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図書館本メモ0905

 2009-05-27-23:05
ちぎり屋ちぎり屋
(2002/08)
蜂谷 涼

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内容(「BOOK」データベースより)
北の街の小さな居酒屋「ちぎり屋」では、今日もまた、わけあり者たちが、心に溜めた想いを語っていく。繁栄にわく小樽の街の片隅にあるおもんの店で、一杯の酒とともに語られる「問わず語り」。

「へび女」(感想)も読んだことがある蜂谷さん。小樽を舞台に、女の細腕一つで小料理屋を切り盛りするおもんさん。駆け落ちしてきた夫も既に亡く、残されたのは小料理屋、「ちぎり屋」だった…。しっとりしたいい話なんだけど、欲を言えばまだ枯れてはいなかったおもんさんに、私はもっと幸せになって欲しかったなぁ。伝わってくる小樽の賑わいなどは○。

真夜中の子ネコ (Modern Classic Selection)真夜中の子ネコ (Modern Classic Selection)
(2008/12)
ドディー スミスジャネット ジョンストン

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内容(「BOOK」データベースより)
ふたごのトムとパムは毎晩、真夜中になると、「突然」「何もないところから」庭にあらわれる4匹の子ネコを見つけます。一体、このネコは現実なのでしょうか?それとも魔法?この不思議な出来事をめぐり、ふたごの兄妹、トムとパムとその育ての親のおばあちゃんの間に変化があらわれます。幸せな祖母と孫の関係が、ほんのささいなことで崩れてしまいそうになったとき、それを救ったものとは…?『ダルメシアン』(101匹わんちゃんの原作)の作者ドディー・スミスの知られざる名作初翻訳。

真夜中の子ネコってファンタジック!と思い、また内容紹介にもあるとおり、ちょっと不思議な雰囲気で出てくるんだけど、実際は合理的説明がなされちゃうのが、ちょっとがっかり。イギリスの寄宿学校のふたごの兄妹のお休み中の出来事です。庭でハリネズミに餌付け出来ちゃうなんて羨ましい~(パムは子ネコを待っているので、ハリネズミが出てきてもあんまり喜ばない)。注はついてるものの、スクウォッターなる言葉が突然出てきて(章のタイトルにもなってる)、いったい彼らはどういう人のことなんだ?と思ったら、ネットでは”不法占拠住人”とあてているのも発見。なるほどねえ。

回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)回想のブライズヘッド〈上〉 (岩波文庫)
(2009/01/16)
イーヴリン ウォー

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回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)回想のブライズヘッド〈下〉 (岩波文庫)
(2009/02)
イーヴリン ウォー

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内容(「BOOK」データベースより):上巻
第二次大戦中、物語の語り手ライダーの連隊はブライズヘッドという広大な邸宅の敷地に駐屯する。「ここは前に来たことがある」。この侯爵邸の次男で大学時代の友セバスチアンをめぐる、華麗で、しかし精神的苦悩に満ちた青春の回想のドラマが始まる。
内容(「BOOK」データベースより):下巻
「古昔は人のみちみちたりしこの都巴いまは悽しき様にて坐し」。ひさしぶりに再会したセバスチアンは、別人のように面変わりしていた。崩壊してゆくブライズヘッド邸とその一族―華麗な文化への甘美なノスタルジア。英国の作家ウォーの代表作。

面白かったんです、好みのイギリスだったんです。なんだけど、うまく感想が言えないんです~。貴族のどうでもいい話とも言えちゃうんだけど…。芸術を解する自分を高みにおいて、現実を巧みに渡り歩く人たちを下賤なものと軽蔑する視線は鼻につくのだけれど、これはそれも込みのお話なんだよねえ。ぐるっと回って、最後はそこにあり続けたものが見えたのかな。
ところで、頁数の関係かもしれませんが、これ、上巻に全体の解説が載せられてたんです。上巻のみの解説(よく考えたら、それもおかしいけど)だと思って読んじゃったら、思いっきり後半のネタバレが書いてあってのけぞりました。警告を入れて欲しかった…。解説を先に読んじゃったのは、本当に久しぶりだったんだけど、やっぱり自分は解説を先に読みたくない派なんだな、と再確認致しました。気をつけよっと。
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「鏡は横にひび割れて」/ミス・マープル8/12

 2009-05-07-00:30
鏡は横にひび割れて (クリスティ文庫)鏡は横にひび割れて (クリスティ文庫)
(2004/07/15)
アガサ・クリスティ

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ポアロは結構読んだんですが、実はこれが初ミス・マープルなのです。お話としては面白かったんですが、ミス・マープルものとしては、後半に入っているのでしょうか。何せねえ、ミス・マープルってば、ほとんど家から出ないんです!(あれ、でも、ミス・マープルって、そもそも安楽椅子探偵でしたっけ?) 甥に雇われた付き添いのおばさん、ミス・ナイトには文句たらたらながら、通いのメイドを雇って一人暮らしというわけはいかなくって、ミス・マープルの思い通りにならないことばかり~。

ほとんど家を出ることがないといっても、たまーに家から出た時に、うまいこと(?)後の被害者に出会ったり、肝心な場面に友人がちょうどい合わせたりと、ミス・マープルが推理を行うのに、困ることはないんですけどねえ。ミス・マープルが暮らすセント・メアリ・ミード。もう少し田舎ならではの美しさとか、庭の話とか、そういうのを期待して読んでいたら、古き良きセント・メアリ・ミードにも、古くからの住民が眉をひそめる”新住宅地”が出来ていたりと、既に変化が起きてしまっているのです。今度はもう少し遡って読んでみようかな~。

文庫裏表紙より引用。

穏やかなセント・メアリ・ミードの村にも、都会化の波が押し寄せてきた。新興住宅が作られ、新しい住人がやってくる。まもなくアメリカの女優がいわくつきの家に引っ越してきた。彼女の家で盛大なパーティが開かれるが、その最中、招待客が変死を遂げた。呪われた事件に永遠不滅の老婦人探偵ミス・マープルが挑む。
解説:新津きよみ

そうそう、あと残念だったのが訳の口調。最近のウッドハウス並みの訳の口調だったら、もっと絶対面白かったのにー! 事件自体は今読んでも、なるほどねえと思うし、「鏡は横にひび割れて」という、テニスンの詩からの引用(読んでませんが)も素敵。ふとした瞬間に見えてしまった、人生の裂け目。そこには何があったのか?

口調の何が気に入らないって、老若男女にかかわらず、どの登場人物も「~でしたねえ?」とか「~ですがねえ」とかいう話し方を突然混ぜてくるので、なんだか間延びした感じがしちゃうんです。ダーモット主任警部による、会話が中心の聞き取りになるので、この辺の処理が難しいとは思うのですが、もう少しそれぞれのキャラクターに合わせた話し方にしてくれないものかしら、と思ってしまいました。ウッドハウスのキャラ立ちまくりの会話文を読んだ後遺症かもしれませんが…。
自分の参考に、<ミス・マープル>シリーズの順番をメモ。
・牧師館の殺人
・書斎の死体
・動く指
・予告殺人
・魔術の殺人
・ポケットにライ麦を
・パディントン発4時50分
・鏡は横にひび割れて
・カリブ海の秘密
・バートラム・ホテルにて
・復讐の女神
・バートラム・ホテルにて
・スリーピング・マーダー
ミス・マープルは、「鏡は横にひび割れて」の前に健康を害した感じだったのですが、最後の方では気力も大分復活してきたよう。付添いも叩き出す決心をしたみたいだし、ちょうどこの頃がミス・マープルが一番弱っていた時なのかなぁ。やっぱりぼちぼち読んでみようっと。それでも、家から出ない安楽椅子探偵が、ミス・マープルの正しい姿なのかもしれませんが・・・。

「ブランディングズ城は荒れ模様」/原稿は誰の手に?

 2009-04-26-21:24
ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル)ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル)
(2009/02/25)
P G ウッドハウス

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「ブランディングズ城の夏の稲妻」(感想)の続編です。あれはあれで綺麗に終わっていたような気もするし、読んだのも大分前なので、続編があるなんて思ってなかったんですが、読み始めたらするすると懐かしのメンバーを思い出してきましたよ!

前回は、ブランディングズ城の城主、エムズワース卿の輝けるブタ、エンプレス・オヴ・ブランディングズを巡るドタバタ劇だったんですが、今回も若い二人の結婚の行方を絡めつつも、ドタバタ劇は健在です。今回の騒動は、ギャリー伯父さんの原稿を巡るもの。この原稿は、今ではすました顔で現在の地位に納まっている、貴族のご歴々を震えあがらせるに充分の代物。今さら若き日の愚行を暴露されては堪らない! しかしながら、こういった代物がお金になることも事実なわけで…。どうしてもこの原稿を出版したい者、日の目を見せたくない者、様々な思惑が駆け巡る!

前回、コーラスガール、スー・ブラウンとの婚約をしたエムズワース卿の甥、ロニー。しかしながら、二人の結婚生活を始めるためには、後見人であるエムズワース卿の資金援助が必要で…。ところが、エムズワース卿は、甥のことなど眼中になく、ブタに夢中。エムズワース卿の妹、ロニーにとっての恐るべき伯母レディー・コンスタンスは、ギャリーの本を出さないことを条件に、スーの滞在を認めざるを得ない状況になっていたのだけれど…。

ターミネーターばりにそこにやって来たのは、ロニーの母、レディー・ジュリア。貴族のお仲間からはじかれることを恐れるレディー・コンスタンスとは違い、レディー・ジュリアはそんな事を恐れはしない。許せないのは、自分の息子がコーラスガールなどと結婚すること! レディー・コンスタンスとは、また違った恐ろしさを持つレディー・ジュリア。若い二人は、周囲の反対をおして、首尾よく結婚することが出来るのか?

