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「ブランディングズ城は荒れ模様」/原稿は誰の手に?

 2009-04-26-21:24
ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル)ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル)
(2009/02/25)
P G ウッドハウス

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「ブランディングズ城の夏の稲妻」(感想)の続編です。あれはあれで綺麗に終わっていたような気もするし、読んだのも大分前なので、続編があるなんて思ってなかったんですが、読み始めたらするすると懐かしのメンバーを思い出してきましたよ!

前回は、ブランディングズ城の城主、エムズワース卿の輝けるブタ、エンプレス・オヴ・ブランディングズを巡るドタバタ劇だったんですが、今回も若い二人の結婚の行方を絡めつつも、ドタバタ劇は健在です。今回の騒動は、ギャリー伯父さんの原稿を巡るもの。この原稿は、今ではすました顔で現在の地位に納まっている、貴族のご歴々を震えあがらせるに充分の代物。今さら若き日の愚行を暴露されては堪らない! しかしながら、こういった代物がお金になることも事実なわけで…。どうしてもこの原稿を出版したい者、日の目を見せたくない者、様々な思惑が駆け巡る!

前回、コーラスガール、スー・ブラウンとの婚約をしたエムズワース卿の甥、ロニー。しかしながら、二人の結婚生活を始めるためには、後見人であるエムズワース卿の資金援助が必要で…。ところが、エムズワース卿は、甥のことなど眼中になく、ブタに夢中。エムズワース卿の妹、ロニーにとっての恐るべき伯母レディー・コンスタンスは、ギャリーの本を出さないことを条件に、スーの滞在を認めざるを得ない状況になっていたのだけれど…。

ターミネーターばりにそこにやって来たのは、ロニーの母、レディー・ジュリア。貴族のお仲間からはじかれることを恐れるレディー・コンスタンスとは違い、レディー・ジュリアはそんな事を恐れはしない。許せないのは、自分の息子がコーラスガールなどと結婚すること! レディー・コンスタンスとは、また違った恐ろしさを持つレディー・ジュリア。若い二人は、周囲の反対をおして、首尾よく結婚することが出来るのか?

レディー・ジュリアと同着で、ブランディングズ城に新たにやって来たのは、過去、スーと婚約していたこともある、めかし屋、モンティ・ボドキン。嫉妬深いロニーを慮って、スーとモンティの二人は、二人の過去を隠すことに決めたのだけれど…。やはり二人の仲を疑った、ロニーとスーの仲はすっかりぎくしゃくしてしまう。

さて、モンティの登場は、エムズワース卿にとっても脅威であった。なぜなら、彼はエンプレスを盗み出そうとした(と、エムズワース卿が信じている)、サー・グレゴリー・パースロー=パースローの甥であったから。エンプレスを再び危険な目に合わせはしないと、エムズワース卿は誓うのだった…。
目次
1. ティルベリー卿の不幸
2. モンティ・ボドキン登場
3. 憂愁のスー
4. ギャリー伯父さんの恋の妙薬
5. 危険な再会
6. レディー・ジュリア
7. ブランディングズ城楼上より
8. 回想録をめぐる愛と策謀
9. ブランディングズ城は雨模様
10. 恋人たちの和解
11. チョビひげ探偵の奸計
12. 探偵暗躍
13. 消えた原稿
14. から騒ぎ
15. から手形
16. ポスト回想録時代の福祉と正義
17. ブタでどう儲けるか
18. 大団円
 ブランディングズ城の魅力 佐藤多佳子
 本当のブランディングズ城 N・T・P・マーフィー
 訳者あとがき 森村たまき
あくまで強烈な個性の伯母や母。口を開けば若き日の面白話が出てくるギャリー伯父さん(大抵の時は、その話を最後までしたいという欲求に逆らえない、非常に情熱的な語り手でもある)、「チキショー!」のティルベリー卿、気はいいんだけど、誰かを苛立たせることと来たら、一級品に思えるモンティ、探偵というかこそ泥のようにも思えてしまうピルビーム、執事のビーチ。みんなみんな、楽しいです。相変わらずの物言い、言い回しもくすくすと笑えてしまいます。そして、スーがどこに惚れたのか分かんないくらい、今回、見事に情けないロニーだけれど、ラストはちょっとカッコイイのです。みんなみんな、お見事な大団円!

