもって、ええ、こんなんまで買っちゃいましたよー(ユリイカなんて初めて買った・・・)。

?

・「アラビアの夜の種族 」?
・「サウンドトラック 」?
・「13
(・短編集「ルート350 」:これはちょっと汲み取れたとは言えず・・・)

後は、舞城王太郎。奈津川ファミリー・サーガ続編の「暗闇の中で子供」。
購入はしたけど、まだ読めてません・・・。来年こそ読むぞ!

・「煙か土か食い物 」?


今年は時代物も結構読んでまして、米村圭伍や、諸田玲子さんなど、安心して読めるシリーズに出会う事が出来ました。あ、あと変形としては、西條奈加さんの「金春屋ゴメスシリーズ 」なんかも楽しかった。

・「風流冷飯伝 」米村圭伍
・「退屈姫君伝 」米村圭伍
・「お鳥見女房 」諸田玲子
・「蛍の行方―お鳥見女房
 シリーズではないけれど、諸田さんの「犬吉 」、「髭麻呂 」(時代は平安)なども。

これらの時代物を更に楽しむためというだけではないんだけど、杉浦日向子さんの江戸物も楽しかったなぁ。身体は現代日本に置いていたのかも知れないけれど、心はするりと江戸に飛んでいたような、杉浦さんと共に時空を旅する感じ。

世界の歴史物まで広げれば、佐藤賢一さんもゆるゆると読み続けてるんですが、今年出会ったものとしては、森福都さんの中国物。

・「吃逆

さて更に、一度出会ってはいたものの、今年、再会を果たし惚れ込んだ作家さんとしては、カズオ・イシグロ川上弘美京極夏彦京極さんはずっと好きは好きだったんだけど、今年、巷説百物語シリーズを全部読んだ事や、京極堂シリーズの新刊が出た事で、再度京極熱が盛り上がってまいりました。

カズオ・イシグロは長らく「日の名残り」を読んだきりだったんだけど、「わたしを離さないで」がすっごく良くてですねー。これ、私の2006年ベストワンです。まだ纏めてないんですが、「日の名残り」も読み直したら、滅び行く美しさの中に、郷愁や悔恨、希望が丹念に織り込まれた美しい小説でした。

・「わたしを離さないで
・「わたしたちが孤児だったころ

川上弘美さんは、芥川賞受賞作、「蛇を踏む」が読んだ当時はわけが分からなかったし、芥川賞はどうも自分には合わないという先入観もあったので、これまた長らくそのまんまだったんです。「蛇を踏む」もその内、リベンジしたいと思っています。今だったら読めるかも?

・「神様
・「センセイの鞄
・「古道具中野商店
・「ニシノユキヒコの恋と冒険

京極夏彦さんの「巷説百物語」は好きだったんだけど、続と後と三作全部を読まないと全てが立ち上がってこないという、凝った作りの大きな物語だったんですね、これ。全部読んで、唸りました、うん。

・「続巷説百物語
・「後巷説百物語
・「邪魅の雫 」(京極堂シリーズ最新刊)

更に、今年は「魔法の本棚シリーズ 」なんていう、魅惑の短編集も読んじゃいまして、この辺も色々読んでいけたらなぁ、と思います。「英国短篇小説の愉しみ」シリーズも買っちゃったしね。



来年は買い込んだものの、積読になってるやつらをやっつける事も課題です。古本屋で買い込んだ米原万里さんとか、ストリートキッズの最新刊であり最終巻である「砂漠で溺れるわけにはいかない」とか、その他個人的に借り込んでいるものとか。図書館に行っちゃうと、ついつい限界まで借りちゃうんですよね。二週間で10冊。やはりそれなりにアップアップです・・・。

来年もまた良い物語に出会えますように!