レディー・ジュリアと同着で、ブランディングズ城に新たにやって来たのは、過去、スーと婚約していたこともある、めかし屋、モンティ・ボドキン。嫉妬深いロニーを慮って、スーとモンティの二人は、二人の過去を隠すことに決めたのだけれど…。やはり二人の仲を疑った、ロニーとスーの仲はすっかりぎくしゃくしてしまう。

さて、モンティの登場は、エムズワース卿にとっても脅威であった。なぜなら、彼はエンプレスを盗み出そうとした(と、エムズワース卿が信じている)、サー・グレゴリー・パースロー=パースローの甥であったから。エンプレスを再び危険な目に合わせはしないと、エムズワース卿は誓うのだった…。
目次
1. ティルベリー卿の不幸
2. モンティ・ボドキン登場
3. 憂愁のスー
4. ギャリー伯父さんの恋の妙薬
5. 危険な再会
6. レディー・ジュリア
7. ブランディングズ城楼上より
8. 回想録をめぐる愛と策謀
9. ブランディングズ城は雨模様
10. 恋人たちの和解
11. チョビひげ探偵の奸計
12. 探偵暗躍
13. 消えた原稿
14. から騒ぎ
15. から手形
16. ポスト回想録時代の福祉と正義
17. ブタでどう儲けるか
18. 大団円
 ブランディングズ城の魅力 佐藤多佳子
 本当のブランディングズ城 N・T・P・マーフィー
 訳者あとがき 森村たまき
あくまで強烈な個性の伯母や母。口を開けば若き日の面白話が出てくるギャリー伯父さん(大抵の時は、その話を最後までしたいという欲求に逆らえない、非常に情熱的な語り手でもある)、「チキショー!」のティルベリー卿、気はいいんだけど、誰かを苛立たせることと来たら、一級品に思えるモンティ、探偵というかこそ泥のようにも思えてしまうピルビーム、執事のビーチ。みんなみんな、楽しいです。相変わらずの物言い、言い回しもくすくすと笑えてしまいます。そして、スーがどこに惚れたのか分かんないくらい、今回、見事に情けないロニーだけれど、ラストはちょっとカッコイイのです。みんなみんな、お見事な大団円!

レディー・コンスタンスの「クラレンス!」というエムズワース卿を呼ぶ声や、ティルベリー卿の絶叫、愛すべきモンティなんかが、印象的です。いくら愛すべきといっても、社主に対して「よしきたホー」はないだろ、と思うけど。ま、彼は「心優しきめかし屋」だからね。

「おまえはしじゅう<クラレンス!>と言い続けじゃ」エムズワース卿は不機嫌に言った。「<クラレンス……クラレンス>とこうじゃ。わしがペギニーズ犬か何かかと人は思うぞ。さてと、今度は何じゃ?」(p123より引用)

「チキショー!」ティルベリー卿が言った。精神的ストレスの際に彼が常用する絶叫である。(p7より引用)

マンモス社出版社の社主は若きジャーナリストの理想型を言葉には表現できないものの、しかしそれはどちらかというともっとむさ苦しい、できればメガネを掛けているようなモノで、金輪際スパッツなんぞは付けていない。それでその時のモンティ・ボドキンは実際にスパッツをしていたわけではなかったのだが、しかし彼の周囲にはまごうかたなきスパッツ・オーラが漂っていた。(p22より引用)

「踊るドルイド」/ドルイドは踊るよ

 2009-02-15-21:55
踊るドルイド (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)踊るドルイド (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
(2008/09/26)
グラディス・ミッチェル

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内容紹介
見知らぬ男に、いきなり車に乗せられ「病人」移送を手伝わされたのだが、その病人は「血を流した死体」のように見えた・・・。
ドルイドが踊りだすとき、バラバラのピースはつながりはじめる――。

amazonの内容紹介も、いやにあっさりなんですが、これはうーん、確かに仕方のない面もあるのかな。グラディス・ミッチェルによる、「ミセス・ブラッドリーシリーズ」の一冊なんだけど、いつものことながら、ミステリの癖にプロットよりも、細部に面白さがあるんだよねえ。

”野ウサギと猟犬”のレース中、”猟犬”として”野ウサギ”を追っていた、青年、マイケル・オハラは、足をくじいた揚句に、内容紹介にもあるように病人の移送を手伝わされる。その後、血だらけの自分に気づいたオハラは、何らかの犯罪に手を貸してしまったことを恐れ、親友、ガスコインと共に、当地に滞在していた知り合いの弁護士のもとを訪ねる。そこにいたのは、彼の母親の、高名な精神科医、ミセス・ブラッドリー。青年たちの話を聞いた彼女は、秘書のローラ・メンジーズと共に、調査に乗り出すのだった…。

タイトルには「ドルイド」とはっきりあって、王家の血をひく若者オハラがいて(でも、王家の血を引いてることの意味が全くなかったような…)、巨石群があって…。確かにドルイドが踊るんですが、あまりそこをメインに考えない方が楽しめるような気もします。どっちかというと、学生たちがクロスカントリーを楽しむ、田舎の長閑な休日とか、ローラや青年二人(しかも、ハンサムなんだよー)の探偵ごっこを楽しむ感じ。陸地の巨石だけではなく、海岸の洞窟なども出てきちゃうんです。

ローラが若い女性であるということを考えると、すわ、二人の青年のうちどちらかとのロマンス?!などと思ってしまうのですが、そこはやはりグラディス・ミッチェル。ローラはかなり逞しき女性であり(具体的な体重の記述によると、かなりいい体格だったような気がするし、格闘になっても負けてません)、青年二人のことなんてお子様としか思ってないんですよねー。かつ、ローラには、実はギャヴィン警部という、婚約者がいるのでした。

今回の魅力はね、もうこのローラ嬢に尽きます! ミセス・ブラッドリーも相当面白がりながら、ローラを見守ってる感じなんだけど、バリバリ車を運転していたり、地図を読み込んでその地を歩き通してみたり、実践派の彼女の活躍が楽しいのです。ミセス・ブラッドリーの身辺で言えば、やたら有能な運転手ジョージもひそかに魅力的。ヘンなところが生き生き描かれちゃうのも、やっぱりグラディス・ミッチェルならではなのかなぁ。

■関連過去記事■
・「ウォンドルズ・パーヴァの謎」/イギリス人のミステリ!
・「月が昇るとき」/ミセス・ブラッドリー

「怪しげな遺産」/イギリスの田舎屋敷

 2009-01-27-23:08
怪しげな遺産怪しげな遺産
(1995/05)
メアリー ウェズレー

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表紙の美女と、訳者の南條竹則さんに惹かれて借りてきました。

迷っていた時に後押しされたのは、普段は見ない、後ろの「訳者あとがき」における「メアリー・ウェズレーの愛読者たちは、しばしば彼女をジェーン・オースティンに比較する」という一文。結局、まだジェーン・オースティンを読めてはないんだけど、イギリスのそういう観察眼が好きだなぁ、と。

巻頭に「『怪しげな遺産』人物相関図」が載せられているんですが、これがまた「じつは○○の子」なんて表記があったり、普通に「不倫」なんて関係性を矢印で示してあったりして、何やらややこしい気配。

とはいえ、舞台はイギリスの田舎屋敷だし、みんな、中上流階級の人間だし(その中で、本人たちは色々区別というか、自負が色々あるみたいだけど)、通常だったら平穏なお話だと思うのです。ここに爆弾のように投下されるのが、結婚して屋敷に到着して以来、ベッドに寝付いてしまった絶世の美女、マーガレット。彼女は寝室を金色+鏡だらけにしたり(ちょうど、表紙がそういう絵なんだね)、旦那を殴ったり、自分では何もやらなかったりとやりたい放題。彼女をベッドから出そうと画策する人物もいるのだけれど、彼女がベッドから立ち上がる時、必ず悲劇が起こるのだ…。

マーガレットと結婚したのは、父の臨終の頼みを聞いた、田舎屋敷コットショーの主人、ヘンリー・ティロットスン。彼の少々殉教者的ダンディズム、長い手足、鷹揚なところは、若い娘たちを惹きつける。

父に対し、屈折した気持ちを持っていたヘンリーは、父が生きていた時と同じようなパーティーをコットショーで執り行うことを思いつく。そうしてやって来た、二組のカップル、ジェイムズとバーバラ、マシューとアントニアは、その地で婚約し、たびたびこの地を訪れる生涯の友人となる…。

時は過ぎ去り、代すらも変わっていくというのに、マーガレットは変わらない。その他の人物は、打算や正直な思いがあちこちで窺えるのだけれど(具体的にどうこう書くのが難しいけど、こういうのは成功すると面白いですよね~)、最後まで良く分かんないのは、このマーガレットとヘンリーの心情かなぁ。何が気に入らないのかベッドに入ったまま、基本は旦那を侮辱する態度に出つつも、離婚はしない。でも、ある意味無邪気で好き勝手やってるマーガレットって、不思議と憎めないのです。