レディー・コンスタンスの「クラレンス!」というエムズワース卿を呼ぶ声や、ティルベリー卿の絶叫、愛すべきモンティなんかが、印象的です。いくら愛すべきといっても、社主に対して「よしきたホー」はないだろ、と思うけど。ま、彼は「心優しきめかし屋」だからね。

「おまえはしじゅう<クラレンス!>と言い続けじゃ」エムズワース卿は不機嫌に言った。「<クラレンス……クラレンス>とこうじゃ。わしがペギニーズ犬か何かかと人は思うぞ。さてと、今度は何じゃ?」(p123より引用)

「チキショー!」ティルベリー卿が言った。精神的ストレスの際に彼が常用する絶叫である。(p7より引用)

マンモス社出版社の社主は若きジャーナリストの理想型を言葉には表現できないものの、しかしそれはどちらかというともっとむさ苦しい、できればメガネを掛けているようなモノで、金輪際スパッツなんぞは付けていない。それでその時のモンティ・ボドキンは実際にスパッツをしていたわけではなかったのだが、しかし彼の周囲にはまごうかたなきスパッツ・オーラが漂っていた。(p22より引用)

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「比類なきジーヴス」/オー、ジーヴス!!

 2008-02-13-23:54
比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)
(2005/02)
P.G. ウッドハウス

商品詳細を見る

ブランディングズ城の夏の稲妻 」に続いて、二冊目のウッドハウスです。

こちらは「ジーヴス物」と言われるシリーズらしく、最初からして既に偉大なるマンネリズムの薫りがするのだけれど、マンネリというのも決して悪いことばかりではない。物語の場合、これがぴたりとはまれば、実に安心の読み物になるわけで…。

初めて読んだのに、初めて出会った気がしないというか、いっそ懐かしさすら感じてしまうんだなぁ。

主たる登場人物は、金やそれなりの名誉はあるものの、アガサ伯母に言わせれば、人生を無為に過ごしているとばっさり切られる、バーティー・ウースター。バーティーの頼りになる執事、ジーヴス。バーティーの親友で、しょっちゅうどこかの娘に恋しては、バーティーを頼るビンゴ。「バーティー、お前とは同じ学校に通った仲じゃないか」。バーティーの恐怖の源、アガサ伯母、常に驚異の事態を引き起こす従弟のクロードとユースタス…。

ベッドで飲む目覚めの紅茶、それに続く朝食、何よりも平穏を愛するバーティーの元には、それでも様々な厄介事が持ち込まれて…。それを見事に裁くのが、バーティーの頼りになる執事ジーヴス。ただし、ただ一つ彼らが相容れないのが、バーティーの服に関する色彩のセンス。バーティーが紳士として相応しくないと思われる色を身に付けるのを、ジーヴスは極度に嫌う。そんな時は冷戦状態が続き、バーティーは一人で厄介事をやっつけようとするのだけれど、結局はジーヴスの手を借りることになり、泣く泣くその服を諦めることになる。紫の靴下しかり、素敵に真っ赤なカマーバンドしかり…。

何があっても深刻な事態にまで陥ることなく、素敵に無責任なところもこのシリーズの魅力の一つかな。知的ではないとされるバーティーだけれど、そうはいっても、機を見ては詩を諳んじ、オックスフォード大学だって卒業している(ビンゴも学友ってことは…、とオックスフォードを危ぶみたくもなるけれど)。

後、目立つのは、「賭けごと」に関する熱い心。なんだって賭けごとの対象になり(教会の牧師の説教の時間から、年に一度の田舎の村の学校のお楽しみ大会まで)、それを話すに何と「スポーツマン精神」なんてものが出て来てしまう。「スポーツ」であっても、あくまでそれは自らがやるものではなく、見て(賭けて)楽しむ対象なのです。

全体通して、素敵に怠惰な貴族ライフと言ったところ。ゆったりした気分で、くすりと笑える安心の小説ですね。

目次
1. ジーヴス、小脳を稼働させる
2. ビンゴが為にウエディングベルは鳴らず
3. アガサ伯母、胸のうちを語る
4. 真珠の涙
5. ウースター一族の誇り傷つく
6. 英雄の報酬
7. クロードとユースタス登場
8. サー・ロデリック昼食に招待される
9. 紹介状
10. お洒落なエレベーター・ボーイ
11. 同志ビンゴ
12. ビンゴ、グッドウッドでしくじる
13. 説教大ハンデ
14. スポーツマン精神
15. 都会的タッチ
16. クロードとユースタスの遅ればせの退場
17. ビンゴと細君
18. 大団円
 訳者あとがき

「ブランディングズ城の夏の稲妻」/ブタ狂想曲??