「2005年 読んだ本ベスト10」選外

 2006-01-06-09:14

ブログを始めてから月日が経ち、月ごとに作成している「月別目次」も一ページでは収まりきらなくなってきました。ベスト10には入れなかったけれど、印象に残った本について、ここで少し書き留めておきたいと思います。
(本のタイトルに、過去記事をリンクさせています)

■大江 健三郎 「あいまいな日本の私」
 1994年ノーベル文学賞受賞記念講演ほか、全九編の講演がまとめられたもの。
 読まなければならないと思いつつも、いつも挫折していた大江健三郎さん。講演をおこしたこの本は、思いのほか読み易い。氏の言動には、色々批判もあることを耳にするけれど、その言葉はしごく真っ当で、謙虚な方なのだなぁ、という印象を受けた。今年は小説にも再度チャレンジしてみたい。

■デヴィッド・マドセン 「グノーシスの薔薇」
 時は十五世紀末から十六世紀初頭のルネサンス爛熟期。教皇レオ十世(ジョヴァンニ・デ・メディチ)に仕える小人、ジュゼッペ・アマドネッリ(ペッペ)の手記という形で進む物語。
 本の帯には、『「薔薇の名前」の荘厳さに「ダ・ヴィンチ・コード」の面白さが出会った!!』とある。どちらも私は読んでいないけれど、聖と俗が混沌としたこの物語、穢れも極まれば聖となるのか、と思った。

■ケリー・ジェームズ 「哀しいアフリカ 国際女探偵、呪術の大陸を行く」
 とびきりの冒険と、人間的な体験に関するとびきりの洞察が実現できたという、アフリカの地における、国際的私立探偵であるケリー・ジェームズ氏の冒険譚。
 どれも読み応えのある、とても本当にあったこととは思えない、三つの話が収められている(実際はどれも本当にあったこと)。骨太のタフな物語で、ケリーは小説の中の女性探偵よりも、更にタフな肉体と精神の持ち主だと思う。

■山本一力 「深川駕籠」
 短編が重なっていくスタイル。主人公となるのは、元臥煙の新太郎、元力士の尚平の駕篭舁きコンビ。彼らが江戸の町を走り抜ける!スピード感溢れる、まさに大江戸アクション!といった趣きの一冊。
 人情べったりでも、懐古調べったりでもない話は、江戸時代モノとして新鮮だった。続編の「お神酒徳利」も出版されている(が、ハードだしまだ手が出ない)。

■ローズマリ サトクリフ 「ケルトの白馬」
 イギリス、バークシャーの緑なす丘陵地帯には、地肌の白い土を露出させて描いた、古代ケルト人の手による巨大な白馬の地上絵がある。なぜ、どのようにして、この「アフィントンの白馬」が描かれたのか。これは、そのあったかもしれない一つの物語。
 大人向けの本もあるそうだけれど、サトクリフは児童文学者として有名なのかな。子供の頃になぜか出会わず、これが初読み。彼女の本の中では、他のものと比べ、この本はあまりメジャーではないようだけれど、静かで力強く美しい物語に、非常に好感を持った。

■パトリシア・ライトソン, 猪熊 葉子 「星に叫ぶ岩ナルガン」
 オーストラリアのアボリジニの間に伝わる伝説をもとにした物語。両親をなくした少年サイモンは、年老いた遠縁の親戚兄妹が住む、ウォンガディラに引き取られる。そこで、彼が出会った太古からの生き物たちとの交流と、歓迎されざる闖入者「叫ぶ岩ナルガン」との戦いが描かれる。
 見知らぬ土地にやって来た少年の物語は、なぜ心を擽るのか。カポーティの「遠い声遠い部屋」の雰囲気を思い出す。

その他、さくまゆみこイギリス7つのファンタジーをめぐる旅 」、南條竹則「ドリトル先生の英国 」、南川三治郎カルチャー紀行 ヘルマン・ヘッセを旅する 」、アガサ クリスティーさあ、あなたの暮らしぶりを話して―クリスティーのオリエント発掘旅行記 」 なども、懐かしい本、作家の背景を知るという意味で、面白かった本だった。