訳者あとがきには、「とんでもない小説である。世の中と読者をナメている」とあるんですが、自分が伏線を読み飛ばしちゃったんだか、ほんとにこの「ナメ方」で良いのか、いま一つ判断できず。ネットで検索してみても、読んで感想あげてる人も見つけられないし~。でも、「唖然とした」ってことなので、そういうことで良いのかしら。
イギリスのマーガレット奥さんといえば、また一味違う奥さんがここにいます。
→「マーガレットとご主人の底抜け珍道中 (旅情篇)」/二人で旅せば
 「マーガレットとご主人の底抜け珍道中 (望郷篇)」/二人で暮らせば
(「訳者あとがき」にも、「尊敬する漫画家・坂田靖子に『マーガレット奥さんとご主人の底抜け珍道中』というシリーズがある。」とありました。南條さんもお好きなのね、とちょっと嬉しい。)
目次
第一部 一九四四年
第二部 一九五四年
第三部 一九五八年
第四部 一九五九年
第五部 一九九〇年
訳者あとがき 南條竹則

「ドゥームズデイ・ブック」/ダンワーシイ教授、奔走す

 2009-01-06-23:40
ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)ドゥームズデイ・ブック (夢の文学館)
(1995/11)
コニー ウィリス

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「犬は勘定に入れません」(感想)のオックスフォード史学部の面々が活躍する、姉妹編といったところでしょうか。ただし、「犬は~」がレイディ・シュラプネルという恐ろしい暴君がいても、どこまでも喜劇だったのに対し、こちらは悲劇。登場人物たちは、全体像が全く見えないまま、それぞれがそれぞれにベストを尽くすのだけれど、人間の力だけではどうしようもないことが彼らを襲う。相変わらず小ネタが色々詰まっていて、「犬は~」にも出てきたフィンチの心配症っぷり(しかも、とても細かいこと限定。トイレットペーパーの備蓄が尽きかけています!!)など、懐かしくもあるのですが、お話の内容的にどうしたってやるせなくもある…。

クリスマス休暇になだれ込む直前。史学部長、ベイジンゲームの留守中に、学部長代理の権限を勝ち取った、中世史学科のギルクリストは、ダンワーシイの反対をよそに、女学生キヴリンの中世への「降下」を強行する。「降下」を担当した、技師バードリが謎の病に倒れ、ダンワーシイの心配は頂点に達する。

中世へと開いた「ネット」の「フィックス」も取れないまま、果たしてキヴリンは無事に目的とする年代、土地に辿り着いたのか? 予定していた二週間後の「ランデヴー」、キヴリンの回収は可能なのか?

ギルクリストのそれまでの大演説にも関わらず、キヴリンの様子もあまり好ましくはないようで…。その時代のあらゆる予防接種を受けたはずなのに、キヴリンは辿り着いた先で病を得てしまう。彼女を助けたのは、地元教会の司祭、ローシュ神父と、土地の領主の妻、エリウィスたち一家。

ダンワーシイたちがいる現代、二一世紀と、キヴリンがいる一四世紀。共に伝染病が猛威をふるう。ドゥームズデイ・ブックとは、キヴリンがそう名付けた、キヴリンによる十四世紀の歴史観察記録。ダンワーシイたちの話、キヴリンの話と共に、この「ドゥームズデイ・ブックより転載」されたという記録が挟まる。

この記録は無事生還を果たしたキヴリンからもたらされたものなのか、それとも村の遺跡を発掘していたモントーヤによりもたらされたものなのか。いったい、どうなっちゃうのーーー?と思い、どんどんページを繰ってしまいました。「犬は~」を読むのに二週間近くかかってしまっていたことを考えれば、驚異的な速さでこちらは読み終わってしまいましたよ。

時は、二〇五四年。こんな経験の後に、さらに「犬は~」に巻き込まれるとは…。ダンワーシイ先生には、心よりご同情申し上げます。お話としても、「ドゥームズデイ・ブック」が先で、「犬は~」が後になるんですね。ネット、フィックス、降下、などについては、こちらを読んでやっと分かったこともあります。

「犬は~」はのどかな川の景色が印象に残るのですが、こちらで印象に残るのは、寒い寒い中世の冬。キヴリンが親交を深めた時代人との生活。どんなことでも実際にやってみなければ、調べたこと、聞いただけでは分からないことがある。大がかりなタイムトラベルの果てに言えるのは、そういうことなのかも。

コニー・ウィリス、好きなんだけど、そしてそういう話じゃないんだろうけど、読んでいると彼女が描くところの組織について、ついつい文句が出てきてしまうのです。無能だけれど声の大きい人がのさばるせいで、善良な物事を元に戻そうとする人たちが、どれ程の苦労を強いられているのか!

「犬は~」も実際に登場することの少ない、レイディ・シュラプネルの印象がものすごく強いんだけど、この本で印象が強いのは、全く登場しない史学部長ベイジンゲームの行方。実は最後まで行方が知れないのだけれど、オチがあると信じていたので、それはちょっと肩すかし。米澤穂信さん並みに、「史学部長はどこだ」(「犬はどこだ」(感想))と思ってしまいました。ほんと、ヤツはこの非常時に何をやっていたのでしょう~(私の読み逃し??)。

あと特筆すべきは、コニー・ウィリスの巧みさ。十四世紀と二十一世紀の対比は、伝染病だけではない。ローシュ神父が中世で鳴らす鐘、現代のベイリアルを占拠するアメリカ人たちのハンドベルとの対比、とにかく誰かのために奔走する人々とか。「犬は~」もそうだったけれど、渦中のダンワーシイ教授、これ、ほとんど寝てませんよね・・・。読んでるこちらも、なんだか寝不足がうつりそうな感じでした。

「犬は勘定に入れません」/猫もいます

 2008-12-29-00:30
犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎
(2004/04/17)
コニー・ウィリス

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TO SAY NOTHING OF THE DOG or How We Found THe Bishop's Stump At Last

もうねー、ほぼ二週間これを読んでいて、遅々として進まなかったんだけど、途中からはぐんぐん面白くなってきて、いやいや楽しい読書でしたよ。ま、531ページ二段組みというのは、それなりのボリュームでもあるわけですが。

物語は主人公らしき人間とその他数名で「主教の鳥株」とやらを探している場面から始まります。ところが、最初の方はほんとに何が何だか分かりません。実は彼らは「ネット」を使って「降下」してきた時空旅行者で、レイディ・シュラプネルという強権を振るう女丈夫の命により、血眼になって「主教の鳥株」を探している真っ最中。

レイディ・シュラプネルの一大プロジェクト、コヴェントリー大聖堂の復元のために、彼女はその強権を用いて、オックスフォードの中のほとんどすべての学生を徴集していたのです。「神は細部に宿る」。レイディ・シュラプネルは少しの齟齬も許さず、学生たちをあらゆる年代に「降下」させ、あらゆる事象を調査させるのですが…。

そんな中、主人公である史学部の学生、ネッド・ヘンリーは重度のタイムラグ(時代差ボケ)を患っているとされ、現代(二〇五七年)に戻されてしまいます。看護婦からはベッドでの安静をすすめられたけれど、レイディ・シュラプネルはもちろんそんなことを許しはしません。ネッドは彼に同情したダンワージー教授により、19世紀のヴィクトリア朝に派遣されます。ある簡単な任務を果たしたのち、テムズ河でのんびりすると良いと言われたのですが…。問題はネッドがタイムラグにより、ダンワージー教授から託された任務を聞き取れなかったこと。

自分の存在が時空連続体に影響を与えるのでは?、と怯えながら、ネッドはビクトリア朝に飛び込んでいくのですが…。そこにいたのは、ネッドが二〇五七年で一目ぼれしていたヴェリティと、レイディ・シュラプネルのひいひいひいひいお祖母さんであり、コヴェントリー大聖堂の復元や、「主教の鳥株」捜索の元凶でもあるトシー。

段々と分かってくるのは、ネッドとヴェリティが既に時空連続体に影響を与えてしまったこと。ヴェリティが二〇五七年に持ち込んでしまった、、プリンセス・アージュマンドは、ネッドが飼い主のトシーの元に戻すはずだったのに果たせず、さらにネッドはモードとテレンスの出会いを阻害し、テレンスはトシー(未来ではCがつく誰かと結婚しているはず)と婚約してしまった!

未来はいったいどうなってしまうのか? そして主教の鳥株の行方は?

