スポンサーサイト

 -----------:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリ :スポンサー広告 トラックバック(-) コメント(-)

「黒龍とお茶を」/ティータイムをどうぞ

 2009-06-02-00:13
黒龍とお茶を (ハヤカワ文庫FT)黒龍とお茶を (ハヤカワ文庫FT)
(1988/07)
R.A. マカヴォイ

商品詳細を見る

表紙も超可愛いのに、出ないんですねー、残念。タイトルと表紙に惹かれて古本屋にて購入(ブックオフの100円本って大好きだーーー!!)

内容(「BOOK」データベースより)
娘のリズからの突然の電話。どうやら何かやっかい事に巻き込まれたらしい。母親のマーサは娘の窮状を救うため、はるばるニューヨークからサン・フランシスコへとやって来た。だが、リズの姿はどこにも見あたらない。娘の身にいったい何が起きたのか。不安を胸に娘を捜すマーサの前に一人の中国人が現われた。名をロングというこの初老の男、実は自分は太古の龍の化身だと言うのだが…。〈魔法の歌〉三部作で知られるマカヴォイが、奇妙な初老のカップルをシャレた会話とユーモアあふれる筆致でほのぼのと描いたモダン・ファンタジイの秀作。J・キャンベル新人賞受賞。

マーサは母親なんだけど、えらく軽やかで、言動だけ取ると、不思議ちゃんスレスレでもある。そんな彼女に、メイトランド・ロングは惹かれるのだが・・・。

ロング、ウーロン、彼は黒龍の化身でもあるのです。なんだけど、それですっごい強いかとか、ピンチの時に龍に変身するかというと、決してそんなことはなく。普通の人より丈夫(失血死しそうなところで、きっちりまだ動きまわってる)だったり、手の力がやたら強かったり(鉤爪なの??)はするんだけど、誘拐されたマーサを追う際にも、決して万能ではないんだな。

むしろすごいのは、彼を助けるPCオタクのフレッドなんじゃあ、と思ったり。でも、龍は物を収集するのがお仕事。コレクターたるロング氏の専門は言語なんです。言語繋がりで、コンピューター関連の言語も巧みに操っちゃうんですね。その辺り、む、やっぱり凄いんだな、ロング氏も。

思いっきりファンタジーしているかと言えばそうでもなく、それでも生々しくない恋情とか、コンピューターのお話とか、原語のエキスパートたる黒龍とか、程よくブレンドされた具合がとってもいい感じ。初老のカップルという辺りも、洒落てますよね。大森望さんの解説によれば、本書の続篇にあたる長編『縄をなえば』(Twisting the Rope)が発表されているそうなんですが、うー、amazonにはないみたい。昭和63年に発行されているこの本には、”本書ですっかりメイランド氏やマーサの魅力のとりこになってしまった人は、ハヤカワ文庫FTの編集部に続刊希望のお便りをどうぞ”とあるんですが・・・。ここで言っても仕方ないけど、続刊希望しますー!

次は、有名だという、〈魔法の歌〉三部作を読んでみたいなー。
スポンサーサイト

「ブラックジュース」/常識を揺さぶる短編集

 2008-08-29-00:06
ブラックジュース (奇想コレクション)ブラックジュース (奇想コレクション)
(2008/05)
マーゴ・ラナガン

商品詳細を見る

目次
沈んでいく姉さんを送る歌
わが旦那様
赤鼻の日
いとしいピピット
大勢の家
融通のきかない花嫁
俗世の働き手
無窮の光
ヨウリンイン
春の儀式
 謝辞
 訳者あとがき
河出書房新社の奇想コレクション、気にはなっていたものの、実はこの本が初めてだったりします。

奇想であるからして、それは少し不思議な話。特にね、短編だからか多くは説明されない中に、その世界独自のルールががっちり存在する雰囲気が良かったな。つまりは、自分の中の常識が揺さぶられる感じがするのです。

訳者あとがきによると、本書は二〇〇五年度の世界幻想文学大賞(短篇集部門)を受賞した、Black Juiceの全訳であるとのこと(「沈んでいく姉さんを送る歌」は、単独でも二〇〇五年度の世界幻想文学大賞(短篇部門)を受賞しているそう)。
■沈んでいく姉さんを送る歌
犯した罪のために、タール池に沈んでいく姉、イッキーを見送る、ぼくたち家族の話。ゆっくりと沈んでいくイッキーの周りに集まった一日。