まだ全くの未読なのだけれど、今年は是非読んでみたいなぁ、と思っている作家さんは、古川日出男花村萬月島田荘司米原万里ジャック・ケッチャムなど。これらは全て、他の方のブログで興味が湧いたもの。つい好きで見知った本にばかりいってしまうのだけれど、さあ、今年はどれだけ読めるかなぁ。

読みたい本が沢山あって困ってしまうのも、雑誌や新聞の書評程度しか、指針がなかった頃から比べると、嬉しい悩みだなぁと思います。

「2005年 読んだ本ベスト10」バトン

 2006-01-05-12:40

バトン嫌いを公言されておられる(笑)、「辻斬り書評 」のtujigiriさん発のバトン です。2005年を振り返る意味でも、こういうバトンは面白いですよね。 ここまでの繋がりは、こんな感じみたいです(今回のバトンは二本に分裂)。

◆tujigiriさん
→「手当たり次第の本棚 」のとらさん→「物語三昧 」のペトロニウスさん                             
                        →私      
→「乱れ撃ち涜書ノート 」 のmidareutiさん→「本と本屋と図書館に魅せられて
                              のtakam16さん
--------------------------------------------------
さて、設問に入ります。

【Q1】 2005年に読了した本の中で印象に残ったものを教えてください。
   本の刊行年度は問いません。
【Q2】 これらの作品について簡単に解説してください。
(設問については、とらさんの所で若干変化したものを使用しています)

2005年に読了した、ということで、古い本も含んでおりますが、ご了承下さいませ。またベスト10といっても、順位付けが苦手なので、良かったと思う10冊という程度になります。順位による差はそれほどありません。
(本のタイトルに、過去記事をリンクしています)

第1位 姫野カオルコ 『ツ、イ、ラ、ク』
 少々気恥ずかしくもあるけれど、初めてすごい恋愛小説を読んだ!、という気がしたので、これを1位に。内容は有体に言えば、女子中学生と教師の恋物語。
 ドスンと落ちるような衝撃で、読後、現実復帰に時間が掛かった。狂おしい程の恋にすっかり当てられた。

第2位 佐藤賢一 『カルチェ・ラタン』
 時は16世紀。パリのカルチェ・ラタンは、学問の都であると共に、宗教改革の嵐が吹き荒れた、この時代の神学の砦でもあった。この物語は、ある一人の男性の成長を描いたものでもあるし、カトリックとプロテスタントが対立する、この時代の学僧たちの青春群像でもある。
 エンターテインメント性では、同作者の『王妃の離婚』 の方が勝っていると思うのだけれど、後半部からの学僧ミシェルの研ぎ澄まされていく様が圧巻だった。

第3位 いしいしんじ 『プラネタリウムのふたご』
 ある村のプラネタリウムで拾われたふたご、テンペルとタットルの物語。一人は郵便配達夫兼プラネタリウムの投影係として村に残り、もう一人は手品師として外の世界で生きていく。
 最初は物語に入りにくかったのだけれど、読後じんわりいい物語だと感じた。童話のような味わい。

第4位 夢枕獏 『シナン』
 オスマントルコ時代の建築家の話。彼の名はシナン。彼はそれまでのトルコ建築、あるいはイスラム建築の歴史を一変させた人物であった。その百年の生涯をかけ、石をもって神を捕らえようと試み、トルコの悲願である、聖ソフィアよりも巨きなモスク、セリミエ・ジャーミーを完成させた。
 この時代の風俗が生き生きと描かれ、爽やかな風が吹くように感じる物語だった。

第5位 恩田陸 『黒と茶の幻想』
 学生時代の友人である四人が、過去を取り戻すための旅をする。「美しい謎」を持ち寄って、Y島への旅へ出た彼らは、深い森に分け入り、滝、M岳、J杉を見るために山を登る。Y島の森を歩くことは、それぞれの心の森に入ることでもあった。
 恩田陸さんも、2005年に初めて読み始めた作家さん。今まで読んだ中では、この本が一番好き。