すべてにちゃーんと説明がされるんだけど、探偵役のネッドとヴェリティの関係も楽しいし、テレンスの飼い犬、ブルドックのシリルとプリンセス・アージュマンドの関係も楽しい(何かというと、プリンセス・アージュマンドのパンチがシリルに綺麗にヒット)。「犬は勘定に入れません」の元ネタである(読んでないけど)、「ボートの三人男」となった、ネッド、テレンス、ぺディック教授(隙あらば釣りをする)の旅路も楽しいです。

ヴェリティは一九三〇年代が専門のミステリおたく。ノリノリで探偵ごっこをやり始めるあたりも実に可愛いのです。普段はしっかり者で、むしろネッドにばしばし指示しちゃうような方なんだけど。

コニー・ウィリスは二冊目。両方とも大森望さんの翻訳だったんですが、大森さんの翻訳によるものか、突っ込みなんかがすっごく楽しいんだよねえ。キャラたちまくりの登場人物たちも楽しかったです。

「自負と偏見のイギリス文化」/ジェイン・オースティン

 2008-12-22-23:14
自負と偏見のイギリス文化―J・オースティンの世界 (岩波新書)自負と偏見のイギリス文化―J・オースティンの世界 (岩波新書)
(2008/09)
新井 潤美

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J・オースティンの世界という副題があるだけに、イギリス文化を知ろう!と思って読んだだったけど、読み終わって思ったのはJ・オースティンを読みたい!!、ということでした。

いや、イギリス文化も勿論良く分かるんですけどね~。ディナーの時間の話なんかも面白かったし。ただ、時代が限定されているだけに、そちらは私としては少し霞んでしまって、J・オースティンの作品に心惹かれちゃったわけです。

実際の書のねらいは、引用しちゃうとこうなんですが↓。

ヴィクトリア朝とは明らかなコントラストをなし、どこか堕落した、かつ華やかなイメージがある時代である。この時代の道徳観、階級意識、生活様式など、今日ではあまり知られていない部分を描きだすことによって、オースティンの作品の生まれた背景を明らかにしていく。さらに、オースティンの初期の作品における「パロディ」の要素、そして作品に表われるミドル・クラスのスノビズム、女性の結婚願望などさまざまなテーマを追っていく。これらのテーマを、オースティンの時代というコンテキストだけではなく、現代のイギリスの読者にどう受け止められているかという点からも見ていく。(「はじめに」の”書のねらい”より引用)

残された親族たちが、作家の真実の姿を歪めてしまう行動をとるところには、「アンネの日記」を思い出してしまいましたが、古典ー!と思ってしまうような堅物ではなく、実際には結構茶目っ気のある人だったよう。J・オースティンの場合には、特に彼女が生きた時代のせいもあるそうですが…(奔放なリージェンシー摂政時代から、がちがちのヴィクトリア朝へと時代が移行していた)。

あの「ブリジット・ジョーンズの日記」も、J・オースティン作品の現代版翻案といえるのだとか。確かに、若い女性の夫探しと玉の輿願望が描かれているし、ブリジット自体はミドル・クラスというか、ごく普通の女性だもんねえ。私、最初の一冊だけ読んで、面白いけど、まぁ、一冊読めば十分よねえ、なんて思ってたんですが、J・オースティンを知って読めば、またもっと違う楽しみ方が出来たのかも!

ちょっと皮肉っぽいイギリス的ユーモアの持ち主、ジェイン・オースティンの作品を、読んでみたくなりましたー。各作品のかなり詳しい粗筋があるのも嬉しいところ。amazonをチェックしてみたら、意外と新しいも多いみたいですね。やっぱり、現代でも人気なのかなぁ。翻訳もいろいろあるみたいなので、どの作品を誰の訳で読むべきなのか、迷っちゃいますけど。色々読んでみた後に、「ジェイン・オースティンの読書会」に行ってみるのも楽しそう~。それともこっちを読んだ後に、色々読んでみるべきなのかな。

ジェイン・オースティンの読書会ジェイン・オースティンの読書会
(2006/01)
カレン・ジョイ ファウラー

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目次
 はじめに
第1章 オースティンは「お上品」ではない―奢侈と堕落の時代の文学
第2章 パロディから始まる恋愛小説―分別と多感のヒロインたち
第3章 恋愛と結婚―女性の死活問題
第4章 アッパー・ミドル・クラスのこだわり―階級を示す目安は何か
第5章 オースティンと現代―空前のブームの背景
 あとがき

「月が昇るとき」/ミセス・ブラッドリー

 2008-11-30-22:19
月が昇るとき (晶文社ミステリ)月が昇るとき (晶文社ミステリ)
(2004/09/30)
グラディス・ミッチェル好野 理恵

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Ciel Bleuの四季さんとジーヴス物についてお話していた時に、イギリス人のミステリということで思い出したのが、グラディス・ミッチェルによるミセス・ブラッドリーシリーズの「ウォンドルズ・パーヴァの謎 」(感想)だったのです。

で、その時、このシリーズをお勧めした割に、その後、シリーズその他の本を読んでないことを思い出し、借り出してきた本です。サーカスのテント、月、少年と自分が好きな要素が詰まってんなー、と思ったんですが、これが意外に楽しめず。
目次
第一章  骨董屋
第二章  月が昇るとき
第三章  サーカス
第四章  女綱渡り師の死
第五章  女給の死
第六章  亭主、しばし行方不明
第七章  農場に死す
第八章  ナイフ
第九章  月のない夜
第十章  老婦人
第十一章 子守り女の死
第十二章 拾い物
第十三章 分かれ道
第十四章 骨董屋
第十五章 サーカス
第十六章 子守り女の死
第十七章 亭主、しばし行方不明
第十八章 拾い物
第十九章 月が昇るとき
第二十章 老婦人
 グラディス・ミッチェルのオフビートな魅力
目次を書き出してみたら、割と凝った作りだったのかな。

主人公の少年はサイモンとキースという、十三歳と十一歳の兄弟二人。舞台は、ロンドンの西に位置する運河の町。両親は亡く、年の離れた兄夫婦と共に暮らす二人。赤ん坊もいる兄夫婦の家計は決して楽ではないようで、イネス家には若い女性である下宿人、クリスティーナがいる。サイモンとキースの二人はもちろん、兄ジャックもクリスティーナに恋しているといっても過言ではない。逆に兄の妻、ジューンは口うるさく、うんざりさせられる存在なのだが…。

復活祭の祝日に、サイモンとキースの暮らす町に、サーカスがやって来る。二人はサーカスのテントに潜り込むため、夜のうちに隙間を空けておこうと考え、偵察に向かうのだった。その途中、二人は運河の橋の上でナイフを持って佇む怪しい人影を目撃する。翌日、サーカスの綱渡りの女性が殺されていることが分かり、サーカスどころではなくなってしまう。サーカスを楽しみにしていた二人だったけれど、探偵だってやっぱりわくわくするもの。にわか少年探偵となった二人は、この謎に挑むのだが…。

続けて起こる殺人、なんとなく恐ろし気なぼろ屑屋、兄弟の友人である骨董屋の女性との少々奇妙なやり取り、やって来るスコットランドヤードの刑事、内務省の顧問であるミセス・ブラッドリー…。
うーむ、この奇妙なんだけど、微妙にツボを外した感のあるところは、確かにオフビートといえるのかも。若い女性ばかりを狙う切り裂き魔などといえば、割とセンセーショナルだったり、もっとえぐかったりするもんだと思うんだけど、ラストのあの部分を含めてもえぐいところはないんだよねえ。で、少年探偵+ミセス・ブラッドリーという、探偵小説もしくはミステリーであるにも関わらず、ミステリー色は薄いのです。

主眼は月が煌々と照らす中の運河だったり、少年二人の生活だったり、ぎくしゃくしていたけれど、今後は少しうまくいきそうでもあるジャックとジュリーの家庭なんじゃないかしら、と思うのです。ミステリーと思って読むと肩透かしで、その時代のイギリス少年の暮らしと思って読むほうがいいのかなー。ミセス・ブラッドリーも、ウォンドルズ・パーヴァと違って随分大人しいのよ。むしろ、サイモンの目を通してみれば、いい人だし。相変わらず、けたたましく笑ってはいるようだけれど、あんまり強烈エピソードはありません。

教会に対する考え、神に対する畏怖、彼らが通う学校、お茶の時間、食事など、なんだかねえ、イギリスの習慣がほの見えるものの、その辺の知識を持って読めば、もう少し面白いんじゃないかなぁ、と思いました。彼らはたぶん、上流階級ではなく、中流もしくは下級階級の子なのかな。それでも、わざわざ列車に乗って学校に通い、毎晩のように宿題があるんだよねえ。その辺り、ちょっと不思議だったなぁ。上流じゃないから、逆にこうなの?

amazonその他では、詩情にあふれた名作とされ、また著者グラディス・ミッチェル自身も本書がもっともお気に入りの作品なのだとか。それは彼女の子供時代を思い出させるからとのことで、サイモンは自分であり、キースは弟のレジナルドだと言明しているとのこと。というわけで、本書の肝は、この少年たちにどれだけ沿うことが出来るか、ということなのかも。最近、どうも読書の感受性が落ちてるので、ちょっと楽しめませんでした。「ウォンドルズ・パーヴァの謎」は、ミセス・ブラッドベリーのキャラが立ちまくってたので、楽しかったんだけどなぁ。

「名探偵クマグスの冒険」/南方熊楠探偵小説

 2008-11-22-09:54
名探偵クマグスの冒険名探偵クマグスの冒険
(2008/09)
東郷 隆

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目次
ノーブルの男爵夫人
ムカデクジラの精
巨人兵の柩
清国の自動人形
妖精の鎖
妖草マンドレイク
かつて、南方熊楠という偉人がいました。
(Wikipediaにリンク
っていうのは、小説の背景として読んだり、漫画で読んだりしていました(「坂の上の雲」「日露戦争物語」)。これは、その南方熊楠のロンドン時代のお話。

「Nature」に数々の論文を寄稿し、研究生活を送る傍ら、同時代にロンドンで起こった事件にもし南方熊楠がかかわっていたとしたら? その博覧強記を生かし、きっと見事に探偵役を務めたことでしょう…。というお話なのです。孫文など実在の人物もバリバリと出てきて、実際熊楠と孫文は交友があったそうなんですね。この作者の方がどういう方なのか、良く分からないんだけど、実際、本当の事もかなり含まれているのかなぁ。