■わが旦那様
その奥様は、わたしが敬愛する旦那様には、到底相応しいとは言えなかった。ところが、ある時、わたしは彼女に共感を覚える。

■赤鼻の日
ピエロを殺す話。ピエロって確かに、ちょっと禍々しくも見える。

■いとしいピピット
いとしいピピット。そう呼びかけるのは、「キョタイ」の彼ら。

■大勢の家
ある特殊なコミュニティで育った少年が、コミュニティを出て外の世界を知り、そしてまた戻ってくる。

■融通のきかない花嫁
厳しい<花嫁学校>を卒業したわたし。でも、みんなと一緒に<本番>を迎える前に、わたしにはやるべきことがある。

■俗世の働き手
死にゆくばあちゃんのために、おれはじいちゃんに頼まれ、天使を探しに行く。

■無窮の光
おばあちゃんの葬儀のために、今ではゴーストタウンになった街に向かうわたし。汚染されたその地に向かう私の車の中には、種を入れたトレイがある。

■ヨウリンイン
ヨウリンインに家族を殺され、助かったものの町の人たちからも忌み嫌われているあたし。そして、あたしはまたその兆しを見る。

■春の儀式
たったひとり、春を呼び込む儀式に挑むおれ。
常識で言えば、天使というものは白い羽を持った美しい生き物であり、ピエロはその芸を楽しむものである。「いとしい」なんて言葉を使うのは、人間だけだと思いたい。これらがいい感じに裏切られるのが気持ち良いです。
牧歌的な状況の中の残酷な刑を描いた「沈んでいく姉さんを送る歌」、恐ろしげな姿の天使が度肝を抜く「俗世の働き手」が面白かったな~。

「妖女サイベルの呼び声」/その声が呼ぶもの

 2007-10-09-22:38
パトリシア A.マキリップ, 佐藤 高子
妖女サイベルの呼び声

「イルスの竪琴」シリーズ のマキリップ。かつ、「世界幻想文学大賞受賞!」とのことで、古本屋で見つけて、いそいそと捕獲。

魔術師ヒールドと、とある貧しい女の交わりによって生まれたミクは、モンドールの街を後に、エルド山へと赴いた。ミクの息子、オガム。そのオガムの娘、サイベルがこの物語の主人公となる。さて、ミクが始め、オガム、サイベルへと受け継がれたのは、けものたちを呼び、その心(マインド)を捉える術。

美しきサイベルは、エルド山の奥深く、けものたちのみを友として、日夜魔術の修行に励んでいた。そこに現れたのは、赤児を連れたサールのコーレン。その赤児、タムローンは、サイベルの甥であり、エルドウォルド国の王、ドリードの子であった。サイベルはタムローンに愛を与え、タムローンが少年に至るまで、王位に関わりなく育てるのであるが…。

父を求めるタムローンを、サイベルは拒絶することが出来ない。山を降りなければ、下界を知らなければ、それはそれで幸せに暮らせたはずだけれど…。

かつてサイベルにタムローンを預けたコーレンたちとドリードは敵同士であり、コーレンはドリードを兄の敵として強く憎むものであった。また、コーレンはサイベルを愛し、ドリードもまたサイベルの持つ術故にサイベルを愛す。コーレンと共に行くことは、サイベルの愛する子供であるタムローンの敵となることでもある…。サイベルはどうするのか。また、下界に降りることで、他者との関わりを持つことで、サイベルは愛と共にまた憎悪を知る。

二者の間で揺れる心や、愛や憎悪、許しをテーマにするところは、メロドラマ的でもある。「イルスの竪琴」シリーズの方が、その点、テーマがもっと複雑だと思う。両者に共通するのは、乙女の描き方。マキリップ作品における女性は、強いばかりではなく、女性らしさを残したまま、凛として一人立つ。とんでもない能力を持っているのだけれど、あくまで静かなところも印象深い。また、そこに沿って立つナイトがいるところも、見逃せないところかな。場合によっては、これ、ちょっとハーレクインぎりぎりな気もするけれど。

世界幻想文学大賞受賞作たる本作品の魅力は、出てくるけものたちによるものでしょう。大きな翼と黄金色の眼を持つティルリスの黒鳥、赤い眼と白い牙の猪サイリン、緑の翼を持つ竜ギルド、王の財宝にも匹敵する毛並みを持つライオンのギュールス、呪術と玄妙不可思議な魔力の持ち主である巨大な黒猫モライア、青い眼の隼ター…。

サイベルはガラスほどに薄く、石のように堅牢な水晶の大ドームに覆われた室から、彼らの古の名を呼び、忘れ去られた秘密の場所に探りを入れる。この心(マインド)の静寂から放たれる呼び声もまた、この物語の魅力の一つ。 その名を呼んで捉えるのは古の呪術だよね。

?「世界幻想文学大賞」ってナニー?と思い、調べたところ、Takashi Amemiyaさんのこちらのページ を見つけました。リンクフリーとのことですので、貼らせていただきます。
この作品ってば、最初の1975年の受賞作だったのですねー。
≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

掲示板その他リンク

ユーザータグ
最近の記事
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

RSSフィード
カウンター

月別アーカイブ
検索エンジン情報
Googleボットチェッカー Yahoo!ボットチェッカー MSNボットチェッカー

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。