第6位 小川洋子 『沈黙博物館』
 ある村の老婆に望まれ、博物館技師の「僕」は形見専門の不思議な博物館を作ることになる。この形見は死の混乱に乗じて老婆が盗んだもので、大抵の場合高価でも美しくもない。その肉体が間違いなく存在していた、という証である。
 不思議な世界に魅せられた。「沈黙」博物館だけに、静謐な美しさ。『博士の愛した数式』 も良かったけれど、私の好みはこちら。

第7位 オトフリート-プロイスラー 『クラバート』
 ドイツのある地方に伝わる<クラバート伝説>を元にした物語。水車場の見習いとなった少年クラバートは、親方の秘密を暴き、愛と友情の助けを借りて、水車場の親方に挑むことになる。
 amazonによると、これ、「宮崎駿が『千と千尋の神隠し』の下地とした」本なのだそうだ。珠玉の児童文学だと思う。

第8位 伊坂幸太郎 『オーデュボンの祈り』
 外界から隔絶された「荻島」という島で、物言うカカシ優午が殺された。カカシを殺したのは一体誰?「荻島」は、日本の開国とほぼ逆行するように、百五十年間も鎖国を続けている、不思議な島。
 2005年は初めて伊坂幸太郎さんの本に触れ、何冊か読み進めたのだけれど、まだ荒削りだけれど(多分、これは氏のデビュー作)、この荒唐無稽な物語が一番魅力的に感じた。

第9位 サン‐テグジュペリ 『夜間飛行』
今更な名作だけれど、『星の王子さま』 もこの本も、2005年に初めて読んだ。夜をゆく開拓者たちである、夜間飛行に関わる人々の物語。
 暗い夜空に向かって、夜の星に向かって、地上の灯りに向かって心が開かれる。各々がその立場、役割に従って、高潔な心で最善を尽くす様が美しい。

第10位 柳田 邦男, 伊勢 英子 『はじまりの記憶』
 ノンフィクション作家柳田邦男さんと、絵描きの伊勢 英子さん、お二人によるテーマに沿ったエッセイ集。テーマは、かなしみ、空、ころぶ、存在理由、忘れる、音楽、マイ ウェイ、眠る、身体感覚、笑う、夢、自立など。原風景を探すお二人のエッセイは、読みながら自分の原風景についても、考えることとなる。

2005年はブログを通じて興味を持った本、作家さんが沢山おりまして、読書の幅が随分広がったようにも思ったのですが、こうしてみるとまだまだでした。2006年もまた皆さんのブログで、新たな本や作家さんに出会えるのを楽しみにしています♪

【Q3】 2006年一発目に読みたいものは?(読んでいる、読んだものでも可)
現在、めちゃめちゃに併読中。
・デーヴ・グロスマン著 『戦争における「人殺し」の心理学』
・南條竹則著 『酒仙』
(上二冊はだらだら読んでる間に越年・・・)
・黒岩重吾 『役小角仙道剣』
(夫実家で読み終わらず、借りてきました)
・モーリス ドリュオン  『みどりのゆび』
(唯一、読了)
----------------------------------------------
・佐藤賢一 『オクシタニア』
・ルイス・サッカー 『穴』
(こちら二冊は、図書館で借りてきたけれど、まだ手を付けていないもの)

【Q4】 このバトンを回したい人を2人まであげてください。
喜八ログ 」の喜八さん、如何でしょうか?
いま一人は、書評ブログではないのに、大変恐縮ですが、rizwords さん。すみません、どんな本を読んでおられるのか、純粋にお聞きしてみたいな~と思いまして。如何でしょうか?

お二方とも、お忙しかったり、適当な場所がない場合にはスルーしてください~。

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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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