多少ね、調べたことをそのまんま書いているのかな、という感じで、正直小説としてのバランスが悪いところ、カッコ書きが興を削ぐところもないではない。

ネットで検索してみたら、朝日新聞社のこんな記事を見つけました。
 名探偵クマグスの冒険 [著]東郷隆[掲載]2008年11月9日
  [評者]唐沢俊一(作家)
  ■奇人学者がホームズばりに大活躍
 

本書の著者・東郷隆は、国学院大学で“博物館学”を学んだという経歴の持ち主なんだそうであります。もう少しこなれてくれると嬉しいなー、なんだけど、他にも著作がいっぱいあるみたい。そこでは違うのかなぁ。シャーロック・ホームズなどの探偵小説がものされた、その時代のロンドンの雰囲気を楽しむ小説ですね。

「桜草をのせた汽車」/鉄道がやってくる

 2008-09-13-00:33
桜草をのせた汽車 (心の児童文学館シリーズ)桜草をのせた汽車 (心の児童文学館シリーズ)
(1987/07)
ジリアン クロス

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その土地で生まれた人間は、その土地を出ることなく、そこで死ぬことが当たり前だった時代。余所者といっても、それは同じ国に住むものであり、異なる国の人と出会うことなど、全くもって稀だった時代。

これはそんな時代のイギリスのある農村でのお話。時代は1840年代、これは鉄道新設ブームの頃にあたるのだという。

十六歳のケイトと十二歳のジェムの姉弟。母は、妹マーサを生んだ時に死に、父は密猟が見つかって、オーストラリアに島流しになっていた。姉、ケイトはジェムにとって煙たい存在だったが、誰からも後ろ指さされることのないよう、いつも家を綺麗に磨き上げ、まだ赤ん坊のマーサの世話も常に抜かりない。いつでも背筋をぴんと伸ばし、誇り高く頭をあげ、ジェムにもまたそれを要求する姉の姿は、まだ幼いジェムには、ぎすぎすしたうるさい女とうつっていた。貧しい姉弟は、村人から貰う小さな仕事で何とか生活していたのだが…。

この小さな農村に約千人もの鉄道工夫がやってきて、鉄道の新設工事が始まった。それだけの人数の血気盛んな者たちがいれば、トラブルを起こす者たちも当然いる。もともと余所者を快く思わない田舎のこと、特に自分たちの仕事ですらあまりないとなれば、尚更のこと、村の男たちは、鉄道工夫たちをほとんど憎悪する。しかし、ジェムは新しい世界につながる鉄道と、力強い男たちである鉄道工夫に強い憧れを抱いていた…。

ある日、ジェムたちの家の前に、一人の工夫が下宿を探してやって来る。アイルランド人のキルケニー・コン(コナー・オウフリン)。冬に向かい、ジェムが出来る小さな仕事も村にはなくなっていく時期。ケイトとジェムは、村人たちの非難の声を知りつつも、生きていくために、コンを下宿させることを決めるのだが…。

ジェムが知るようになるのは、コンの目を通した姉、ケイトの姿。工夫たちが全て荒くれ者ではないこと。そして、哀しいけれど、あまりにも排他的な村人たちの姿。冬の間、ケイトとコン、ジェムの三人で過ごす、夕食後の静かな時間。時に姉が歌を、コンがハーモニカを吹く。三人は親交を深めていくのだが…。

自分たちの仕事がないこと。余所者が自分たちの土地で大きな顔をすること。一部の荒くれ者たちの仕業。村人たちの鬱屈した気持ちが爆発する時がやって来る。
ジェムーーーー!!!、という感じなんですが、しょうがないんだよね、彼はまだ少年でしかないんだよね。もう少しうまく立ち回れたはずなんだけれど、物語は哀しい結末を迎えます。ラストのシーンは、希望もあるんだけれど。

姉のケイトが実にいい子でねえ。こんな健気で賢いいい子はなかなかいないですよ。実際、コンが飯場ではなく、自分たちが敵視されている村の中に、下宿を求めた理由は良くわかんないんだけど、彼の存在は村人の中の特に頑固だった男にも、影響を与えました。

作中のケイトの言葉に、「鉄道のおかげで、よその人をあんなふうに見ることはなくなるわ」という台詞があるんですが、世界が広がるのはやはり良いこと。違う土地に住んでいても、あなたも私もそう変わりなく、同じ人間であることを知るのは大事なことだよね。

「比類なきジーヴス」/オー、ジーヴス!!

 2008-02-13-23:54
比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション)
(2005/02)
P.G. ウッドハウス

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ブランディングズ城の夏の稲妻 」に続いて、二冊目のウッドハウスです。

こちらは「ジーヴス物」と言われるシリーズらしく、最初からして既に偉大なるマンネリズムの薫りがするのだけれど、マンネリというのも決して悪いことばかりではない。物語の場合、これがぴたりとはまれば、実に安心の読み物になるわけで…。

初めて読んだのに、初めて出会った気がしないというか、いっそ懐かしさすら感じてしまうんだなぁ。

主たる登場人物は、金やそれなりの名誉はあるものの、アガサ伯母に言わせれば、人生を無為に過ごしているとばっさり切られる、バーティー・ウースター。バーティーの頼りになる執事、ジーヴス。バーティーの親友で、しょっちゅうどこかの娘に恋しては、バーティーを頼るビンゴ。「バーティー、お前とは同じ学校に通った仲じゃないか」。バーティーの恐怖の源、アガサ伯母、常に驚異の事態を引き起こす従弟のクロードとユースタス…。

ベッドで飲む目覚めの紅茶、それに続く朝食、何よりも平穏を愛するバーティーの元には、それでも様々な厄介事が持ち込まれて…。それを見事に裁くのが、バーティーの頼りになる執事ジーヴス。ただし、ただ一つ彼らが相容れないのが、バーティーの服に関する色彩のセンス。バーティーが紳士として相応しくないと思われる色を身に付けるのを、ジーヴスは極度に嫌う。そんな時は冷戦状態が続き、バーティーは一人で厄介事をやっつけようとするのだけれど、結局はジーヴスの手を借りることになり、泣く泣くその服を諦めることになる。紫の靴下しかり、素敵に真っ赤なカマーバンドしかり…。

何があっても深刻な事態にまで陥ることなく、素敵に無責任なところもこのシリーズの魅力の一つかな。知的ではないとされるバーティーだけれど、そうはいっても、機を見ては詩を諳んじ、オックスフォード大学だって卒業している(ビンゴも学友ってことは…、とオックスフォードを危ぶみたくもなるけれど)。

後、目立つのは、「賭けごと」に関する熱い心。なんだって賭けごとの対象になり(教会の牧師の説教の時間から、年に一度の田舎の村の学校のお楽しみ大会まで)、それを話すに何と「スポーツマン精神」なんてものが出て来てしまう。「スポーツ」であっても、あくまでそれは自らがやるものではなく、見て(賭けて)楽しむ対象なのです。

全体通して、素敵に怠惰な貴族ライフと言ったところ。ゆったりした気分で、くすりと笑える安心の小説ですね。

目次
1. ジーヴス、小脳を稼働させる
2. ビンゴが為にウエディングベルは鳴らず
3. アガサ伯母、胸のうちを語る
4. 真珠の涙
5. ウースター一族の誇り傷つく
6. 英雄の報酬
7. クロードとユースタス登場
8. サー・ロデリック昼食に招待される
9. 紹介状
10. お洒落なエレベーター・ボーイ
11. 同志ビンゴ
12. ビンゴ、グッドウッドでしくじる
13. 説教大ハンデ
14. スポーツマン精神
15. 都会的タッチ
16. クロードとユースタスの遅ればせの退場
17. ビンゴと細君
18. 大団円
 訳者あとがき

「ライラック・バス」/それぞれの事情を抱えて帰る人々

 2008-01-15-22:09
メイヴ ビンチー, Maeve Binchy, ハーディング祥子
ライラック・バス
青山出版社

大都会ダブリンから、故郷の小さな町へと帰るライラック・バス。トムが運転するこのバスは、週末にのみいつも同じメンバーを乗せて運行している。こうして毎週末ラスドーンに帰る、運転手一人に七人の乗客。八人には、八人八様の事情がある。ある週末の出来事が、それぞれの口から語られるのだが…。

本の世界の迷子です 」さんの、こちらの記事(ライラック・バスに乗り合わせた人たち )に惹かれて借りてきました。

これ、良かったですー。派手さとか目新しさはないのだけれど、優しい筆致で語られる、普通の人々の普通の生活がじんわりと温かいです。

ケチんぼのナンシー、不倫の恋に苦しむディー、厄介事に巻き込まれているケヴ、ゲイの恋人を隠しているルーパト…。終盤を締めてくれるのは、ラスドーンの唯一のバーの女主人にしてアル中の母を持つセリア、拒食症の姉を持つ、ライラック・バスの運転手トム。家族についても考えさせられます。

やさしい伯父さんであるミッキー、自然食品のお店に入れ込んでいるジュディにも幸あれ!(でも、ジュディの行く道は大丈夫かしらん…。そこは行ってはいけない道~)

現代のお話だし、アンみたいにおしゃべりな人は誰もいないけれど、ちょっとモンゴメリの「アンをめぐる人々」を思い出しました。これ、アンはほとんど出てこないので、突出した人物はいないのだけれど、アヴォンリーの人々が主人公となった短編集。モンゴメリは短編も良いのですー♪

目次
ナンシー*Nancy
ディー*Dee
ミッキー*Mikey
ジュディ*Judy
ケヴ*Kev
ルーパト*Rupert
セリア*Celia
トム*Tom
 訳者あとがき

「ブランディングズ城の夏の稲妻」/ブタ狂想曲??