 2007-12-21-22:41

P.G.ウッドハウス, 森村 たまき

ブランディングズ城の夏の稲妻 (ウッドハウス・スペシャル)

青葉学園物語 右むけ、左! 」にも、「ぶたぶた会議だ ぶう!ぶう!ぶう!」なる章がありましたが、こちらの本もまた、ある意味ではブタ狂想曲と言えるのかも。

でもね、舞台は英国は美しい郊外のお城。ここで巻き起こる騒動もまた変わってくるわけで…。

執事付きのお城。厳格で恐ろしい一族のおば。ちょっと(かなり?)抜けたところのある当主。一族のはみ出し者のおじ。身分も気もいいけれど、どこかひ弱な青年。同じく、気の良さは十分に分かるけれど、どうも現世的には成功を収めているとはいえない青年。更にそんな彼らのしっかり者の恋人である女性たち。彼らが結ばれるためには、被信託人である当主の協力が不可欠で…。ところが、当主は彼等に注意を払うどころか、高貴なる飼い豚、シュロップシャー農業ショー肥満豚部門銀賞受賞のエンプレス・オブ・ブランディングズの世話に夢中…。

もーこういうの大好きなのです。これもまた、恩田陸さんいうところの、「イギリス人のミステリ」(「小説以外 」より)ではありますまいか? ま、今回のは「冷徹な観察眼と、些かの稚気、教養と合理性に、ちょっと風変わりのスパイス」というか、「かなりの稚気に、風変りのスパイス」という感じなんだけれど…。ミステリというか、ドタバタ群像劇だしね。

国書刊行会から出ている<ウッドハウス・コレクション>は、表紙のお洒落な感じもずっと気になっていたのだけれど、残りも読むぞ!と決意したのでした(今回の本は、<ウッドハウス・スペシャル>。どう違うんだ??)。

言い回しなども楽しくて、ついニヤニヤしながら読んじゃいました。P・G・ウッドハウスの生年は1881年、没年は1975年。今読んでも、全然面白いのも凄いよなぁ。<ウッドハウス・コレクション>の出版年もかなり新しいので、訳のおかげもあるのかもしれませんが…。

私が楽しんだ言い回しは、たとえばこんな感じ。

イートン校とケンブリッジ大学は息子たちをしっかりと教育する。感情を露わにするのは行儀の悪いことであるという人生の基本的事実さえ理解させてしまえば、爆弾ももはや彼らの冷静さを乱し得ないし、地震だって彼らから「ふーん、それで?」が引き出せたらば好運である。しかし、ケンブリッジにも限界がある。イートンもまた然りである           (p356から引用)

キャラがあちこちで繋がってるみたいなので、そこも楽しみだなぁ。
この本で気に入ったのは、私のイギリスの執事のイメージを覆した執事ビーチ。いや、きちんとした執事なんだけど、ほんのちょっとばかり、賭けごと(といっても、競馬情報くらいなんだけど)などの誘惑に弱い気が…。そんなところも、妙に人間味があって良かったな。

イギリスの貴族のお城を舞台にしたドタバタ群像劇。クリスティほど意地悪ではなく、クリスティのように人が死なない(他の作品は知らないけれど)。勿論、クリスティも大好きだけれど、ウッドハウスも好きーー!と思ったのでした。

目次
序文
1. ブランディングズ城に胚胎する騒動
2. 真実の愛の行方
3. センセーショナルなブタ泥棒
4. ロナルド・フィッシュの注目すべき振舞い
5. ヒューゴ宛ての電話
6. スーの名案
7. パーシー・ピルビームの仕事
8. ブランディングズ城を覆う嵐雲
9. スー登場
10. スーのショック
11. まだまだスーのショック
12. 執事ビーチの行動
13. ディナー前のカクテル
14. 有能なバクスターの敏速なる思考
15. 電話にて
16. めぐり逢う恋人たち
17. エムズワース卿の勇気ある振舞い
18. 寝室における悲痛な場面
19. ギャリー事態を掌握する
 沃地としてのブランディングズ城 紀田順一郎
 エンプレス・オヴ・ブランディングズ N・T・P・マーフィー
 訳者あとがき 森村たまき
 《ブランディングズ城シリーズ》紹介


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

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プロフィール

つな がる

Author:つな がる
つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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