 2007-12-21-22:41

P.G.ウッドハウス, 森村 たまき

ブランディングズ城の夏の稲妻 (ウッドハウス・スペシャル)

青葉学園物語 右むけ、左! 」にも、「ぶたぶた会議だ ぶう!ぶう!ぶう!」なる章がありましたが、こちらの本もまた、ある意味ではブタ狂想曲と言えるのかも。

でもね、舞台は英国は美しい郊外のお城。ここで巻き起こる騒動もまた変わってくるわけで…。

執事付きのお城。厳格で恐ろしい一族のおば。ちょっと(かなり?)抜けたところのある当主。一族のはみ出し者のおじ。身分も気もいいけれど、どこかひ弱な青年。同じく、気の良さは十分に分かるけれど、どうも現世的には成功を収めているとはいえない青年。更にそんな彼らのしっかり者の恋人である女性たち。彼らが結ばれるためには、被信託人である当主の協力が不可欠で…。ところが、当主は彼等に注意を払うどころか、高貴なる飼い豚、シュロップシャー農業ショー肥満豚部門銀賞受賞のエンプレス・オブ・ブランディングズの世話に夢中…。

もーこういうの大好きなのです。これもまた、恩田陸さんいうところの、「イギリス人のミステリ」(「小説以外 」より)ではありますまいか? ま、今回のは「冷徹な観察眼と、些かの稚気、教養と合理性に、ちょっと風変わりのスパイス」というか、「かなりの稚気に、風変りのスパイス」という感じなんだけれど…。ミステリというか、ドタバタ群像劇だしね。

国書刊行会から出ている<ウッドハウス・コレクション>は、表紙のお洒落な感じもずっと気になっていたのだけれど、残りも読むぞ!と決意したのでした(今回の本は、<ウッドハウス・スペシャル>。どう違うんだ??)。

言い回しなども楽しくて、ついニヤニヤしながら読んじゃいました。P・G・ウッドハウスの生年は1881年、没年は1975年。今読んでも、全然面白いのも凄いよなぁ。<ウッドハウス・コレクション>の出版年もかなり新しいので、訳のおかげもあるのかもしれませんが…。

私が楽しんだ言い回しは、たとえばこんな感じ。

イートン校とケンブリッジ大学は息子たちをしっかりと教育する。感情を露わにするのは行儀の悪いことであるという人生の基本的事実さえ理解させてしまえば、爆弾ももはや彼らの冷静さを乱し得ないし、地震だって彼らから「ふーん、それで?」が引き出せたらば好運である。しかし、ケンブリッジにも限界がある。イートンもまた然りである           (p356から引用)

キャラがあちこちで繋がってるみたいなので、そこも楽しみだなぁ。
この本で気に入ったのは、私のイギリスの執事のイメージを覆した執事ビーチ。いや、きちんとした執事なんだけど、ほんのちょっとばかり、賭けごと(といっても、競馬情報くらいなんだけど)などの誘惑に弱い気が…。そんなところも、妙に人間味があって良かったな。

イギリスの貴族のお城を舞台にしたドタバタ群像劇。クリスティほど意地悪ではなく、クリスティのように人が死なない(他の作品は知らないけれど)。勿論、クリスティも大好きだけれど、ウッドハウスも好きーー!と思ったのでした。

目次
序文
1. ブランディングズ城に胚胎する騒動
2. 真実の愛の行方
3. センセーショナルなブタ泥棒
4. ロナルド・フィッシュの注目すべき振舞い
5. ヒューゴ宛ての電話
6. スーの名案
7. パーシー・ピルビームの仕事
8. ブランディングズ城を覆う嵐雲
9. スー登場
10. スーのショック
11. まだまだスーのショック
12. 執事ビーチの行動
13. ディナー前のカクテル
14. 有能なバクスターの敏速なる思考
15. 電話にて
16. めぐり逢う恋人たち
17. エムズワース卿の勇気ある振舞い
18. 寝室における悲痛な場面
19. ギャリー事態を掌握する
 沃地としてのブランディングズ城 紀田順一郎
 エンプレス・オヴ・ブランディングズ N・T・P・マーフィー
 訳者あとがき 森村たまき
 《ブランディングズ城シリーズ》紹介


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

「英国おいしい物語」/英国料理は美味しい?

 2006-02-09-08:12
ジェイン・ベスト クック, Jane Best Cooke, 原口 優子
英国おいしい物語
東京書籍

美しく飾られたパイの写真が表紙なのですが、残念ながら写真が出ません。
裏表紙は様々な種類のパン。

目次
英国料理とは
はじめに
地方色
ロンドン
イングランド南部および南東部
イングランド西部
イングランド中部
イースト・アングリア(イングランド東部)
イングランド北部
ウェールズ
スコットランド
アイルランド
食習慣
英国正統料理=その作り方
はじめに
スープ・前菜
主菜
パイ
デザート
ベーキング
あとがき

英国料理に出会えるのは家庭である。そんなわけで、これまで英国料理は低評価に甘んじてきた。この本は、東京は中目黒でレストラン1066を開き(ネットで調べたところ、現在は残念ながら閉店している模様?)、「英国料理は美味しい」ということを実証してきた著者の手によるもの。

英国の正式名は、「ユナイテッド・キングダム・オブ・グレート・ブリテン・アンド・ノーザン・アイルランド」。日本語ではイギリスと英国を特別区別しないで使うけれども、英国人の頭の中には、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの四つの「国」があり、四カ国全部を指す時には「ユナイテッド・キングダム」。北アイルランドを除く三カ国を指す時には「グレート・ブリテン」または「ブリテン」となるのだという。地方によって違う景色や生活習慣にも言及しているところが、面白い本。歴史への言及もあり、例えば著者のお店「1066」は、ノルマン軍がヘースティングスの戦いで英国軍を破り、英国を制覇した年号からきているわけです(イングランド南部および南東部の章より)。

直ぐに忘れそうではあれど、英国の歴史、地方の特色を楽しみつつ、料理のレシピも読むことが出来るという、一粒で二度美味しい本でした。いや、料理も作らないようにも思うけど・・・。

料理レシピで変わったところでは、スープ・レシピに収められている「マリガタニー」。これはカレー風味の野菜スープ。タミル語の「ミラガタニー」から来たもので、胡椒という意味の「ミラク」と水を表す「タニー」の複合語なんだそう。ルーツはインド料理で、東インド会社の社員がインド滞在中にとても気に入っていたスープであり、18世紀末期の本にもこのスープのことが書かれているそうです。レンズ豆(「レンズ豆のスープ」)、きじ(「きじの蒸し焼き」)もローマ人が英国に持ち込んだものであったり、食に歴史ありといったところでしょうか。英国料理の素材は、様々な鳥獣や、バター、クリームなど、豊かな自然を感じるものが多くて、その辺りも羨ましく読みました。地方色の部分では、亡くなった著者の父による単色のイラストが、雰囲気を出してます。

「バグパイプの国 虹の国」/イギリス、フランス、日本・・・

 2006-01-27-08:58
河村 雅隆
バグパイプの国虹の国―スコットランドとイングランドの間
ブロンズ新社

目次
第一章 虹の国から
 スコットランドとイングランドの間
 「使って保存する」社会
 エスニック・ロンドン
 イートンの不思議な球技

第二章 イギリス・ヨーロッパ・日本
 個性とは何か(一)
 個性とは何か(二)
 重い社会、軽い社会
 ダメモト社会・イギリス
 日本人は何故印象派が好きか
 ヨーロッパにおける「地方」と「中央」
 日本の新聞、英仏の新聞
 多言語国家・スイス
 「コンセプト」の自由競争
 「国民国家」の崩壊
 私のキリスト教、私のヨーロッパ

あとがき~夕陽の風景~

bk1の著者紹介から引くと、著者は「1951年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。NHKに入社し、主に報道番組制作に携わる。現在報道局特報部チーフ・プロデューサー。著書に「驢馬は旅に出て」「日本解剖」など」。これはその職業によるものなのか、時に説教くさくなる嫌いがあるものの、私はおおむね楽しく読みました。 私は知らないことも多かったので楽しく読みましたが、事実を知っている方にとっては、それ程面白くない本かもしれません。1章、2章はほとんど別の話であり、またエッセイなので、話はどんどん飛んでいきます。
+++++++++++++++++++メモ+++++++++++++++++++
◆スコットランドとイングランドの間◆
<ヘイドリアン・ウォール>
スコットランドとイングランドの間にある、「ヘイドリアン・ウォール」(ハドリアヌス帝が建設を命じた、いわばイギリス版の万里の長城)について。壁があったところで、それだけで軍隊や人間の動きを防ぎきることは出来ないが、騎馬、車両、あるいは家畜の群れの行動は妨げられる。その間に、ローマ側としては何らかの防御策を取りやすくなる。しかし、皮肉なことに、ブリテン島を支配していたローマ人たちに決定的な打撃を与えたのは、彼らが常に警戒していた北の蛮族ではなく、北海を渡って侵攻してきたバイキング=ノルマン人たちだった。しかし、このウォールが出来たことによって、それより北はローマ人にとり「化外の地」とされ、壁より北がスコットランド、その南がイングランドに分かれていく萌芽となった。

<ハイランドとローランド>
スコットランドといってもそれ自体、単純な一枚岩ではない。地形的にも北部の山岳地帯ハイランドと、南部の比較的平坦なローランドとでは、同じスコットランドとはいえ、随分印象は異なる。ハイランドとローランドの境目をどの辺と見るかは人によって若干違っているが、大体パースから北がハイランドというのが一般的な見方。ハイランドに入るにつれ、人々の話す言葉もだんだん解りにくくなっていく。スコットランドとイングランドが合併したのは十八世紀のはじめの一七〇七年。合併とはいえ、それは事実上併合であり、スコットランド国内には当然強い反対論が巻き起こった。しかし、当時既にスコットランドとイングランドの経済的、軍事的格差は広がっており、特にイングランドと経済的、人的に深く結びついていたローランドの人たちの意見が通り、スコットランドは遂にイングランドとの合併の途を選択した。その後に起こった「カロードンの戦い」の図式は、スコットランド対イングランドの間の戦いではなく、ハイランド対イングランド・ローランド連合軍の戦いだった。カロードンの敗北のあと、多くのスコットランド人たちがイングランドの支配を嫌って新大陸へと移住していった。

<ハイランド・ゲームズ>
「スコットランドのオリンピック」とも呼ばれる、バラターの町の「ハイランド・ゲームズ」について。この祭りは百年近くの歴史を誇るスコットランドの大運動会で、種目にはスコットランド独特のものも少なくない。海外に移住した家族がスコットランドに戻ってくるイベントでもある。

◆エスニック・ロンドン◆
イギリス国内には、アジア、アフリカ出身の人たちが多くいる。われわれが普通にイメージしてきた、いわゆるアングロ・サクソンのイギリス人以外の人たちが多い。これは、第二次大戦後、英連邦の設立ということが大きなきっかけだった。一九四九年、イギリスは植民地を一斉に手放して各々の独立を認め、その一方でいわゆる英連邦(Commonwealth of Nations)を発足させたのだが、このコモンウェルスとは、イギリス国王に忠誠を誓うか、もしくはイギリス国王を<構成諸国の自由な結合の象徴>と認める独立国の連合体のこと。このコモンウェルスの成立とともに、それを構成する国家の国民は、「コモンウェルス市民」として、イギリス国内で、他の国の人々とはちがう特別な扱いを受けることになった。イギリスは、コモンウェルスという制度を通じて、今も数多くの国々に対し、有形無形の影響力を保持しているのであり、そのことは、イギリスという国が、実際の国力よりもずっと大きな影響力と発言力を世界の中で保っているということをもまた、意味している。

◆日本の新聞、英仏の新聞◆
<日本社会における「高級紙(クオリテイ・ペイパー)」>
日本の新聞とは、どんな読者にとっても百パーセント満足することが出来ない「デパート」であり、しかしながら皆が多少の不満を持ちながらも、自分自身が直接専門としている以外の領域を知る手懸りとしているメディア。これは日本独特のものである。もうひとつ、日本の新聞に見られる日本独特の性格は、過剰なまでのセンチメンタリズム。事実を事実として見る、物事を多くの角度から眺める-これは多くの日本人に最も欠けている知的態度だと思えるが、書き手の感情移入のあまりに強い紙面を見ていると、日本人のメンタリティは戦前も戦後も変わっていないと思える。

<イギリスの新聞・フランスの新聞>
イギリス(あるいはアングロ・サクソン)とフランスの新聞の性格の違い。イギリスの新聞があくまで情報であるのに対し、フランスの新聞は書き手個人が外界をどう「解釈」したかの報告という要素が強い。しかしながら、この性格は「メディアはセンチメンタリズムとは無縁であるべきだ」という態度と矛盾してはいない。苦労しながらも著者がフランスの新聞を読み続けているのは(ここでは「ル・モンド」が例に挙げられている)、フランスの新聞を読んでいると、英米が考え、否応なく現在の世界の常識となっているのとは全く別の世界地図がそこに見えてくるから。日本の記事が少ない一方、地元ヨーロッパを別にすれば、フランスの紙面では旧植民地の記事が圧倒的に多い。フランス人の頭の中にある世界地図とは、旧植民地に強く引っ張られたイメージのものなのではないだろうか。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
フランスの紙面に関して言えば、旧植民地系からの移民が多いという事情もあるのでは、と思いましたが(うーん、とはいえ、所謂「高級紙」はその人たちのためのものではないのか?)、英連邦におけるコモンウェルスの人々に与えられるような特権が、フランスでは全く与えられていないのだとすれば、記憶に新しいフランスの暴動についても、何となく分かるようにも思いました。連邦、コモンウェルスは、それがまた結果的にイギリス人の失業率を高めてしまうような事があるとしても、やっぱり植民地を手放す際のウルトラCの策だったのでしょうか。

日本の新聞について、著者はその「デパート」ぶり、センチメンタリズムもここでは肯定されていますが、今はそういう時代ではないようにも思います。新聞にしても、テレビにしても、最近は「枠を埋める」ためだけに、要らない情報まで垂れ流しているように思います…。特に新聞紙面は、時系列を分かりやすく説明し易いという利点があるのですから、もう少し「事実」によった報道を望みたいと思います。

「マイルズ卿ものがたり」/マイルズ卿の日常(かなりのほほん)

 2005-12-17-10:28
坂田 靖子
マイルズ卿ものがたり

あとがきの記述から始めてしまいますが、フランスがルイ王朝華やかなロココの日々をおくっていた頃 イギリス人はジンとビールでぐでんぐでんになってくらしていた」とのことで、これはそんな時代のイギリスの貴族のお話。この本には九つの短編が収められているのだけれど、その一つ目は「マイルズ卿のかつら」というお話で、これもまさに「これは殿方が美しいかつらをかぶっていた頃のお話です」

更にあとがきから引くと、お酒だけではなく、賭事、娼館、化粧(ヨーロッパ全土でつけボクロが流行したが、男性がつけたのはイギリスだけだった)などと、よーするにみんなあそびまくっていた」らしい。こーゆーヘンな絵が残っているあたりうれしい時代である!」とあるのは、ウィリアム・ホガース の絵(wikipediaにリンク)。

では、優雅で、はちゃめちゃな話なのかというと、そこは坂田靖子さんが描くものなので、はちゃめちゃではあるけれど、優雅というよりは「のほほん」という言葉が似合う感じ。お人好しで世間知らずのマイルズ卿の暮らしが描かれる。
脇を固めるのは、世事に通じてお洒落な親友、ペンティントン卿(ただし大抵、話をややこしくする)と、酒飲みで妙に態度の大きい、おとぼけ執事。

執事の仕えぶりはこんな感じ。
マイルズ卿:「僕はしゅじんだぞっ!!」
執事:「それが何です 私は召使いですよっ!!」
    「さっさと服を着替えて下さいよ あんたと違って忙しいんだから!」

時々、マイルズ卿が不憫になります・・・。

日常の話ではあるけれど、見えない斑犬の話、逃げ出す細工物の話(片思いのサラ夫人への贈り物だったのに!)、小人の嫁入りの話、夜に逃げ出すマイセンの貴婦人の話などの不思議が、違和感なく織り込まれている。

のほほんと楽しい漫画。ただし、「異国の少年」の話だけは、「その頃 身分のある人々のあいだでは顔だちのよい異国の少年を 側に仕えさせることが大変流行っていた」とのことで、その背景が悲しいなぁ、と思う。

目次
マイルズ卿のかつら
斑犬
宝石の魚
マイルズ卿の歯痛
異国の少年
井戸の首
小人の結婚
マイセンの貴婦人
名馬ラトピック

*臙脂色の文字の部分は引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

「ケルトの白馬」/白い馬

 2005-11-15-10:10
ローズマリ サトクリフ, Rosemary Sutcliff, 灰島 かり
ケルトの白馬

イギリス、バークシャーの緑なす丘陵地帯には、地肌の白い土を露出させて描いた、巨大な白馬の地上絵がある(表紙写真)。これは、古代ケルト人の手による地上絵であり、時を超えて命の輝きを放ち続けている。

なぜ、どのようにして、この「アフィントンの白馬」が描かれたのか。
これは、そのあったかもしれない一つの物語。
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イケニ族は馬を飼育する『馬族』であった。彼らは野生の馬を馴らし、仔馬を育てて、馬の数を増やしていく。白亜の丘陵地帯に辿り着いた彼らの祖先は、この草原が馬の放牧に適していることを見てとった。褐色の肌の先住民たちを追い払い、強固な砦を築き、ここを自分たちの土地とした。

族長のティナガンには、妻のサバとの間に生まれた息子が三人いた。末息子の名は、ルブリン・デュ。彼は大人びたまなざしと、白い肌と明るい色の髪を持つイケニ族には稀な、褐色の肌と黒い髪を持って生まれた。

ルブリンが他の者たちと違っていたのは、その外見だけではなかった。彼はつばめが舞うように飛ぶのを見ては、空に描かれる華麗な模様をつかまえようとし、竪琴弾きのシノックの音楽と詩を聞いては、それらが心の中で織りなす模様をつかまえようとする。

春が来て、ベルタイン祭りの火が消えた翌日、その年に九歳になった一族の少年は、揃って少年組に入る。少年組の子供たちは、背の低い長い建物で一緒に暮らし、戦士となる訓練を受ける。槍での戦い方や馬の群の扱い方、獲物の追い方、刀や投げ槍や投石器の使い方。戦車の組立て方。覚えることは数多い。祭司である樫の木の賢者イシュトラからは、呪文の読み方と書き方を、竪琴弾きのシノックからは、自分たちの歴史が読み込まれている歌を習う。一族の少年が、一人前の男になるとはこういうこと。

ルブリンとダラは、その性質は違うものの、言葉ではなく互いを理解したもの同士、親友として育つ。少年組三年目のある秋の日、一族のもとに北方から商人がやって来る。この商人の何気ない言葉と古い歌の記憶が重なり、二人の少年の間に一つの夢が生れ落ちる。彼らの一族は遠い昔この土地にやって来た。海と山の間に広い草原がある国、その北の国を求めて、祖先と同じようにダラとルブリンとで若者たちの集団を率いていけたら・・・。

ルブリンの部族では、族長の跡継ぎとなるのは、息子ではなく族長の娘と結婚した男。母サバの死により、ルブリンの妹テルリは十二歳で婿選びの儀式をしなくてはならなくなった。樫の木の賢者、イシュトラが告げた婿の名は、ダラ。ルブリンとダラの立場は、もう同じではない。二人で北の地へ向かうという夢は潰えた。

平和に暮らしていた彼らのもとに、南から不穏な影が忍び寄る。そしてそれは、テルリが十四歳となり、テルリとダラの婚礼がとり行われた新月の晩に、現実のものとなった。アトレバテース族が、とうとうルブリンたちの砦を攻めてきたのだ。闘いに出た一族の戦士たちから、ルブリンははじき出され、ドロクマイルとともに、残留組となり砦に残る。敵の襲撃に立ち向かうよりも、実は残ることは一番難しい仕事であると諭され、ルブリンは父ティナガンの信頼に応えようと思う。

戦い虚しく、ルブリンたちの一族は、敵であるアトレバテース族に征服される。ルブリンは唯一人生き残った族長の息子として、一族の生き残りをまとめること、敵の族長の口となり耳となることを要求される。族長とはそういうこと、敵の指揮官クラドックにもそれが分かり、ルブリンにも勿論それが分かる。そして族長の重責は、代わってくれるものもない。

ルブリンたちは、アトレバテース族の奴隷として、彼らの砦をより強固なものにするために働いていた。冬が過ぎ、春となった。クラドックは偶然、数本のゆれる線だけで、馬の群がすさまじい勢いで走る様子を描くことが出来る、ルブリンの絵の才能を知る。ルブリンの絵に執着するクラドックと、ルブリンはある取引を行う。

緑の丘いっぱいに広がる白い馬。丘の斜面を掘って描く、巨大な馬。

それは、もしクラドックの望みどおりの馬を作ることが出来たなら、一族の生き残りを自由の身とし、どこかよその土地で馬を飼う事が出来るように、雄馬と仔を産める雌馬を分けてくれ、というもの。ただし、族長である二人の男の約束は、そこで語られたことが全てではない。言葉にはされなかった何物かがあり、それは暗闇の中で時が満ちるのを待っている。

ルブリンが子供の頃から夢に見た白馬は軽やかに丘を駆け、一族の生き残りたちも自由の身となる。しかし・・・
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全編を流れる風、彼らの女神エポナ、ルブリンのハルニレの木、彼らの慣習、全てが美しい本。最後のルブリンとダラの友情には、短い物語であるにも関わらず、涙が出た。

「英国王室御用達」/伝統、手仕事

 2005-08-22-10:18
恒松郁生・文、岡村啓嗣・撮影「英国王室御用達」

目次
ロイヤル・ワラントとは?
紳士服・礼服 etc.
女性服・革製品 etc.
宝石・雑貨 etc.
釣具、猟銃 etc.
香水、花 etc.
古書・文具 etc.
レストラン・パブ etc.

各章の後ろには、コラム付き。レストランには認定証は発行されていないけれど、本書では王室メンバーが行かれるレストランとして、部外秘の「ロイヤル・アドレスブック」に掲載されている店から選んだとのこと。

認定品の多くは、認定を発行した方の紋章を店の外に掲げている。現在ではエリザベス女王、エジンバラ公(フィリップ殿下)、皇太后、それにチャールズ皇太子の四人が認定出来るのだそうだ。四人の紋章が実際に載せられているのだけれど、チャールズ皇太子の紋章は少し地味に感じる。みんな、権威を感じる立派な紋章なのだけれどね。

認定証は会社の株主か取締役個人宛に発行され、認定が正しく使われているか、責任を持つ義務がある(五年ごとに厳密な審査。認定取り消しもあり得る)。ロイヤル・ワラントを持つ店は、現在約八百軒あるが、毎年二十軒から四十軒が取り消され、ほぼ同数の新しい店が認められている。一つの店で王室全員の認定を受けている店はわずか七軒に過ぎない。

素敵なものばかりだったけれど、自分でも使えそうなのは、フローリス(香水)ペンハリゴンズ(香水)プレスタート(チョコレート)ぐらいかな。後のものは、私には使いこなせそうにない。プレスタートの常連は、王室から画家のルノワール、マティスやピカソ、それに作家ではシャーロック・ホームズの生みの親のコナン・ドイル、最近では「チョコレート工場」の著者ロアルド・ダールがいるそうだ(チョコレート好きだから、ああいう本を書かれたのでしょうか)。

マッグズ・ブラザーズ(古書店)フランク・スマイソン(文房具)も素敵。イギリスでは、個人用の便箋や封筒を作っている人が圧倒的に多く、いかなる理由があろうとも、会社の便箋を私的な手紙に使うのはイギリスの紳士・淑女の間では、恥ずべきことなのだそうだ(会社のものは使わないにしても、日本では個人用まではなかなか作らないですよね)。このフランク・スマイソンでは、便箋の端を好みの色で一重とか二重の線で囲むサービスをしてくれて、これが何と印刷ではなく、一枚一枚熟練した職人が手書きで線を引いてくれるのだそうだ。

伝統の手仕事にうっとり。


恒松 郁生, 岡村 啓嗣
英国王室御用達

*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、ご連絡ください。

「ミセス・ギフォードのイギリスパイとプディング」/英国料理

 2005-06-12-09:59

著者: ジェーン・ランザー ギフォード
タイトル: ミセス・ギフォードのイギリスパイとプディング

本に影響されて食べたーい、とか飲みたーいとか思うものが多いワタクシ。どうも「イギリスの食べもの!」な気分だった所に、図書館でこの本を見かけたため、借りてきました。
巻末の著者近影にはこう書いてあります。

「とかく評判の悪いイギリス料理の名誉回復とイギリス食品の普及に努めているが、実際に繊細な味のおいしいイギリス料理を作る。(略)この本では料理を作るだけでなく、自らセッティングをして、写真を撮った。」

というわけで、著者の気合の入った一冊。テーブルセッティングも綺麗~。

「味と香りのいいチキンストックの作り方 材料(約1?分)」と言われても、まぁ作らないとは思うのです(だって、鶏ガラ約1kgに水2?ですよ。煮詰めることを考えただけでも、ちょっと辛い)。でも「甘くないパイ」「甘いパイとプディング」も実に美味しそうで、目が満足しました。そんな私、先週末はこの本のフィリングを参考にして(?)、なんちゃっていんちきパイを作って食べてました。いや、冷凍パイシートを格子状に載せて焼いた、というだけの代物ですが。何となく満足は致しました。でもパイシートに使われているバターの量を考えると!地味飯ダイエットはどうした、私!


写真がまた綺麗で、「スコットランドの休日」と題された写真エッセイ風の十ページなど、羨ましくて仕方がないです。ライブラリーに、キャンドルの灯りの下でのディナー。素敵だなあ。

夏休みとクリスマスを過ごすスコットランドの家。緑いっぱいの環境と居心地のよさに家族がそろい、友人も集まってきます。そして、みんな、心の底からリフレッシュします。

ライブラリー(書斎兼図書室)には、壁一面に何百冊もの貴重な本を保存する書棚があり、私たちはこれをとても誇りに思っています。ライブラリーは、窓の小さい、暖かい感じの部屋で、オレンジがかった赤にペイントされた壁は、私の夫の家系のグリーンとオレンジの組み合わせのタータンチェックの柄と合わせてあります。

スコットランドの夏至のころは、夜11時半ごろまで辺りは薄明るくて、太陽が少しずつ丘の向うに沈んでいくのを、空が刻々と美しいさまざまな色に変わっていくのを眺めながら、明るくてもキャンドルの火をともし、その二つの光の中でディナーをいただくのは夢のようにすてきなことなのです。


*臙脂色の文字の部分は本文中より引用を行っております。何か問題がございましたら、御連絡下さい。
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つな がる

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つなです。
「日常」logとも称していますが、そう多くはない手持ちの本、興味が赴くままに借りてきた図書館本の感想が主になります。
興味を持った記事があったり、あなたが読み終えた本について語っていたら、是非あなたの感想を教えて下さい。お待ちしています。

2008年3月23日に、fc2ブログに引っ越してきました。それ以前のamebaブログでの更新も、引っ越しツールによって移行しています(以前の記事は、表示が少々見辛いかもしれません。ご容赦を)。

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